【ライターの裏側】「写真もお願いできますか?」の依頼は基本ごめんなさい。高くても絶対にプロカメラマンを進める理由
ライターさんのなかには、文章のみならず写真まで上手に撮られる方もたくさんいらっしゃいます。
取材ライターさんとか、ジャーナリスト寄りのライターさんは文章と写真がセットで成立するお仕事ですよね。
私も何度も、写真有りの案件の依頼がありました。
が、
過去10年、写真あり案件は全部断ってきました。
どんなにお仕事が欲しい時も、です。
その理由は、プロの写真が絶対的に素晴らしいと思っているからです。
ライターの仕事はいろいろありますが、私はインタビューする本人の魅力が溢れる文章にしたり、企業さんの強みがよくわかる文章にしたり、文章の仕事じゃなくてもとにかく見た人が「あ!素敵!」と思ってくれるものを納品するのが仕事の本筋だと思っています。そのためには、素人が見よう見まねで撮った写真ではなく、素晴らしいプロの写真が絶対的に必要です。
素人の写真では普通の文章だったのが、プロの写真が入ることによって圧倒的にクオリティが上がって見えるので私の文章もよく見えるのです(笑)
プロの写真って圧倒的に違います。では、どこがどう違うのか。たしかにさほど上手ではないプロの方もいらっしゃれば、めっちゃ上手な素人さんもいます。それは、実績ないのにこの人上手いな〜っていう人もいれば、「月収50万稼いでます!」なのに???な人もいるライターと同じです。
今までいろんなカメラマンさんとお仕事をしてきて、私の中で、人物は絶対この人!建築は絶対この人!料理は絶対この人!カタログ撮影は絶対この人!っていう、ジャンルごとに絶大な信頼をおいているカメラマンさんがいます。なかには、おそらくもう今は私ごときでは依頼を受けていただけないであろう超!有!名!カメラマンさんも。
こうしたプロの皆さんのお仕事を間近で見ていて、まず圧倒的に違うのはスタイリング。
これマジで全然違う。プロは手持ちのアイテムやその場にあるものその場で組み合わせて圧倒的に素敵な写真を撮ってくれます。これが素人やアマチュアだったらなかなかできないんですよね。アイテムをモリモリに盛って主役が何かわかんなくなったり、オシャレにしすぎて主役が何かわかんなくなったり、凝りすぎて主役が何かわかんなくなったりと、とにかくメインをメインたるものとして扱うのがプロは圧倒的に上手い。
そして次にプロは圧倒的に違うなと思うのが、被写体を困らせない。
これは人物撮影に言えることですが、上手じゃないカメラマンさんは被写体に微妙な空気や間を与えてしまいます。学校の集合写真なんかでいつまでも撮影しないカメラマンや、結婚式の集合写真でいつまでもモタモタして知らない列席者と体寄せ合ったまま微妙な時間が流れるというようなイメージかなぁ。
人物撮影が上手なカメラマンさんはそういう無駄な間とか本当にないんです。「集まってくださ〜い」という声掛けから立ち位置の指示、みんなをタイミングよく笑顔にさせるのも上手いですし、屋外の場合は風や晴れ間なども上手に見計らってシャッター押されますし(待たせずに)、とにかく気持ちよくスムーズに進むんです。
そしてなによりプロの写真は、主役となるもの、際立たせるべきものにしっかり焦点を当てていて、際立たなくていいものを上手に背景に溶け込ませている。これはもう断然素人ではできない。
ちょっといいカメラで背景をぼかせばいい感じに誰でも撮影できますが、“上手な”プロカメラマンの写真はあんまりぼかしてないんですよね、背景を。でも一目で主役がどれかわかります。人物だけでなく、例えば水面に浮かぶ葉っぱとかだったら、どの葉っぱが主役でどれが背景で水面は主役なのかどうなのかってのが一目瞭然。
プロは上手に撮るテクニックを知っていますが、素人さんやアマチュアさんの多くはどちらかといえば上手に見えるような撮り方を知っているような気がするので(偉そうにすみません、個人の見解です)、やはり正面にいる主役以外のものは大胆にぼかしていたりなんか全体的に暗かったり、主役も背景も全部明るかったりします。背景にある白い屋根が、主役より白く際立ってるとかね、あるあるです。
こうしたことから、私は私の信頼するプロカメラマンさんの写真を絶対的に信じていて、クライアントにもぜひプロの写真を使われるようにお声かけをします。高いお金出して会社の顔となるものを撮影したり、これから売っていきたいものを撮影したり、自分を素敵に見せるために撮影するのなら、少しの予算を節約して間に合わせで撮影した写真を撮るよりもプロに依頼した方が満足度が全然違うし、見え方が全然違うもの。
とかなんかそれっぽいいい感じのこと言ってるんですが、
実際のところは私のカメラの腕が破滅的に酷いので、死んでもやめておいた方がいいというのが本当の理由です。
相手がどれだけそれでいいとおっしゃっても、お仕事として到底お渡しできるレベルのものではないので、今までどんなに単価が高い仕事でも面白そうな仕事でも写真撮影しないといけないものは断ってきました。
自分の名前出してお客様に納品するなんてプライドが許さない。ほんとひどいの。
でも、ライターさんの中には「下手でもいいって言ってくれるから」「撮れたらいいから」ということであまり上手ではない写真を一緒に納品する人もいるかもしれません。
クライアント側になる場合は、「写真撮れます」だけでなく、どのレベルの写真を撮れるのかまでしっかり確認してから依頼された方がいいと思います。私のような酷いクオリティの人も、もしかしたらいるかもしれないし(笑)
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