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正月に観たい映画 ロッキー

 どうもkomeiです。藤井風の寝そべり紅白をラジオ代わりに今書いています。彼は今年更にブレイクしそうです。さて、今日はジョン・アヴィドルセン監督の名作ロッキーについて書いていきたいと思います。まさかロッキーで泣くとは思いませんでした。
 ロッキーは最も有名なボクシング映画、映画全体としても有数の知名度を誇る作品と言えるでしょう(実際に観てこれはボクシング映画ではないと感じたが)。ロッキーのテーマ(Gonna Fly Now)も有名で、勝負事に於いて流されることも多いと思います。しかし、実際に観たことはない、という方もある程度いらっしゃるのではないのでしょうか。コロナ禍の大変な状況でも這い上がっていこうと思える、特に今年の年始に観たい作品です。


概要

  ロッキーは1976年にアメリカで製作され、1977年に日本で公開された作品です。第49回アカデミー賞作品賞や監督賞、編集賞など沢山の賞を受賞しました。119分と平均的な上映時間ですが、本当にあっという間でした。シルベスター・スタローンが主演・脚本を務め、無名だった彼を有名にすると同時に彼の代表作の一つとなっています。低予算で製作された作品ではありますが、その中でやれることをすべてやったという雰囲気が伝わってくる力作です。音楽はビル・コンティで、Gonna Fly Nowでアカデミー賞歌曲賞にノミネートされました。

あらすじ

 1975年、フィラデルフィアのうだつの上がらないボクサーだったロッキー・バルボアは、借金の取り立てを行うゴロツキでもあった。しかし彼は不良少女に改心を促すなど根の優しい男だった。彼は動物好きで、ペットショップに勤める、親友ポーリーの妹のエイドリアンに恋し、シャイな彼女と交際を始める。建国200年記念の催しの一環としてボクシングの世界戦が行われることになり、チャンピオンからの指名でロッキーが対戦相手になった。彼はプロボクサーなのにタバコを吸い、酒も飲んでいたが、改心して節制を始め、トレーニングにも身を入れる。試合前日の夜、エイドリアンに弱音を吐くも、「(相手の)クリードと(with Creed)最後まで立っていれば(go the distance)俺はただのゴロツキ(bum)でないことを初めて証明できる」と意気込む。そして試合当日、エイドリアンのエールを受け、格上のチャンピオンからダウンを奪うなど善戦する。血みどろの熱戦になり、周囲が試合をやめるよう助言するも、最終15ラウンドまで戦い続けた。試合が終わるや否や、判定が出ないうちから、ロッキーはエイドリアンの名を呼び続ける。彼女がリングに上がると、恋人たちは抱き合い、愛を叫び合うのだった。

本作の魅力

 まずはそのストーリー。燻っていた人がチャンスをもらい、一念発起して努力を積み活躍するというのは、王道で盛り上がるストーリーと言えるでしょう。ただ、それ以上に、ロッキーを勝たせなかったというのがこのストーリーの最大のポイントだと思います。私は性格が悪いので、チャンピオンとの決戦が決まった時から、ロッキーが勝ったら興醒めだなと思いながら見ていました(笑)。というのも、それまでプロの自覚なく酒や煙草を楽しんでいたような三流の選手が、無敗最強の世界チャンピオンに少しの特訓で勝つのは流石におかしいからです。リアリティを求めているわけではないのですが、、リアリティを求めているのかもしれません(笑)。ロッキーの性格の描写も叮嚀でしたし、エイドリアンとの関係の発展の様子もつれない所から親しくなり、恋人として仲睦まじくなるまでをしっかりと描いています。ストーリーに関しては叮嚀という言葉がしっくりくるように思います。
 続いては、音楽の前に、ロマンチックさを挙げたいと思います。特にキスシーンは素晴らしく、今まで見た中で一番だと感じました。具体的に説明しようかとも思いましたが、無粋なので実際に見てほしいと思います。もう見られた方はコメントで感想を共有していただけると嬉しいです。また、ラストシーンも至高です。有言実行し、最後まで立っていたのも素晴らしいですが、エイドリアンが駆け寄って"I love you"とロッキーに抱き着くところでは、思わず声と涙が出ました。映画で泣くことはありましたが、思わず声が出てしまうというのは初めてでした。エイドリアン役のタリア・シャイアが素晴らしいです。もう一つ挙げると、初デートのアイスリンクでのシーンです。サンクスギビングデイで早くに閉まったリンクを、ロッキーが交渉して貸し切り、二人で話しながら滑るというシーンです。実際は沢山の人の中を滑らす予定でしたが、エキストラを雇う予算がなかったためにそうなったそうです(後述の町山智浩の映画塾より)。その御蔭で、静かな二人にふさわしいシーンになったと思います。
 そして音楽です。Gonna Fly Nowは先ほども紹介しましたが、映画自体よりも有名ではないかという音楽です。これが流れるロッキーのトレーニングシーンは激熱です。ラストシーンでも、Going the Distanceが感動を一層盛り立てます。5割増しといってもいいほどに音楽が重要な役割を果たしていました。BGMなどではなく、あのシーンに不可欠な音だと言えるでしょう。そのほかの劇中音楽も、状況に最適な音楽と言えます。

 他には、ファッションも魅力的に映りました。ロッキーは貧乏で二セットほどしか服を持っていませんでしたが、それが非常に格好いいのです。基本はグレーのモックネック気味のトレーナーの上に黒の革のボタンのジャケットに黒のストレートジーンズ、黒のブーツと男らしいアメカジです。それを190パウンドの筋肉質な肉体を持つスタローンが着るのですから格好良さも一入です。エイドリアンが地味な恰好から、ロッキーと交際するにつれて、赤のコートや白のニットなどの明るい服を着るようになったのも注目ポイントです。更に、街中の人もフレアのブルージーンズに茶色のブーツという当時のアメリカスタイルを着こなしており、とても格好いいです。

ロッキーに関する情報

 ロッキーについて紹介した動画がYouTubeにありますので、俳優に関することや裏話を知りたい方は是非ご覧になってください。紹介しているのは映画評論家の町山智浩氏です。個人的には、亀のカフとリンクがロッキーを表しているという点に、成程なと感心しました(10:00∼)


観る前に知っておきたいこと

 アメリカ文化が色濃く反映されているため、サンクスギビングや建国の歴史などについて知らないとわからないことも多いと思います。例えば、チャンピオンのアポロ・クリードの試合前の演出はそれらのオマージュとなっています。当時のアメリカの状況も知っておくとよいでしょう。ベトナム戦争やオイルショック後の不況など困難な状況にありました。それに関連して、ニューシネマと呼ばれる反体制的、反戦的な映画がトレンドだった。

最後に

 ロッキーはボクシング映画などではなく、底辺から立ち上がるヒューマンドラマ、そして愛の物語と言えるでしょう。今まで観た中で最高の映画の一つと言えます。怖さもありますが、続編も観ていきたいと思います。

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