会席料理と懐石料理…
11月24日はいい(11)日本(2)食(4)の語呂合わせで和食の日だったそうです。最近は和食の美味しさがよくわかるようになって、美味しい和食が食べたいと思ってます。量より質、濃い味より薄味…という感じです。2014年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された和食ですが、そもそも和食の定義とは何でしょうか。農林水産省のHPには和食の特徴が4つ書かれています。
・多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
・健康的な食生活を支える栄養バランス
・自然の美しさや季節の移ろいの表現
・正月などの年中行事との密接な関わり
天ぷらは代表的な和食ですが、そもそもはポルトガルから伝来した南蛮料理でした。それがより日本人の好みに合わせて進化し、日本の美意識が生かされて現在の形になりました。目の前で食の進み具合に合わせて調理して熱々で出される…日本らしいですよね。自宅で毎日頂くご飯や、ラーメンやカレーなどは和食でしょうか。これらは日本食というカテゴリーに入るんでしょうね。海外から来たものが日本で独自の進化をした親しみやすい料理、日本の美意識で見た目や、提供するための演出がもっと洗練されれば将来ラーメンも和食と呼ばれるようになるかもしれませんね。
そんな和食をいただくお店には料亭や割烹があります。
料亭とは、主に和食を提供する高級料理店で、「一見さんお断り」とする店舗も多く個室の座敷が基本でコース料理で提供されます。特別な日の食事や仕事での接待などに使われてます。
割烹は、割烹着と同じ語源で、「割」は切ること、「烹」は火を使うことを意味し、かつては料亭と同じく、高級な料理店を指す言葉でしたが、明治時代後期から、客の好みに応じて作った出来立ての高級な和食をアラカルトで、カウンターやテーブル席で気軽に食べさせる店のことを指すようになりました。
料亭や割烹で出される和食は会席料理と呼ばれ、お酒を楽しむことが主眼に置かれ、ご飯と汁物はコースの最後に出されます。
お茶の世界でお茶をいただく前に出させる料理は懐石料理と呼ばれます。懐石の語源は、寒い時期に温めた石を懐に入れる防寒具として提供し、もてなしたという禅宗の古い習慣である「懐石」に習って名付けられたとされます。
懐石料理は四季の移ろいや道具の美しさを通して「もてなしの精神」を表し、「温かいものは温かいうちに、冷たいものはより涼やかに」に振る舞われ、お茶をおいしく飲むための料理であるため、量が少なく、またご飯と汁物は最初に出されます。現在懐石料理といえば量の少ないコース料理全般を指すことが多いですが、本来はお茶を美味しくいただくための料理でした。
建築の仕事は衣食住の住の分野ですが、衣食住は三位一体で密接ですから、衣や食についても学び伝統を伝えて行かなければと思っています。