クルクル 変わる
彼女の表情は、クルクル変わる
ムスッとする
コソッと涙する
かなしい笑顔をする
あどけない自慢顔をする
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ある日の保護者面談
彼女の母親が、一際大きな声で笑いつつ言う
「そうなんです。やっぱりよくおわかりですね」
私は、言葉を選ぶ
「ある意味、頑固なんですよね
1つ思い込むと、全部わからなくなる」
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時は、3日遡る
彼女は、数学で苦戦していた
そんなに難しい問題ではない
だが、彼女には、大きな壁になっていた
私は、生徒に質問しつつ、全体説明を終えると
生徒が解いている問題を、
一人ひとり〇付けをする
同じクラスの子は、一発で全部〇になる
彼女は、この世界にポツンと残された顔
「わからない・・・」
「さっきまで、できてたじゃん」
「急にわからなくなった」
このパターンは、何度も通った道
この後、何が待ち受けているか、わかってる
たぶん、彼女も。
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時は、保護者面談に戻る
「小さい頃からなんですよねー。
なんか思い込みが激しいというか」
「でも、あの頑固さは好きですよ
壁を超えると、一気に伸びるんで」
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彼女の心情は クルクル変わる
できない問題に
イライラする
そんな自分自身に
嫌気がさしてくる
でも、理解した瞬間に
安堵と苛立ちが交差する
最後、自信が積み重なったように
達成感に満たされる