「1㎦の箱は、あるの?」 小5の算数の授業で、いきなり質問 (いきなりじゃない質問ってある?) 「1㎥は、縦1m、横1m、1mの大きさで…」 みたいなことをやってると、 女の子が真顔で、1番最初の質問をしてきた 正直、オモシロいと思った 「じゃあ、考えてみよう!」 「ここから1㎞だと、〇〇くらいまでだね で、もう片方が、〇〇くらい で、高さ1㎞って、世界一高い山より高いね さぁ、どうやって作ろう?」 勿論、バカにしての
社会が好きになった 会った瞬間、私に言う彼女 がっつり勉強始めたのは、7月 好きって、言うようになるなんて きらいって、言ってたんだよ、ずっと にくしみあるくらいって笑 なのに、今はあっさりと笑顔で言う っらいを通り超えたんだね たのしいと感じるのは、いつだって努力の後さ 嘘みたいな話だ みんな信じない、もう一人の女の子の話 たから箱にしまってたけど、、、 いい?みんなに知って欲しいんだ
「僕は、ソラを飛べるんだ」 小4の彼は、塾の玄関でそう言った そして、彼は、ソラを飛んだ 両手をバタバタさせ、ジャンプ 彼がソラを飛んだ瞬間だった 私とT先生は、お互いの顔を見合わせた後 幼子を見るような満面の笑顔を彼に返した 1年半後、彼は中学受験を希望した 保護者を前に、私は、確かこう言った 「今までよりも勉強が難しいのは当然で 精神面でもかなり厳しくなります この1年で3回、受験を辞めたがるかも」 だ
彼女の表情は、クルクル変わる ムスッとする コソッと涙する かなしい笑顔をする あどけない自慢顔をする @@@ ある日の保護者面談 彼女の母親が、一際大きな声で笑いつつ言う 「そうなんです。やっぱりよくおわかりですね」 私は、言葉を選ぶ 「ある意味、頑固なんですよね 1つ思い込むと、全部わからなくなる」 @@@@ 時は、3日遡る 彼女は、数学で苦戦していた そんなに難し
カリカリ、カリカリ、カリカリ… みんな、無言で問題を解き続けている 定期テスト対策 生徒みんな、黙々と問題に取り組む 私は、その状況を見ていて もうひと頑張りが必要に感じる 「土曜に補習したいけど、みんな来れる?」 「妹の幼稚園の運動会」 左端に座る女子が、寂しそうな笑顔で言う そこから、どこの幼稚園・保育園だったか 私は、みんなに質問を投げかける ちょっと集中力の限界を感じての息抜き 右端に座る彼が、嬉しそうな笑顔
「ありがとう」 話は、6月に遡る 男の子の数学のテキストがなくなった その男の子は、隣に座っていた彼に確認 「僕のテキスト、間違って持ってない?」 彼は、カバンの中を見た後、言った 「持ってない。家で確認してみる」 「家にあった?」 「なかったよ」 そんなやりとりが、2週程続いた 休み時間、2人は楽しくお喋りをしていたが、 男の子のテキストは、見つからなかった 8月下旬 彼が、私にバツの悪そうな顔でやっ
「最初はグー、じゃんけん…」 授業が終わって帰る際、玄関でのひとコマ 小5の男子が、先生とじゃんけんする もう何年も続いてる… 「えー、またー」 嫌そうなフリしてるのが 笑顔とその声でわかっちゃう T先生やW先生を中心に、 もう一人のT先生やK先生にも挑戦 「やったー!」 勝つと、歓喜の声が反響する 「うー…」 負けると、陰気な声が残響する 次第に輪が広がって、 同じクラスの男子や女子も参加する 一生懸命
隣の教室の声が聞こえる 「大変だけど、宿題は〇ページ~〇ページね しっかりと家でも勉強すれば、結果が出るよ」 私の授業も、終わりを迎えようとしている 「宿題、多い…減らして…」 男の子が、ぼそっと私に言ってくる 彼の隣の子が、にやっと私に笑いかける 中学生は、追い込みが、始まっている 「いいよ!」 私は、男の子にあっさりと言う 男の子は、予想外のことに驚く 隣の子は、予想通りのことに頷く 「私に言われてする勉強
