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【苗字封筒】そのデザインのワケを自ら解説するという不毛でかっこ悪いことをやってみよう
みなさまこんにちは。ここかしこです。
いつのまにか季節はキモチのよい初夏の風情になって参りましたね。
今年の、特別なこの状況を機に、普段放置していたアレコレに着手してしまい、なんだかまったく気が休まらない・・という方も多いのではないでしょうか。
私たちもです!
ということで、これといって意味のないことで頭を休ませたいと思いたち、ここかしこの人気商品の中でも特に「説明不能」なものの一つである、
「苗字封筒」のことを、あえて解説してみようと思います。
越中和紙の桂樹舎さん
苗字封筒は、富山県の八尾、越中和紙の桂樹舎さんの制作です。早いもので、販売開始からもう10年近く!
ノンオーダーメイドのパーソナル消耗品としてご愛顧いただいています。
商品企画とグラフィックデザインは、ここかしこ企画チームメンバーのY2が担当しました。
越中和紙は、おわら風の盆で有名な八尾、合掌造りで有名な五箇山、立山連峰の北端朝日岳をのぞむ蛭谷、の3地点で作られる、それぞれ特徴の異なる和紙の総称です。
桂樹舎さんは八尾です。手漉き和紙の型染めで、民藝の流れを汲む大胆かつ繊細な作品が有名で、ここかしこでも「室内をおよぐ鯉のぼり」が毎年の大スターとなっています。
本品「苗字封筒」は、これまでとちょっと違うことをやってみようということでスタートして、結果的に、桂樹舎さんの商品としては特殊な、型染めの技や造形の妙はあえて使わないものになりました。その代わり、驚きの激レトロ印刷機(後述します)が活躍しています。
もともと八尾の和紙は、「越中富山の薬売り」の薬袋とか、薬売りさんの持つカバンにまで使われたという、和紙の丈夫さ・しなやかさをウリにしてきたというストーリーがあります。
なぜ封筒?
丈夫で、洋紙と違う手触りがほしいシチュエーションとは?と考えたとき、ちょっとしたお金の受け渡しの場面を思い出しました。
ちなみに、「お金を包む」と言うのは日本人特有の文化みたいですね。
お祝いや不祝儀などの特別な場面では、専用の正式なものを使いますよね。
でも、日常の、「会費を集める」とか「立替分を返す」みたいな時は?
TPOによって様々な選択肢はあれど、大人同士のお付き合いのなかで、お札が折らずにぴったり入る洋封筒があったら良いな、と考えました。洋封筒は、長辺が開くので、なんというかアクセスがいいです。
※封筒の中にはお札を挟む紙も入っています。かしこまりすぎず、略式すぎず、の加減です。
なぜ苗字?
うっかり名前を書かずにやり取りをして「あれ?○○さんもらったっけ?」みたいな現象、ありませんか?
・・・名前が封筒の柄になっていたら便利だし面白くない?字が下手でも関係ないし!
というわけで、苗字をデザインモチーフにした、お札がぴったり折らずに入る洋封筒ができあがりました。
一応、名誉のために言うと、「自分に関係のある商品だ」と認識できることをテーマにした商品でもあります。
メガネをかけている人がメガネ柄の商品をつい手にとってしまうとか、猫好きの人に猫柄のものをプレゼントしがちなのと似たような狙いです。そして、人口の多い順に開発していけば、たとえ自分がその苗字でなくても、友達、職場、なんらかの人間関係の中でネタになる場面がそれだけ多くなるんじゃない?という作戦でもあります。
おすすめの使い方
とはいえ、そんなにたびたびお金を集めたり返したりすることはないので、例えば、レシートとかチケットとか、大事な紙切れの整理に使うと最高です。丈夫なので長く使えますし、手帳に挟んでも冷蔵庫にマグネットで貼ってもあんまり邪魔にならず、しわも毛羽立ちも大して気にならず。
「これは大事なもの!!捨てちゃダメ私!!」というオーラを、この封筒がビンビンに放ってくれます。
なんでもスマホにしまえる便利な時代ですが、書き文字や紙きれが逆にいい仕事をするときもありますからね。
小さなクリアファイルでいいじゃん、と思ったあなた!
和紙、いいですよ。。。
あと、これまでいただいたご質問で、
「これは田中さんへ渡すときに使うものなのか、それとも田中さんから渡すときに使うと良いのか」と、一度読んだだけではわからない禅問答みたいなメールをいただいたことがありますが、お答えは、
どちらでも良いです!どうぞ!いっそ田中さんでなくても!
