週刊ポスト連載”「シン」と「重光」”感想文(短め)
毎週楽しみにしていた週刊ポスト連載”「シン」と「重光」”が終わった。
大家族の長男として生まれ農業高校卒業後種羊場に就職する「シン」。
日本人獣医に優秀さを認められ妻子を置いて日本に出奔し「重光」となる。
「重光」の勤勉さに胸を打たれたある日本人が金銭的援助を申し出てくる。
周りの協力を得ながら「重光」はロッテを創業。
創業後は、協力してくれた日本人たちに恩を返していく。
韓国政界に裏切られたり、またチャンスの場を与えられたり、日本経済界でのしがらみから球団を持つ羽目になったりと苦労は絶えなかったものの会社は成長していく。
そんな彼でも解決できなかったのは「後継者問題」だった。
朴正煕政権から都合良く扱われてもつながりは絶やさずその時を待つ辛抱強さ、また、やがてKCIAとして暗躍する男性の愛人の世話まで見る抜け目のなさには頭が下がった。
まさに清濁併せ吞むという言葉がふさわしい人生だったと思う。
日本で育った息子たちの日韓に分かれてのビジネス争いは火花が散るよう。
特に日韓で損を出しまくり、一度は父親に見放された次男のしたたかさには目を瞠るものがあった。
面白かったけど、私が一番知りたかった「シン」を支えた韓国の元女優とのことも書いてほしかったなあ。