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詩集 カステーラのような明るい夜 著・尾形亀之助 読書感想文

雨、ガラス、少女、風。
孤立が作った輪の上で、それらが踊り続けている。
そんな詩集だった。
孤立を良くないことだと位置づけがちな世の中であるが、
この詩集と出会い、その崇高さを改めて知った。


私の好きな言葉に「孤独だっていいじゃない 自分が赤く燃えていれば」がある。


孤独は熱情であり、孤立は冷然である。


詩集を読み進める間に、そのような一つの答えが浮かんだ。


また、詩とは自らを閉じ込めるほどに精度が上がり、嫌味になるのだと知った。


子供の頃、雑誌「詩とメルヘン」を読むのが好きだった。
可愛らしい内容のものが多かったが、今思えば、みんなとても研ぎ澄まされていた。
詩集と向き合うことで、さらに多面的な自分の考え方に出会えるような気がした。

と、ここまでは文学的な思考で書いてみたのだが、いち中年女性として感じるのは、作者の「大人嫌い」な側面である。

ガラスの向こうに想いを馳せるが、作者の宇宙は部屋の中。

少女へ無垢な憧憬を抱き、大人の女性に対してはぞんざいな眼差しを送る幼稚で怖がりな一面。

自然現象を擬人化する夢見がちな思考(私もうっかりよくやる。しかも口に出してること多し。こんなふうに他人から見えるんだって自省の機会を得るはめに)。

ただ、その未熟さが作品を磨き光らせるのは間違いないのだが。

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