【連載】家族会議『強がりをやめてみないか』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議18回目#5|強がりをやめてみないか
――「本音でぶつかり合いがしたい」とわたしが言ったことから、父の抵抗が始まった。
気持ちを出すことへの疑問を事細かに聞いてくる。
それはまあ、不安の現れだ。
父は、「自分の悪いところを治す」のと、「本音でぶつかり合う」のと、どっちを先にやるべきかで悩んでいるという。
だけどそもそも、わたしが「本音でぶつかり合いがしたい」と言ったのは、父が悪いと言われるところをどう悪いのかもわからずに、むしろ悪いなんて全く思っていないのに、態度だけを変えようとしたからだ。
表面上でだけ取り繕って、本音は別にある。
それがにじみ出ているから、それならいっそ、本音を出してもらいたい。という話。
自分が悪いと納得もしていない、どこがどう悪いのかもわかっていなくて悪いところを治すことはできないでしょう?と、そんな話をしてきた。
父は、「納得してるから治そうとしてる」と言うけれど‥‥
わたし:
なんかさ、そのお父さんが自分の悪いところ、「そこも俺なんだ」みたいに言うときに、受け入れてない感じがありありと出てるわけよ。
父:
あそう‥‥
わたし:
うん。腹落ちしてないんだなって毎回思ってた。だから(本音でぶつかり合いたいと)言ってるっていうか。
確かに納得はしてるんだろうし
母:
理屈ではわかったよ。みたいなことかな。
わたし:
そうそう。「自分が変わらなきゃいけないんだろうな」みたいなところに納得してるのは伝わってきてるけど、1個1個の上から目線だったりとか何だったりとか、その1個1個に納得してなさそうだなっていう印象だった。ずっと。
父:
例えばどこだ?
わたし:
なんか、不機嫌そうに「これも俺かー」みたいに言うところ。ちょっとイラついてんじゃんみたいな感じ。何か言われたときに、「それも俺が治すのね」「はいはい」みたいな態度だったりとか
父:
そ~お?
わたし:
うん。ちょっとイライラしてるけど、でもそれは言わずに「わかりました治します」みたいな物わかりいいふりする。
治んないなって。治んないだろうなって。腹落ちしてないなって。
結局、お父さんは一切反論してこないから、言葉だけを信じるんだったら「本当にわかってくれたんだ」って思うけど、お姉ちゃんもそうだと思うけど、もうずっと、お姉ちゃんがうちにいる頃から10年とかやってるわけでしょ?それで変わらないってことは、お父さんわかったって言うけどわかってない。その結果が今ってことだから。
見てても、本当にお父さんが腹落ちしたんだなって思ったときはわかる。思うときもあるから。だけど、思わないときもいっぱいあるわけよ。
だからそれを話ししないと、何をやってもさ、結局的外れなことになっちゃうから。だから怒りとか反論とかあるなら、まずそこ出して徹底的に話し合わないと。
父:
わかりました。
わたし:
っていう気持ち。
父:
そういう態度で進みますから。
母:
やったことないから不安だよね。
父:
不安ではないけど。
母:
じゃあ、どうなるんだろうとか、心配とか。何か、どうやるんだろうとか、わかんないよね。
父:
わかんないけど、進んでみねとわかんね
母:
そうなんだ。進んでみないとわかんないんだ。
父:
だってそのときのあれが、本人が、何が出てくるかわかんねもの。それを不安だからああせよこうせよつったら、さっき泉が言ったみたいにね、思考が働いてさ
――不安だから、ああだこうだ、思考を働かせてきたのは父なんだけど。
母:
いや、私が言う不安っていうのは、(気持ちを)出したことないから出すことが不安だよね?みたいなこと。出すことに慣れてないからさ。それは私もだけど、出すことに慣れてないから、どうやって出したらいいのか
父:
どうやって出せばいいのかなと不安だ?それはないわ。
母:
それはないの?
父:
それの不安はない。
母:
そうですか。いや、なかなか。私ずらそうだから、不安なのかなと思って
父:
違うな。
母:
違う。失礼しました。
――父は手を差し伸べても払いのける。「不安だ」とひとこと、言ってしまえばいいのに。
それを言えば、そこから共感が生まれて話が進みだすのに。
母の父への共感も、これだと虚しいだけだ。
― 今日はここまで ―
強がりをやめてみないか。
家族は、そんな父を見ていて苦しいのだ。責め立てているようでいて、実はめちゃめちゃ共感している。苦しみに。
偽りのプライドに縛られ続ける人生は苦しいでしょう?
こっちは見ていてしんどい。
本音を出そうよ。家族なんだから。
<次回に続く>
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