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カスタマーサクセスを日本全国に──SUCCESS CAMP 2025レポートとKOMMONSの挑戦
はじめに
こんにちは。株式会社ATOMica KOMMONSカンパニーCEOの白塚です。この記事では、先日実施した「SUCCESS CAMP 2025」について、その企画に至った背景や今後の挑戦についてまとめました。
KPPの立ち上げと「灯そう。」から「挑もう。」へ
KPP(KOMMONS Premium Partners)誕生の経緯
KOMMONSは2021年から、CSキャリアをサクセスさせるオンラインコミュニティ「CS KOMMONS」を運営しており、1,500名の方々にご利用いただいています(ご興味がある方はこちらからご登録ください↓)。
2023年に、プロフェッショナル同士が横のつながりを持ち、一緒に業界を盛り上げていける分科会を作ろう——そんな思いから、X mileの中嶋さん(当時は弁護士ドットコムに所属)の発案でスタートしたのが「KOMMONS Premium Partners(KPP)」です。
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SUCCESS CAMP 2024:「灯そう。」
KPP第1期メンバーの皆さんを中心に実施した「SUCCESS CAMP 2024」では、「カスタマーサクセスをこれから頑張りたい」という方々に灯火(やる気)をともすイベントにしたい、という想いから「灯そう。」をテーマに開催。当日は100名以上の方々に参加いただき、とても熱量の高いイベントになりました。
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SUCCESS CAMP 2025:「挑もう。」
続く第2期では、カスタマーサクセスの灯火をより多くの人に広げるために夏合宿やワークショップといった「学び合い」の活動を展開。
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その中で、多くの方々から、「社内に理解者がおらず、なかなかカスタマーサクセスの取組が進まない」といった声も聞こえてきました。一方で、既存の常識や価値観に“挑み”、事業成長を実現している方々もいる。
そこから、CSの取組みがうまく進まず、悩んでいる方々が、既存の常識や価値観に”挑み”、顧客の成功を実現する為の力になるイベントにしたいと思い、今回の「SUCCESS CAMP 2025」では「挑もう。」をテーマにおきました。
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SUCCESS CAMP 2025の提供価値
「SUCCESS CAMP 2025」では、下記の3つの提供価値を掲げ、企画を進めました。
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会場協力:ヤプリ様
今回の開催にあたっては、ヤプリ様のオフィスをお借りしました。ヤプリ様は“カスタマーサクセス”を会社のValueの一つに掲げ、全社でCSに取り組まれている企業です。
昨年イベントで鏑木さんにご登壇いただいた際にそのことを伺い、是非ヤプリ様のオフィスで実施したいと考えていました。ご依頼したところすぐにご快諾をいただき、素敵なオフィスで実施することができました。
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本イベントの構成
提供価値を実現する3つのエリア
当日は、大きく3つのエリアに分けてプログラムを実施しました。
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メイン・LTステージ
トップランナーであるKPPの皆さんによる講演やLT(ライトニングトーク)を行い、知見や事例を共有。ワークショップ
少人数でKPPの皆さんと作ったフォーマットをもとに理想のCS整理やマネジメント体験を実施。次のアクションに繋がるヒントを提供。ネットワーキング
業界の垣根を越えた交流を促進するエリアを用意。名刺交換だけではなく、自由に意見を交わす場として大いに盛り上がりました。
会社を超えた繋がり作りを促す仕掛け
ノベルティ:夏合宿でもご協賛いただいたGood Cultures様にご協力いただき、限定マグカップを作成。会社の垣根を越えた繋がりづくりのきっかけになるように好きな色のマグカップを選び、色占いができる仕掛けを用意いただきました。
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おみくじカフェ:コーヒーと一緒におみくじを引いてもらうカフェスペースを設置。自然と参加者同士の会話が生まれ、交流を深められました。
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本イベントの成果と参加者の声
今回の「SUCCESS CAMP 2025」には総勢150名のカスタマーサクセスな方々にご参加いただきました!
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そして、ありがたいことに参加者アンケート評価でも平均4.7/5.0と高評価をいただきました!