苗字封筒クイズ
さて、では、それぞれの苗字のデザインをクイズ形式で解説していきます。
人口の多い順です。(インターネット調べ)
1位
2位
3位
4位
5位
1〜5位の答えは…
1位:ティースプーン山盛り。豊かであまい。
働き者のありんこさんが1匹、まぎれて混んでいて、
反対向きに運んでます。健気。
サトウさん、優しいピンクのイメージです。
2位:たわわに充実しています。
ふくよかな鈴がたくさん実ってます。
葉っぱに何か描いてありますよ。
繁って繁ってエバーグリーンのスズキさんです。
3位:なつかしい電線と、飄々とした風見鶏がアクセントな家並み。
高橋さんも髙橋さんも、見れば見るほど建築っぽい造形が多くて
かっこいい、憧れ苗字です。
シュッとしたディープパープルのタカハシさんです。
4位:シンプルが奥深いことを教えてくれるような。
左右対称でじつに正々堂々。
ハイテンションな、弾けた明るい色で、
元気なタナカさんです。ナカタさんもいけるハイブリッドなデザイン。
5位:お鍋がたくさん。
これまで出会ったワタナベさんは、アクセントに違いこそあれ、
みんな、ナベさん、なべちゃん、ナベ、なべちん。歩く親しみです。
クリエイティブで愛の溢れる厨房みたいなイメージ。
では次行きます。
6位
7位
8位
9位
10位
6〜10位の答え。
6位:針とITOでチクチク、まっすぐ、縫ってます。
シリーズ唯一のローマ字表記、洗練のしなやかさ。
刃物(和鋏)は未来を切り開く縁起物。
品の良い紺色の似合うイトウさんです。
7位:包み込むようなえんじ色。
M音が多いからか、響きが優しいヤマモトさん。
堂々として泰然自若、
大人な安定感のイメージ。
8位:パッと明るいオレンジ。
「中」って造形的にとってもいい感じ。
「村」をたくさん集めたら、線香花火みたいになりました。
スパークするかわいらしいナカムラさん。
9位:上下反転しても裏表にしても変わらないデザイン。
組体操っぽく、支えて支えられる理想の人間関係。
人の集まるところにコバヤシさんあり。
「木」要素の登場は4度目なので、直線を活かしてみました。
10位:ダジャレです。
賽は投げられた!腹の座った、前向きな、サイトウさんです。
サイコロも縁起物。
良い目(芽)が出ますように、と言う願いです。
さて、この辺りで、もう商品化は止めるつもりでした。
でも、桂樹舎の吉田さんが、20くらいまで行かないと、面白くないのではー(笑)!?
とおっしゃり、それもそうかと、まだまだ続くことに。
となると、デザインはようやく折り返し地点です。
11位
12位
13位
14位
15位
11〜15位の答え。
11位:ばんざい、桂樹舎ファミリーのご苗字です。
ピュアな結晶のようでもあり、大輪の花のようでもある、ヨシダさんです。
美意識も、いつも笑顔でいることも、優しさも、桂樹舎の吉田さんから教わることは計り知れないのです。
12位:モノグラムです。
モノグラムは人気ですしオシャレですし。
シックで柔らかなブラウンです。
実は思っているほど多くないヤマダさん。その辺りもカッコイイですね。
13位:ずばりです。
知る限りのカトウさんはみんなパワフル&エネルギッシュ。
和紙に映える赤の使い所はもう、ここしかないだろうと。
ある意味、苗字に関係なくお使いいただけます。必勝の願掛けなどに。
14位:笹の葉に動物が乗ってます。
まったりのんびりパンダです。
2文字目にパンダ乗ってます。
リズミカルで穏やでエコロジカルな、ササキさんです。
15位:鮮やかなピンク。
軽やかな抜け感。
誰からも好かれる王道のチェックが、
ヤマグチさんのまっすぐで実直な字面と相性最高でした。
さて、そろそろ飽きてきましたね?
大丈夫、これでラストですよ!
16位
17位
18位
19位
20位
16〜20位の答え。
16位:盆栽、それはまさににほんのココロ。
非対称に余白多めながらフレッシュグリーンで和洋の境を紛らかし、
まじめなのかふざけているのか、
飄々としつつ堂々と、空白の余裕を生かしたマツモトさん。
17位:和紙の色表現に挑戦するかのようなパッキリイエローに、
ほっそりした線でじわじわ白抜きで浮かんでくるのはイノウエさんです。
前へ、上へと、機運をグイグイ上げていきます。
一見無地に見えるところが実に小粋なオシャレさん。
18位:スーパーブランドの新作バッグ、的な、イメージを目指しました。
一見すると雲のようなパンのような掴めなさですが
かなり大胆にはっきりキムラさんです。
カジュアルも、ドレッシーも、どんな服にもお似合いですよ。封筒だけど。
19位:「木」モチーフここに極まれり!シリーズで9本目と10本目の登場です!
ハヤシさんはもう、逃げも隠れもしない真っ向勝負。
広葉樹と針葉樹を取り揃えて、鳥さんも休んでいます。
広大な緑に囲まれた爽快AIRを感じていただきたい。
20位:木々のあとは、水!
涼やかな清流です。カラーはもちろん、爽やかブルー。
流れに逆らわず、澱まず、常に新鮮なシミズさんです。
何事も、最初の一滴が尊い。ここまで温存してきた、パターンの王道「縞柄」も尊い・・・
ということで、長々とお付き合いありがとうございました。
この後(21位以降・・)については、さすがの吉田さんも
「もう、いっか(苦笑)」で、新苗字の継続予定はございません。
この記事の上の方で、「信じられないくらいレトロな印刷機に驚いた」ようなことを書きましたが、そういえば、撮影画像は世に出さないお約束をしていたことを、上記を書いている間に思い出しました。
それはそれはびっくりするような年季のはいった、ゆーっくりと動かす印刷機で、それでないと風合いが出ないし、和紙のふっくら感がつぶれてしまうようです。
以前、東北の、ある織物の産地に伺ったときにも、ものすごい年代物の織機を見学しました。それでゆーっくり織らないと風合いがでない、その時もそう伺ったことを思い出します。
時間はかけるが、素材にテンションはかけない。と言うのが、いずれの場合も、風合いを保つコツなんでしょうか。
と言うことで、ここかしこでは、苗字封筒を絶賛販売中です。
3枚入り、990円税込です。
送料は一律594円頂いておりますが、2万円以上のお買い上げで送料無料です。
ここかしこは他にもご家族で楽しめたり、和めたり、安らいだりできるアイテムを扱っておりますので、ぜひごゆっくりオンラインで遊びにいらしてください。
※ご注意
苗字封筒のパターンには著作権があります。無断転用はできません。(有限会社スタイルY2 インターナショナル)