「道」はどこにあるか
(読了目安4分)
「剣道」「柔道」「弓道」などの「武道」と呼ばれるものは、何のためにあると思いますか?
「日本武道館」のサイトによると、「人格・道徳心・礼節を養う人間形成の道」とあります。
武道というのは「肉体」を鍛えるためというのはもちろん、最終的には、「心」を鍛えるためにあるわけです。
つまり、強い心を作るために、「道」があるわけです。
その他、合気道・居合道・相撲道・空手道、そして書道、花道、茶道なども・・・究極的には「心の成長」を目的としています。
では質問です。
人はなぜ心を鍛える必要があるんでしょうか。
そう、「自分の弱さに勝つため」ですよね。
表現を変えると、「自分の力で愛と平和を実現するため」「自分の機嫌を自分でとれるようになるため」です。
「究極の武道家は、敵と戦わずして勝つ」と言われることがありますが、マスターなりの解釈をすれば、戦わずして勝てる理由は、自分の中にある愛と平和をすでに見つけた人だからです。
平和な人は、敵を作ろうとしませんし戦おうとしませんよね。
敵を倒す必要があるのは「自分の平和が脅かされるとき」ですから、自分の力で心の平和を維持できる人にとって、「敵を倒す」なんてどうでもいいことなんです。
ですから、「道」を究めた人は他人とケンカなんかしません。
人格形成が出来上がっていますから、ストレス発散の必要もなく、お酒・たばこ、ギャンブル、女遊びなどの「三悪」も卒業しているはずです。
しかし、現実はどうでしょうか。
みなさんの周囲を見てみてください。
その「道」の第一人者でも、組織のお金を横領したり、脱税をしたり、口論したりしていませんか?
調べるとわかるように、相撲道では常に賭博や女性問題が話題ですし、剣道や柔道の世界でも、暴力などの不祥事は絶えません。
柔道の金メダリストが飲酒の席で女性に暴行して逮捕されたこともありました。
その他の「道」でも、指導者の不祥事は日常茶飯事で、道を究めた人、つまり「愛と平和を維持できる人」は皆無です。
愛と平和を実現しようと、これまで多くの人々が「道」を作ってきました。
しかし指導者でさえ実現できません。
愛と平和に続く「道」はどこにあるのか・・・
みなさんは、どこにあると思いますか?
・・・
・・・
その答えは、とてもあっけないものです。
・・・
・・・
・・・
そうです。
道は「日常生活」そのものです。
「道」の目的は、「自分の心の弱さに勝つこと」ですから、日常生活の中で充分に鍛えることができるんです。
むしろ人生は日常生活がメインですから、日常生活の中で心を鍛えることが本質です。
たとえば、「決まった時間に起きる・理想の体重を保つ・他人のせいにしない・約束を守る」などは、自分に勝つための努力の例です。
「決まった時間に起きる?・・・そんなあたりまえのことで愛と平和に近づけるの?」と思うかもしれませんが、本当にそれでいいんです。
これらの「基礎」ができない人が、いくら他の「道」を歩んでも、自分に勝てるはずはありません。
日々の生活で「これは愛だろうか」と考え、愛だと思うことを実践する努力が、自分に勝つ努力です。
実際に、愛だと思ったことをやってみてください。
たとえば理想の体重を保つことは愛ですが、それができていない人は多くいます。
約束を守ることは愛ですが、やはりそれができていない人は多くいます。
ウソや隠し事をしないことなども愛ですが、みなさんはどれだけできているでしょうか。
飲酒や喫煙、ギャンブルなどをしないことが愛だとわかっていてやめられない人も多いはずです。
まずは、これらができてからです。
◎まとめ
「道」は、日常生活の中にあります。
「道」を特別なものとして大げさに考える必要はありませんし、わざわざ「道」に入門する必要もありません。
あなたはすでに「道」を歩んでいます。
・・・
投稿タイトル一覧は以下です。