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読書感想文って必要?

夏休みの大きな壁、「読書感想文」。「なんで書かないといけないんだろう?」誰しも1度は思ったことがあるのではないでしょうか。

毎年、夏休みになると国語の課題の中に登場する「読書感想文」。
おなじみのことなので、「今年もかぁ…」と憂鬱になりつつ、がんばって書くしかないんですよね。

でも、読書感想文ってなんであるんでしょうね?

読書感想文の意味とは

だいたいの学校が毎年応募するのが、「青少年読書感想文コンクール」。
全国学校図書館協議会が行っているものです。
ちなみに文部科学省が後援しています。国からのお墨付き!って感じのコンクールですね。

公式HPに、「読書感想文の趣旨」について記述がありました。
引用しておきます。

・子どもや若者が本に親しむ機会をつくり、読書の楽しさ、すばらしさを体験させ、読書の習慣化を図る。
・より深く読書し、読書の感動を文章に表現することをとおして、豊かな人間性や考える力を育む。更に、自分の考えを正しい日本語で表現する力を養う。

公益社団法人全国学校図書館協議会HPより

「読書の習慣化」「表現力の養成」が読書感想文の主な意味のようです。

普段より時間がある(はずの)長期休暇で、本を読んでほしい。
読んで考えたことや感じたことを、文章にして表現する力をつけてほしい。

そんな意味があるようです。

一国語教師としての感想

読書感想文を「課す」側の国語教員。

私個人の意見としては、「絶対書かせるぞー!賞を狙うぞー!」という意気込みはそれほどありませんでした。(ごめんなさい。)

じゃあ読書感想文について、どう思っているの?ということですが。

個人的な感想としては、「チェックするのが大変。」

一言にするとこんな感想です。

子どもたちにとっては、書いて出したら終わり!という感じですが、教員にとっては、そこからが戦いの始まり。

提出した作文は、1つずつ目を通します。
読んで、各クラス、あるいは各学年で優秀作品を選定します。
その後、国語科の先生方で回覧して、学校推薦の作品を決定します。

学校推薦の文が決定したら、次は地区選考へ。

地区選考では各学校の担当者が集まり、そのまた次の選考に進む作品を選びます。
そうやって多くの先生の目を通り、最終的に選考委員の方々のもとに作品が集まって、入賞者が決まります。

読書感想文の盗作問題

読書感想文は、「チェックするのが大変」と述べましたが、
中でも気を遣うのが「盗作のチェック」です。
モラルの問題はもちろん、万が一盗作作品が選考に上がると大変なことになりますからね。

でも、正直、毎年この問題にはぶつかります。
(ベテランの先生になると、数行読めばすぐわかるようになるそうです。)

課題を出す前にも「盗作」について注意喚起はしているのですが、それを上回ってしまうのが、「めんどくささ」。
他にも、「やる意味がわからない」「そもそも書き方がわからない」など。
どうしても「書きたくない」が勝ってしまうのです。

盗作は絶対にいけないことです。
それでも、毎年誘惑に負けてしまう子どもたちはどうしても出てきてしまうのも、現実。
ネットで調べると、あらすじやネタバレ、感想文そのものもたくさん出てきます。
感想文の代行業者も見つかります。
最近は「メルカリ」でも代行出品されていて、問題になりました。

どうしても、そっちに頼ってしまう。
毎年、「読書感想文、がんばって書いてみよう!」と上手く動機付けできていない実力不足を感じていました。

確かに、普段の授業でも文章を書くことに慣れていない子どもたち。
いきなり何百字以上書け、なんて言われてもポカン、となってしまう気持ちも、とてもよくわかります。

なぜ必要なのか、どんな力がつくのか。
説明して、理解させることの難しさはすごくありました。

自分にも書けるかも?~動機付け~

読書感想文、がんばってみようかな。
そう思えるきっかけが必要です。

「めんどくさい」「やる意味がわからない」「書き方がわからない」。

読書感想文を避けてしまう原因はいろいろありますが、1つは「書くこと」のハードルの高さではないでしょうか?

どうやって書いたらいいの?

ここを解消できれば、盗作問題も、少しは改善に向かうような気がします。

「思ったことを自由に書いていいよ」と言われると、困りますよね。

そこで有効なのが、書き方の1つの「型」を示しておくこと。

私が教えていたのは、「序論」「本論」「結論」です。
(長くなりそうなので、この辺はまた別の記事にまとめたいと思います。)

過去の受賞作を読んでみるのも有効だと思います。
公式HPに掲載されているのでは?(なかったらすみません)と思います。
どんな文を書けばいいのか、イメージをつかめるきっかけになるかもしれません。

読書感想文という形にこだわらなくても

読書感想文の目的は、「本に親しむこと」と「本を読み考えたことを表現すること」でした。

そうであるならば、この2つを達成できれば必ずしも「読書感想文」という形にこだわらなくてもいいのかな、とも思います。

たとえば、読んだ本のタイトルと、主人公やあらすじ、簡単な感想を箇条書きで書かせる。(長い文章ではなく、リストにまとめる感じ。)

夏休みにこだわらなくてもいいかもしれません。

たとえば、
「本に親しむ」なら、日ごろの授業で学校図書館を利用した活動を増やす。
「本を読み考えたことを表現する」なら、1単元終えた後に関連図書を配付して要約文や感想文を書いてみる。

「夏休みは時間があるから、本の1冊くらい、読めるでしょう」

大人たちはつい思ってしまいますが、意外とそんなこともありません。
習い事、塾の夏期講習、学校での補習、部活動、もちろん夏休みの宿題。

いつもと違うスケジュールになる夏休みだからこそ、そこに「読書」をねじ込んでしまう難しさはあるような気がしています。

【番外編】読書感想文で困ったこと

ここまで、読書感想文についていろいろ書いてきました。

読書感想文に意味はあるのか?ないのか?と聞かれると、もちろん、あると思います。ただ、やり方などは多種多様あってもいいのかな、とも思いました。

最後に、私が個人的に読書感想文で困ったことを挙げて締めくくりたいと思います。

それは、

流行りの本のネタバレをくらうこと。

これはもう仕方ないことです。受け入れるしかありません。笑

「まだ読んでないのに~」と嘆きながらも、目を通さなくてはなりません。
これぞ!と思う作品は、子どもたちより早く読んでおくことをおすすめします。(笑)

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