「INSPIRED」「エンジニアリング組織論への招待」を読んで:不確実性に向き合う組織づくりの手引き
少しずつ暖かくなってきましたね!
お陰様でここ最近、緊急事態宣言明けのキャンピングカー予約が増えてきました。
私の愛車モビゴンもバンシェアに登録しているのですが、昨日は予約に向けてゴシゴシ洗車してました:
そして、モビゴンが貸出されて特にプライベートの予定もなかったので、読書Daysとして「エンジニアリング」に関する本を2冊読みました!
*前回の読書感想noteはこちら:
今回、読んだのは下記の2冊です。
・INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント|マーティ・ケーガン 著
・エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング|広木 大地 著
こちらの記事を読んで、Carstayのプロダクトマネージャーとして、インプットを図るため、「まずは抑えておきたいプロダクトマネジャーの必読書」と評されてるこの2冊をまとめ買いして、一気読みしました!
読んでみた感想
スタートアップにおける様々な課題を、経済学・社会学用語の「不確実性」という言葉を用いて分類し、エンジニアリングというプロセスにより課題解決を図る、その成功事例・失敗事例を体系的に学ぶことが出来ました。
・まず、最初に「INSPIRED」を読んで:
著者がシリコンバレーの起業家であることから、スタートアップの先行事例が豊富に纏まっており、それを非エンジニア・非デザイナー・非起業家でも理解しやすいように、分かりやすく一般化されていました。
・続いて「エンジニアリング組織論への招待」を読んで:
元ミクシイ執行役員の広木さんが著者ということで、ご自身の経験則と、様々な経営手法や、その根本にあるエンジニアリングに関する思想について学術的に記載されている本でした。
専門用語についても、その定義や成り立ちについて丁寧に解説されていたので、難しい内容でも頭に入ってきやすくなるよう工夫されていました。
前者が具体的な企業事例をベースにしているのに対して、後者が論文や原則をベースに書かれている本のため、2冊とも読むことで、ミクロ・マクロ、実務的・学問的な視点でそれぞれ理解が深まりました。
「INSPIRED」で心に残ったキーワード
まずは、「INSPIRED」で、心に残った言葉を備忘録的に記しておきます。
①価値のリスク(顧客が買うか)、②ユーザービリティのリスク(顧客が使えるか)、③実現可能性のリスク(エンジニアが作れるか)、④事業実現性(問題なく売れるか)のリスクには最後ではなく最初に取り組む。(p.34)
製品が成功するのは、開発チームの全員がすべきことをしたからである。だが、製品が失敗したとき、責任はプロダクトマネージャーにある。成功には①顧客に関する深い知識 ②データに関する深い知識 ③ビジネスについての深い知識 ④市場と業界についての深い知識 のすべてが要求される。〜とんでもない量の仕事があり、毎晩、家に仕事を持って帰ることになる。もし良いワークライフバランスを求めているなら、製品開発チームの中でも、ほかの役割の方がはるかにいい。(p.58~63)
製品開発のトップ、デザインのトップ、技術のトップはそれぞれ明らかに重要だが、その真価はお互いの連携の中で発揮される。私はこの3人を極めて近くに置くこと、できれば同じオフィスに置くことを推奨する。(p.97)
良い開発チームは人を魅了する製品ビジョンを持っていて、伝道師のような情熱でそれを追求する。悪い開発チームは傭兵である。(p.342)
「エンジニアリング組織論への招待」で心に残ったキーワード
続いて、「エンジニアリング組織論への招待」の備忘録メモです。
人間にとって、本質的に「わからないこと」はたった2つしかありません。それは、「未来」と「他人」です。〜それぞれが持つ不確実性について、前者を「環境不確実性」と言い、行動と観察により削減します。後者は「通信不確実性」と呼び、コミュニケーションを通じて削減します。(p.16)
真に組織に求められるコミュニケーション能力とは、コミュニケーションの不確実性(情報の非対称性・限定合理性)を減少させる能力のこと(p.72)
正しく機能している心理的安全性は、「問題に対して向き合う状況(=個人が果たすべき責任のレベルが高い状態)」を生み出します。(p.108)
アジャイルな状態とは、① 情報の非対称性が小さい ②認知の歪みが少ない ③チームより小さい限定合理性が働かない ④対人リスクを取れていて心理的安全性が高い ⑤課題・不安に向き合い不確実性の削減が効率よくできている ⑥チーム全体のゴール認識レベルが高い のすべてを満たす状態。(p.141)
2冊とも、その他マーカーを引いた箇所は無数に及ぶのですが、分かりやすい箇所だけ抜粋して記載しました。
不確実性に向き合う組織づくりの手引き
"未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ" というアラン・ケイの言葉が美しくとても好きなのですが、実際に何かを発明するとなると、問題も、その解き方も、答えも誰も教えてくれることはなく、自分たちで見つけるしかありません。
その答えを見つけるプロセスで、常に私たちが戦うべき相手は「不確実性」であり、希少な資源を有効活用して、エンジニアリングでどれだけ不確実性を軽減できるか?が改めてスタートアップにとって大切だと実感しました。
ちょうど、Carstayもこれからプロダクトをより一層良いものに改良し、リリースを重ねていく時期だったので、良いタイミングで良書に出会えました。
コロナが落ち着いたらイベント開催し、みなさまをお呼びして、大々的に新たな発表を出来ればと思いますので、そんな日に思いを馳せながら、まずは製品を磨き込んで、目の前のことを1つ1つ丁寧にやってまいります!
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました*
Carstay株式会社では、ミッションである「Stay Anywhere, Anytime|誰もが好きなときに、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」を実現するため、国内最大のキャンピングカー・車中泊スポットの予約サービスを運営しています。企業さま・自治体さま・メディアさまと是非連携させて頂きたく、また新たな仲間も募集しておりますので、下記URLより、ぜひお気軽にお問い合わせ頂けましたら幸いです:https://carstay.jp/ja/contact
2021.02.23
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