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大手に入社すれば安定なのか?

就活人気ランキングを見ていてビビった。
自分が就活していた時とラインナップが殆ど変わっていなかったから。自分も新卒では所謂JTCを選択した身だしそれが正解だったと思いたいけど、本当にそうなのか?を今一度考えたい。

ファーストキャリアは大手かベンチャーか

新卒就活における論争のひとつ。
ぶっちゃけ唯一解は無いし、人によって意見が分かれるテーマだと思うけど、6年ちょいコンサルとしても事業会社側としても採用に関わっていた人間として自分の考えを纏めておこう。

多分2010年代初頭までは大手至上主義の考えが根強かったと思うんだよね。インターネットバブルとかリーマンショックの影響がもあって学生の選社軸も徐々に「安定性重視」から「やりがい重視」へシフトしていった感覚。

今の日本の労働環境を見ても、終身雇用や年功序列の見直し、ジョブ型雇用など、労働に対する考え方が抜本的に変わりつつある。
中でも人的資本情報の開示義務は直近のトレンド。D&Iや雇用の流動性が企業にとっての重要テーマになっていて、中途採用比率の向上に取り組んでいるJTCも割と多い。味の素なんて中途採用比率50%以上を目指すことを有価証券報告書で掲げてるし。
つまり、『新卒カードを切るなら絶対に大手(大手は新卒でないと入れない)』というロジックは弱くなりつつある。

VUCAすぎるって


一方で大手=安定とは言い切れない時代にもなってる。
大手企業でも経営が傾くことは往々にしてあるし、コロナでより感じたけどどんな企業でも100%安定なんて言いきれないよなと。N◯Cや富◯通が早期退職希望者を募り、◯芝がTOBされる時代だしね。(トヨタの会長が終身雇用の時代は終わったと話したこともエポックメイキングな出来事だった)
大手企業に入社したものの、会社の経営が悪化したため転職活動を始める。改めて自分のスキルを振り返ると「飲み会費用を傾斜を掛けて集金する力」「上司のご機嫌を損ねないようにお伺いを立てる力」「会社独自のシステムのみに特化したITスキル」など汎用性のないスキルが多くて、いざ転職市場に乗り込むとまったく評価されないことに気が付いた... なんていうケースも沢山見てきた。
企業名や看板だけでの会社選びではなく、その企業でどのような経験ができるか(=どういったスキルが付くか)という視点を持って会社選びをしなくちゃいけないなと。

個のスキル is 何


どういったスキルを付けたいかは人によって答えが分かれるだろうけど、営業職としてファーストキャリアを始める学生が多いことを踏まえて、営業にフォーカスして話をしてみよう。いま日本の営業従事者は約300万人。
一口に営業と言っても「有形 or 無形」「B2C or B2B」「新規 or 既存」など様々なスタイルがある。受け売りだけど、営業職を一括りにすることは陸上競技を一括りにすることは近い。砲丸投げと100m走に異なる筋力やセンスが求められるようにね。保険のおばちゃんと外資IT企業のトップセールス、どちらもその道のトップセールスなんだけど凄さの種類が違うよねって話。「とにかく成長!営業力つけます!ゾス!!」みたいな考え方はメッシュが粗く「誰に、何を、どうやって売るか」という部分まで考え抜く必要があると思う。

・誰に


個人的な意見としてはファーストキャリアはなるべく業界をまたいで価値を提供する、いわゆる”Horizontal”な商材を扱う業界に行くべきだと思う。業界特化型(Vertical)だと身に付くスキルや知識に偏りが強くて汎用性が身に付けづらいからね。例えば「ネジの営業をしていました!おいどん世界一ネジに詳しいでごわす!」みたいなケースは確かに工場におけるニッチな知識は身に着くんだけど、それを活かせる場面が限定的であり転職市場では評価され辛いんだよね。
一方でHorizontalに顧客を担当する「人材業界、IT業界、広告業界」などはそこで身に付く知識やスキルの汎用性が高く、転職市場においても選択肢が広くなりがち。(金融業界もHorizontalではあるけど、レガシーな自社システムだけを使っていて汎用的なOAスキルはからっきしという事例も多いため除外)

・何を

ここはぶっちゃけ好きにすりゃいいと思ってる。
自分が興味を持てる商材を担いだ方が仕事に熱中できるんじゃないかと思ってるし。仕事に社会貢献性みたいなものを求める人はそういう事業を扱う企業を選べば良いし。
ただ、ここでも1つだけ別角度のインサイトを伝えておくと「業界によって利益率(≒給与水準)は全然違うよ」というお話。
給与を決めるファクターとして最も大きいのが業界。その次に職種、会社ごとの方針、最後に個人のパフォーマンス。これは青田先生も言ってたね。
薄利多売の業界でどんなに頑張っても限界はあるけど、利益率の高い業界をちゃんと選べばある程度の稼ぎは付いてくる。
また、成長が鈍化している業界も避けた方が良いと思う。
会社の雰囲気も悪いし、解雇や組織縮小など後ろ向きな意思決定が多くなり、昇格など前向きなイベントが発生しづらいからね。

・どうやって

営業にもいくつかのlevelがあるのよね。しげの先生も言ってました

  • Lv.0 :御用聞き営業 (既存顧客に追加発注も貰いに行くだけ)

  • Lv.1:プロダクトセリング (これ良い商品なんで買ってください!)

  • Lv.2:ソリューションセリング (その課題解決しまっせ~!)

  • Lv.3:ビジョンセリング (その理想実現しまっせ~!)

  • Lv.4:インサイトセリング (対話の中で理想を共に創り上げる)

AIの進化は目覚ましく顕在化している課題に対するモノ売り営業の価値は徐々になくなっていくと思う。must haveな商材ではなくnice to haveの商材を売れる営業力こそが今後も求められる営業能力だぞと。
Lv.3以上のセールス能力を身に着けられる企業に入っておきたい。

まとめ

キャリアというのは決して点で捉えられるものじゃなくて、長期的に続いていく性質だからこそ、常に少し先の未来を見据えた選択が必要だと思う。
いざという時に向けて、自分の未来のoption(取れる選択肢)を増やしておく状態こそがVUCA時代におけるキャリアの最善手だと思う。
そう考えるとサイバーエージェントやDeNA、日系SaaS(Sansan、Rakus、MF)みたいなメガベンチャーが人気となっているのも合点がいく。
選択肢を増やすという意味ではコンサルでもいいじゃんという声に対するアンサーは次の記事で書こうかな。


#新卒 #就活 #内定 #メガベンチャー #IT企業 #SaaS


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