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いただいた参加者の声も一部ご紹介。参加者の皆さんにとって刺激になるイベントになったようでとても良かったです。
「勉強になり過ぎました!まだまだやることやれることがあると思った一日でした。またイベント参加させてください。ありがとうございました。」
「最高なイベントでした!文化祭みたいで楽しかったです!」
「CSの仕事を始めて1.5年で初めて、社外のCSの方とつながりました。CSの概念を体現するようなサポーティブな方ばかりで、会社に持ち帰ってまた壁打ちさせてください。ありがとうございました!」
当日の詳細なイベントレポートは別途公開予定ですので、そちらもぜひご覧ください。
カスタマーサクセスを日本全国に広める3つの取り組み
イベントでもお伝えしましたが、KOMMONSとして今後は「カスタマーサクセスを日本全国に広める」をテーマに、次の3つを軸に活動していきたいと考えています。
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1. SaaSから非SaaS業界へ
KOMMONSはカスタマーサクセスに特化した業務設計・BPOのサービスを提供しています。カスタマーサクセスBPOの認知度が高まってきた中で、有難いことに引き合いも多くいただいていますが、SaaSだけでなく、それ以外の業界の企業様からの相談も多いです。
SaaS業界と異なり、製品から取れるデータが限定されるからこそ、ヒトのオペレーションをセットで考えないといけないのが、非SaaS業界の難しくもあり、面白いポイント。
更にまだまだカスタマーサクセスの考え方が浸透していないからこそ、業務設計から入り、取組の実行も含めてパートナーとして一緒に取り組みを進めていけるのも魅力の一つだと感じます。
SaaS以外の業界での成功事例を創出していくことによって、カスタマーサクセスの皆さんが活躍できるフィールドをもっともっと広げていきたいと思います。
2. 首都圏から地方へ
有難いことに何名かは名古屋や大阪、広島からいらしてくださっていましたが、SUCCESS CAMP 2025に参加いただいた方々のほとんどが首都圏にお住まいの方々。
首都圏でもSaaS業界を飛び出すと、「カスタマーサクセスって何?」と言われるケースが多く、地方でカスタマーサクセスをご存知の方と出会うことの方が稀です。
ただ、地方は”顧客の課題の宝庫”。CSに従事されている皆さんであれば、「カスタマーサクセスの第一歩は顧客を知ることから」ということに異論を持たれる方はいないはず。
更に、地方自治体様とお話をしている中でも、まずは「地方の課題や住んでいる人たちを知ってもらいたい」という想いの方々が非常に多く、知っている人が増えるだけでもとても喜んでくださいます。
オンラインで話したり、実施に現地に行ってみることも含め、”地方の課題を知る”ことを一種の体験として皆さんと楽しむことから始めながら、伝道師として地方にカスタマーサクセスを広めていく活動をしていきたいです。
そんな取組みの中で、皆さんの生活がちょっと豊かになることに繋がれば良いですし、将来的に皆さんの第二、第三の故郷が生まれるきっかけになれば嬉しく思います。
3. オペレーションから事業開発へ
現状、顧客を成功に導くための体験の設計から実際の顧客対応を行うのがカスタマーサクセス職としての主な役割だと思います。
一方、既存顧客との対話の中で、「顧客が感じている他の課題はないか?」「その課題は自社の強みを活かして、顧客を成功に導けるものか?」「その課題に困っている企業・人はどれ位いるか?」を問い続ける営みは、事業開発のプロセスそのものでもあります。
昨年グループインしたATOMicaとして受託し、KOMMONSが主体となって運営している中小企業様向けの新規事業開発・オープンイノベーション支援の取り組みにおいても実はカスタマーサクセスの考え方を活かせる部分が非常に多いです。
カスタマーサクセスの考え方を「事業を回す」ことだけでなく、「事業を創る」ことにも活用していくことで、より多くの顧客起点の事業を生み出すことにつながると考えています。
またひとえに事業開発といっても一から事業を作るものだけでなく、今の商品・サービスを”正しい”顧客に届ける為に、新しく別のチャネルを作るなど、関わり方は様々。複業プロジェクトとして参画いただくなども含め、皆さんとの色々な関わり方を模索していけたらと思っています。
"傍楽"が正しく評価される世の中に
前職時代にコールセンターBPOでの経験から感じた「顧客の為に頑張っているのに正しく評価されていない人達を救いたい」という起業のきっかけになった想いは今も全く変わっていません。
往々にして、そういった方は良い人過ぎて損していて、自分からはなかなかそれを言い出せないという場合が多いと感じます。
KOMMONSのメンバーはそんな方々を見て、勝手に腹をたて、彼ら・彼女らをなんとかしてあげたいと勝手に思っている人間の集まりです。
当時の同僚に聞いたら「あ、別にそういうの求めていないです」と言われるかもしれませんが笑、それでも良い。
「誰かを楽にしたい」という想いで動ける人間が報われる世の中を実現することで、これまで彼らを過小評価してきた人達を僕達が見返してやりたいのです。
カスタマーサクセスは、まさに「誰かを楽にしたい」という想いをビジネスの軸に据える考え方です。この概念を広めることが、僕達のビジョンである「働くを、傍楽(ハタラク)に」を実現する大きな一歩になると確信しています。
おわりに
「SUCCESS CAMP 2025」を通じて、私たちが目指すのは単なるイベントの開催だけではありません。業界や地域の垣根を越えてカスタマーサクセスを広め、顧客を起点に新たな価値創造を進めていくことが、ひいては「誰かを楽にしたい」と願う人々が正しく評価される世の中につながると信じています。
僕達のこういった想いに共感いただいた方、今後の取り組みに興味をお持ちになった方はぜひお話しできればと思いますので、SNS等でご連絡をいただけると嬉しいです!
X(旧Twitter):https://x.com/cskommons
YOUTRUST:https://youtrust.jp/users/kommons-shiratsuka
またKOMMONSは、1,500名以上のカスタマーサクセス従事者が登録する日本最大級のカスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」を運営しています。会社を超えて、「CSの他社事例を知りたい」「自身のロールモデルとなる人を見つけたい」といった方はぜひご登録ください。