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田んぼの構造を観察する① 美味しいお米の育てかた#030

大きな視点から見る


自然栽培では、もともと備わっている自然の仕組みや

虫や菌の生態系、土壌の呼吸など

さまざまな生理現象が起こる場所として

田んぼというフィールドを捉えます。


そもそも生態系の生きているフィールドとして考える点は

現代農業におけるただの平面という観点との大きな違いです。


現代農業では初期に土壌消毒を行い、圃場をすべて殺菌します。

さらに直接効果のある肥料や資材を投入することで

より自然のバランスが崩れ元々の生態系は多様性を失います。


しかし場は元のバランスに戻ろうとします。

その過程で虫も病気も元に戻る現象として現れると考えています。


これは驚くほど宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」の世界観と共通します。

ちなみに、同作品は本来コミックが最初でした。

https://www.amazon.co.jp/ワイド判-風の谷のナウシカ-全7巻函入りセット-「トルメキア戦役バージョン」-アニメージュ・コミックス・ワイド版/dp/419210010X

映画は最初の一巻を再編集した内容になっていて

原作はもっと複雑なストーリー展開で衝撃的なクライマックスが待っています。

自然栽培だけではなく自然のバランスを学ぶなら

是非とも目を通していただきたい作品です。

この辺りの詳しい詳細もまた別稿にてアップしていきたいと思います。


田んぼの構造を観察する

まず、広範囲から見た地形全体の特徴を割り 出していきます。

以前に紹介した1st Stageの見立てと同様に

①山や川がどこにあるのか

②その傾斜を通ってくる水や地下水

③風はどのように流れているのか

④日照時間は季節によってどう変わるか

⑤季節による風の強さや向き

⑥山から田んぼまでの間にある道路や建物の量

などなど

環境にあるものを一つひとつ整理していきま す。

さらに使用する農業用水がどこからどこへ流れ

途中の様子など、どのようなルートで流 れてくるのかなどを確認します。


現在ではインターネットの地図サイトで

地球のどのような場所にいるのかも観ることができます。

そして地球上の気流を様々な角度から検索するサイトもあります。


私たちが 住んでいる地域に

どのような地域を通った気流が通過しているのかを知ることも

マクロな視点から水や空気の性質を把握するための一助になります。

時間の変遷を見る

また、田んぼのある場所が歴史的に

どのような変遷を辿ってきたかも欠かせない情報です。

私が栽培していた地域では山際に縄文時代の集落跡があり

弥生時代には河川に近い場所で多くの出土品が発掘され

古くから人が住んでいたことが分かりました。

江戸時代までは一面の桑畑が広がり

養蚕が盛んな地域でした。

その後用水路が出来上がり

桑畑を田んぼに改造していったのです。

さらにその後は戦後の農地改革で構造改善が施され

農業の機械化が進む中で一枚の田んぼも大きく改変され

用水路もU字溝が整備されて今日に至ります。


一方で、構造改善されなかった地域の田んぼは

自然地形を利用したいびつな形をしており

土中の硬盤や畦も脆い反面

地元では古い田んぼのほうが美味しいお米がとれると言われ ています。

このように、田んぼが辿っている空間と時間を

大きな視点から観察することで

より田んぼに対する理解が奥深いものになっていきます。


続く

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