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『コーラン』を理解するためには、文化的背景を知る必要があることを知る

本日、紹介するのはこちらの本。

この本は、日本人に馴染みのないイスラーム文化の本質を読み解く本だ。

この本を読み終えると、並行して読んでいる※『コーラン』の内容がよく分かるようになった。

※『コーラン』……イスラム教徒の聖典。

というのも、『コーラン』に書かれている文章を理解するには、その文化的背景を知る事は避けられないからだ。

著者は次のように言う。

イスラーム文化は、『コーラン』のテクスト解釈と切っても切れない縁で結ばれている。イスラーム教徒が歴史的に『コーラン』の文章や語句を、どんな次元で、どんな分野で、どのように解釈したか、そしてそれをどんな形で、実践に移し、制度化していったか、その過程が要するにイスラーム文化の形成史なのであります。

「イスラーム文化 その根底にあるもの」42頁より引用

実際、『コーラン』を読むと、「これはどういった意味なのか?」という箇所が随所に出てくる。

全部は挙げられないが、一つ例に出そう。

自分の宗教を遊びや冗談ほどに考えて、この世の生活にうつつをぬかしている人々など構わないでおくがよい。自分の稼ぎがもとで人間一人が破滅することもあるということを、これ(を実例とし)みんなに思い知らせてやるがよい。

「コーラン(上) 井筒俊彦訳 」岩波文庫 219頁より引用

『コーラン』では、「稼ぎ」といった商人言葉がよく出てくる。

なぜ、このような言葉が出てくるのか?

預言者ムハンマドが、イスラームをひとつの強固な共同体の宗教として確立するに至ったメディナの町が、商業的な町であることが関係している事が大きい。

私も『コーラン』をはじめて読んだとき、
「なんで、宗教の聖典なのに商売用語が頻繁に出てくるんだろう」と疑問にずっと思っていたが、この本を読んでその疑問がようやく解消できた。

このように、使われている言葉の文化的背景を知らないと、『コーラン』は分からないようにできている。


この本は次のような人にオススメできる本だ。

簡単にでもいいから、文化的背景、文化の本質を知りたい!という人

『コーラン』のお供になる本を探しています!という人

前回、投稿した「『コーラン』を読む」より分かりやすく書かれているので非常に読みやすい。

200頁程度の分量なので、スキマ時間を使えば読める本なので、興味を持たれた方はぜひ手に取ってみて下さい。





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