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雷が生命の種を育んだかもしれない

NHKの科学番組 コズミックフロントは、毎回宇宙に関する楽しい話題を振りまいてくれます。

最近のトピックは「雷」です。

単に地上で起こる気象現象では?と思って眺めてたら、想像以上にとても面白かったので、エッセンスをお届けしようと思います。
興味持った方は、ぜひ地上波TVかNHKオンラインでご視聴ください。

まず、「雷」ですが、地球上では一日350万回発生しています。
地上に届かないもの(雲放電)も含まれていますが、それでも雷嫌いの方には地上を脱出したくなる数字ですね。。。

ただ、「雷はどうやって起こるの?」と聞かれたら、意外に答えに困るかもしれません。何となく「大気の放電現象」だけで自分を納得していました。

気象庁の「雷」解説サイトを引用しておきます。

出所:上記の気象庁サイト

要は、「あられ」と「氷の粒」が衝突して電荷分離が起こって放電するようです。ちなみに、その衝突元が生まれる原因は、空気上昇で温度差の激しい層に達するから、とのことです。

これが定説と言われてますが、番組内ではそれに疑問を呈し、
「雷を起こすほどの電気量は雲では見つかっていない」
と課題提起します。

それに対する仮説の1つが、

「宇宙線による電場の増幅」

です。これで宇宙番組っぽくなりましたね☺

もう少し砕くと、宇宙線が雲の中のある電子に衝突して電子の玉突き現象が稲妻を誘発する、というイメージです。

宇宙線の基礎知識については、下記が参考になります。

番組内でも、それを検証すべく日本の研究者たちが奮闘している様子が描かれています。

ただ、圧巻なのは、雷が生命誕生に寄与していたのでは?という別の仮説です。(上記の話と別)

いきなり飛躍しましたが、生命誕生はまだ謎が多いです。

その1つに、多細胞生物が生まれた背景です。

一般的には、酸素濃度が高まった8億年前と言われていますが、酸素濃度だけでエネルギー消費の激しい多細胞生物が生まれたのはやや乱暴です。

特に、エネルギーを創る源ともいえる「リン」の発生由来が不明でした。

そこで今注目されているのが「隕石がリンを地球に連れてきた」という野心的な説です。以前にも軽く紹介しました。

ただ、当番組に登場した科学者(ベンジャミン・ヘス)はこれに否定的で、どうもこのころには隕石飛来数は減少していたらしいのです。
個人的には好きな仮説だったのでがっかりです。。。

ということで、新しい仮説は、

雷がリンを含む物質(フルブライト)を生成した

というものです。
ヘス氏は、上記物質内に「シュライバーサイト」と呼ぶ、リンを含んだ鉱物に注目して研究を続けます。

そしてコンピュータシミュレーションの結果、約38億年前は今よりも雷の回数が10倍以上も発生して上記物質を創り、結果として隕石飛来以上のリンが生成される可能性を導き出しました。

既にニュースでも報道されているので1つだけ紹介しておきます。

今後この研究が進んで、生命誕生の謎が解明される日がくるかも近いかもしれません。

今回の話で、雷への漠然とした畏怖がちょっぴり和らぎました☺

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