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茶花と花入れ
茶花(ちゃばな)とはお茶室の床(とこ)に生ける花のこと。お茶の時間には欠かせないものです。
千利休は「花は野にあるように」と教えました。作り込んだ美しさや華美なものは使わず、自然の風景をそのまま摘んできたかのように茶花は山野に生えている野草を使用して季節ごとの風情や時の移ろいを表現することが多いです。
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茶花はしばしば生け花と混同されることもありますが、実は全く異なります。生け花は枝や葉や花などを器に美しく飾りますが、茶花は素朴な佇まいであることが良いとされます。
野の花を摘んで生けることができれば良いのですが、現代では中々難しいので茶道の先生方は皆さん自宅の庭で育てておられます。茶の湯住宅ではお客様に披露する露路とは別に茶花を育てるお庭も必要となってきます。
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生けられる花も満開ではなく、不完全さに美しさを見出すためにつぼみやもうすぐ花びらが開きそうなものを生けます。春夏秋冬それぞれの季節でよく使われる花は、
春 椿(ツバキ)、梅(ウメ)、菜の花、
夏 槿(ムクゲ)、夏椿(ナツツバキ)、
秋 桔梗(キキョウ)、秋明菊(シュウメイギク)
冬 蝋梅(ロウバイ)、水仙(スイセン)などがあり、
逆に女郎花(オミナエシ)などの名前の悪い花や、派手で華美な花、返り咲きする花、食用の花や季節にそぐわない花などは定義は曖昧なところもあるのですが禁花と呼ばれ使われません。沈丁花(ジンチョウゲ)や金木犀(キンモクセイ)など匂いの強いものも使われません。
茶花を生けるのが花入れです。さまざまな種類がありますが、材質による格と飾り方の違いがあります。
格としては、「真」「行」「草」の三つに格分けがあり真が最も格が高く、行草と続きます。材質や形によって格が分けられ格によって花入れの下に敷く薄板も異なります。
もっとも高い格が真で、唐物の花入れで、唐銅、青銅、唐物青磁、染付などが使われます。
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行の花入れは釉薬のかかった和物の陶磁器や、砂張、釣り花入れも行にあたります。瀬戸、丹波、織部、高取などの焼き物が良く使用されます。
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草の花入れは備前や信楽など釉薬のかかっていない素焼きの焼き物や、竹や籠、瓢などの木工の花入れなどが使われます。
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飾り方としては、
置き花入れ
床に薄板を敷きその上におきます。ただし籠花入の場合は薄板を敷きません。
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掛け花入れ
中釘や床柱の花釘に掛ける花入れです。竹や籠で作られた花入れが掛け花入れとして使用されることが多いですが焼物もあります。
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釣り花入れ
床の天井の花蛭釘に鎖や紐を通し船の形や月を象ったものを使います。
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