ふと、見上げる 最初、目を疑った あれっ、なんだ、あれは… 数秒、ゆっくりと時が流れる あぁ、満月か 横に座るTさんに、声をかける 「えっ、今日?」 彼女も驚く 近くにいた女の子が どれどれ、と動き出す でも、彼女の角度からは、見えない ほんの1mしか離れていないのに 世界は、こんなもの わずかの差で、世界は変わるんだ 誰かに見える世界は、誰かに見えない 誰かが想像する世界は、
勉強が苦にならない生徒がいる 何時間でも机で勉強できるのだ 私は、太陽を見つめるような眼差しになる 勿論、私が生徒時代、そうでなかったから 彼女は、そういう生徒の1人だった 初めて会ったのは、2011年3月 そう、あの年のあの月だ ただ、まだお互いをよく知らなかったし 彼女はまだ幼かった 1番の記憶。2015年、彼女が15歳の夏 講習会で行われる毎日の復習テスト 彼女は、全教科100点を取るために、 スゴイ家庭学習量と塾での集中力だっ
昔話をしようか ある所に、1人の女の子がいました 彼女は、自分自身に負けたくない がんばり屋さんでした 彼女には2つ上の姉がいましたが 性格のせいか、彼女の方が姉のようでした 彼女が15歳になった、ある夏の昼下がり 普段は見せない姿で 彼女はクッタとしていました… どうしたのかは、すぐにわかりました 疲れたんです、日々の勉強に… 疲れたんです、頑張ることに… 疲れたんです、自分の性格に… でも、彼女は次の時間
「みんな、ひきょうだ」 男の子は、ぼそっと玄関で言う 彼には、ライバルの女の子が「いる」 いや、「いた」という方が正しいのかもしれない 彼にとっては、「いる」であり 彼女にとっては、「いた」となる 授業後、再テストや授業でできなかった問題を できるようになった子から帰っていく (授業の終了時間でサクッと帰るが理想) 彼にとって、彼女は半年前まで どちらが先に帰るかを競っていた そして、先に帰る方が、残る方に対して 「お先に
2月21日のことである 「私の誕生日は、呪われてる」 勿論、彼女に言わせるとだ 「誕生日、おめでとう!」 「最悪なんだけど…」 休み時間、彼女に話しかけると、ボソッと 「なんで?」 知ってて、聞く私 彼女は、話し始める @@@ 去年、学年末テスト直線対策の 通常授業で、塾で勉強していた 今年、学年末テスト直前対策の 振替授業で、塾で勉強している @@@ 「もっと最悪のこと、言っていい?」 私
拝啓 この文章が、あなたに届くかわからないけど あなたに伝えたいことがあるのです Yちゃんが、受験生になりました 彼女は、あなたの授業後、お残り補習で じっと黙って、目を潤ませていたことが・・・ 彼女は、自分自身に腹が立ち そして、そんな自分自身が悲しかったんです 彼女は、大人しい子で、あまり喋らなかった ずっと我慢して、オトナがそう接していたから 彼女は、自分自身を上手く出せず そして、そんな自分自身が苦しかったんです 親切丁
参道から枝分かれする一方通行の細い通り 1つ目の小さな交差点を左折すると その洋食店はアンティークのようにあった 店内は、カウンター4席と、テーブル2席 清潔感と洒落た雰囲気に満ちていた 15年前 仕事場近くで、週に1.2回は通っていた 老シェフがリズミカルに腕を振るっていた OLや近くに住むであろう主婦で溢れていた 小洒落た料理は、量は少なめで、美味しかった ランチの価格は、手頃だった 10年前 仕事場が変わり、数年
ある日の休み時間 「T先生は、こいのぼりを食べます」 小4の男の子が、笑いながら私に話してくる 「えー、T先生、こいのぼりを食べるの?」 小5の女の子が、笑いながら私に話してくる 「こいのぼりって、何の味か知ってる?」 T先生は、子供たちに質問する 「火星人の先生と金星人の先生は、 仲が良いからわかるでしょー 木星人には、わからないよー」 どうやら私は、金星人らしい ちなみに、女の子は木星人らしい @@@