![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148506477/rectangle_large_type_2_4b72bc3bce7fa74244622ef52b2734d6.jpeg?width=1200)
苗代に並べる 美味しいお米の育てかた #017
前回はいろんな種類の苗代についてお話ししました。
本記事の冒頭はちょっと補足とおさらいです。
苗代の選択
折衷苗代の注意点
発芽までは乾田で、発芽後から水田という方法になります。
この場合は土質を考慮しなければなりません。
苗代が粘土質の場合、水をきった乾田は非常に硬くなります。
そうすると幼苗の弱い根では土中深くに入っていけず、成苗まで育つのにはストレスになり、生育不全に陥るケースもあります。
あまり固まらない砂地や山地のような土質であれば、適応する可能性が高いでしょう。
ポット育苗の利点
この方法を採用するメリットは
①強く健康的な苗に育つ
②水苗代から田んぼという環境変化の小ささから、田植え時にも根付くのが早い
③田植え後の除草作業にスムースに移行できる
様々な育苗方法を試した結果、この方法が苗に余計なストレスを与えず
心地よさを重視することでタネの生命力を発揮させる方法だと考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721916769107-HyDFTeFeWp.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721916783995-UXjzLcLe0K.jpg?width=1200)
苗代の形状をつくる
苗代に写真のようなテーブルを出現させるには
秋、春とよく耕うんして土を細かく柔らかくしておき
管理機を外に土を跳ね飛ばすセッティングにし溝を作っていきます。
余裕ある寸法で実施するのがポイントです。
苗代に苗箱を並べる
並べる前に根切りネットをひく
苗床テーブルが数センチ顔出している状態で苗箱を並べていきます。
苗代に苗箱をうまく剥がせるように、縦横4mmの防風ネットを敷きます。 これは苗箱をはがすときに、ポット下の根 が 土をそのまま持ってきてしまうことを防ぎます。
1mm間隔のものは根が絡みつき掃除が大変になってしまいますが、4mmだと掃除も楽で使いまわすことができます。
オススメはホームセンターで売っている防風ネットです。
苗箱の並べ方(枚数)
①苗代の広さや形状にもより縦にするか横にするか決める。
②2列か3列か4列かなども作業の都合を考えたうえで判断する。
オススメは横に2列づつという置き方を採用しています。
その理由は、苗代の水は苗箱と苗箱の間を流れることをイメージしてください。
縦置きよりも横置きのほうが水の回るスピードが隙間が多いぶん早く回ります。
逆に水が減るときも満遍なく引いていきます。
水の流れが停滞しないほうが苗の生育には良いです。
これらの観点は田づくりをする上でも共通の視点からのアプローチです。
苗箱の並べ方 (置き方)
苗箱を並べる際には専用の機械があります。
中規模・大規模生産者は苗箱を置く際は導入しているケースが多いです。
小規模生産者の場合はアナログなやり方で並べていきます。言葉で表現するのは難しいですが記しておきます。
①2枚横に並べ、さらに2枚を次の列に並べ合計4枚並べます。
②片面が防水加工してあるコンパネ2枚A.Bを、用意し1枚目Aを苗箱に乗せ、その上に人が乗ります。
③苗箱と苗代を圧着します。
④次の列に新しい2枚の苗箱を並べます。
⑤2枚目のコンパネBを新しく並べた苗箱に乗せ踏み込みます。
あとは④⑤の繰り返し。
この圧着があまいと、ポット部分が地面から浮いてしまい根が思うように下に伸びずに生育にストレスがかかり止まってしまうこともあります。
苗箱のポット部分が泥に沈み込んでいるくらいであれば、苗の根がそのまま苗代に張っていきますので、この工程は非常に重要です。
苗代の泥はあまり緩すぎても、固すぎても良くありません。
水位を調整しながら土質に合わせたちょうどいい硬さの内に並べていくほうが良いでしょう。
発芽のために被覆する
並べ終えた苗箱に発芽を促進するために被覆資材をかけます。
温暖な地域であれば被覆資材は必須ということでもありません。
その場合は鳥よけのために、1mmメッシュでラメのラインが入ったネットのみで良いでしょう。
こちらが今回のメイン被覆資材です。
シルバーラブと言っても高齢恋愛ではありません(はい、現場ネタです。)
いろいろ試しましたがこちらの製品が一番優秀でした。
被覆資材は上記のようなビニールと不織布がセットになっているものが便利です。
セットでなければビニールと不織布をそれぞ れ使用しても良いでしょう。
不織布を間に挟む理由としては、ビニールだけだと晴天時の春の日差しで高温になるビ ニールが、発芽したての苗に触れ、苗が焼けてしまうのを防ぐためです。
春に風の強い地域では風で飛ばされないようにしっかり固定しましょう。
固定することでビニールの中が蒸れて発芽を促進します。 固定するにはビニールの裾に鉄パイプを乗せたり、通路の泥を乗せたりします。
ここから発芽して2.5、3cmになる約1週間~10日程、 このまま被覆した状態にします。
![](https://assets.st-note.com/img/1721916813450-kcAa8ZzQv5.jpg?width=1200)
タイミング的に遅霜などがある地域は、この中で遅霜をやり過ごすことができれば育苗のタイミングとしては好調な出だしです。
また、表層が乾燥しないように苗代の水位には注意しましょう。
次回は育苗土についてお話しします。
ご覧いただきありがとうございます!
書籍化に向けて連載中!「美味しいお米の育てかた」お役に立ちましたら♡タップ(登録無しでもカウントされます。)フォローサポートよろしくお願いしまーす!
https://www.instagram.com/morinonagram/
いいなと思ったら応援しよう!
![山田憲吾](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172345013/profile_116552d263abf072c32f50deb3e019bc.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)