呼吸が下手だと、メンタルがダメになる

1日に3万回おこなっていると言われる「呼吸」。

言うまでもなく、呼吸をないと人間は生きいけない。
一方で、あまりに自然すぎて、その重要性を分かっていない人は、とても多い。

緊急事態に対応する呼吸

重圧のかかる場面に出くわしたとき、人間は「緊張」する。

「緊張」とは、目の前の出来事に対応するために、
心拍数があがり、呼吸も早くなる状態だ。

なぜ、そんなことになるかと言えば、
必死に目の前の状況に対応するため、酸素や栄養素などのエネルギーを急いで体中に届けようとしているからだ。

「緊張」は、外部環境に対応するために必要な身体の働きである。

適度であれば問題はない。
ただ、過度な「緊張」は冷静さを損なう、視野が狭まるなどの代償がある。
また、長時間の緊張状態、高ストレス状態になると、身体は不調をきたす。

「緊張」以外にも、イライラや焦り、不安といった場合でも、身体は同様の状態となる。

では、そんな状態に陥らず、メンタルを強くするためにはどうすればいいのか。

メンタルは「意識」では強くならない

まず大前提として、メンタルは「意識」では強くならない。

よくあるのが「気合を入れる」というアプローチである。
「よっしゃ、がんばるぞ!」「負けない!」と意識する。

もしくは、「ゆるめる」アプローチである。
「気にしない、気にしない」「ありのままの自分で」
という意識をする。

自己啓発本等で紹介される内容も、こういったアプローチばかりだ。

ただ、根本的な解決にはならない。
瞬間的には、気分が変わっても、直ぐに戻る。
いわゆる突貫工事に近い。
その場をしのいで何とか形を保ってはいるが、本質的にメンタルが強くなっている訳ではない。

また、メンタルをメンタル(意識)で解決しようとしているので、
本当にメンタルが死んでいる場合、対応は不可能である。

何度も意識すれば、本人の性質や性格に変化が生まれる可能性はある。
ただ、一般人が普通の生活をしていて、短期間に何百回と、重圧を感じ、意識を変える練習の機会を得られる可能性は低い。
生死を彷徨うレベルの重い衝撃であれば、一回でも効果があるかもしれないが、自発的に体験できるものではない。
(自発的なら一定予測しているということになり、そもそも重くない。

呼吸レベルとメンタルの関係

本質的にメンタルを強くするには、呼吸のレベルを上げるしかない。

呼吸はあまりに自然な行為すぎて、自分の呼吸レベルが低いことに、
気付いてない人は、多い。

呼吸のレベルが低いだけなのに、
「メンタルが弱い」「緊張しやすい」「イライラする性格」など
と誤った考えばかりしている。

呼吸のレベルは、シンプルである。
1回あたりに吸える空気&吐く空気の量だ。一般的には呼吸が「深い」
「浅い」という表現となる。呼吸のレベルが高い=呼吸が「深い」である。

そして、呼吸の量が体中にエネルギーを届ける量に直結すると考えていい。

前述の通り、外部環境に対応するために心拍数をあげて、
身体は対応しようとする。

たとえば、同じストレスのかかる環境にAさんとBさんが置かれているとする。
また、この環境に対応するには、100のエネルギーが必要だとする。
Aさんは、1回の呼吸で10のエネルギーを体中に届けられる。つまり。10回の呼吸を必要とする。
Bさんは、1回の呼吸で20のエネルギーを体中に届けられる。つまり5回の呼吸で済む。

つまり、AさんはBさんの2倍の労力を使って、ストレスに対応しないといけない。
当然ながら、身体への負担も大きく、身体状況から生まれる「負」の感情も大きくなる。
端的に言えば、Bさんより2倍メンタルが弱い、と言っても過言ではない。
高ストレスがかかるような一時的な状況ではなく、日常生活においても、
影響が出る。
AさんはBさんよりも2倍も、些細なことで「怒り」や「不安」などの「負」の感情を持つ、と言っていいい。

そして、Aさんは自分のメンタルの弱さが呼吸から来ているとは、多くの場合気付けない。

ただ、他者目線では、意識してみると分かる。
仕事でも、日常会話でも、相手の呼吸の「深さ」を感じてみる。
そうすると、相手のメンタルの強さはかなり推し量れる。

逆に、呼吸以外の部分で「あの人はメンタルが強い/弱い」と謎の解釈をするのは、勘違いと言っていい。

呼吸レベルをあげることでしか、メンタルを強くする方法はないのだ。

まとめ

『呼吸のレベルを上げて、メンタルを真に強くする』

肝に銘じよう。

かしこ。

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望月宏起
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