カンバン

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.1

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」

・東京を「しずお化」へ

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「静岡化」というキーワードにある「おかか」という美味しそうな読み方がわずらわしくて、「しずお化」と短縮したことで掛詞がより掛かった。

単純なダジャレのようでいて、言っていることは大胆不敵。どちらかというと、静岡は東京化している。文化も経済も、人口も足元に及ばない。徳川家康が駿府城と城下町を整備することで、江戸(のちに家康自身が手がける)や海外で言えばスペイン バルセロナの都市計画にまで影響を与えたと言われていることは知る人ぞ知る情報ではあるが、その頃にあったであろう発信力や勢いは現代の静岡にはない。

地方の中小企業が東京に進出する時には、自らに前例がない分、進出先に地の利がない分、劣勢に負けずに奮い起つための意気込みや勇気が必要になる。単に一つの会社が生き残るとか、東京で成功するとか、地位や権力がついてくるとか、そういう下世話なことだけではなく、静岡県民を代表するような大きなこと「大志」のようなものがだ。

『東京を「しずお化」へ』。この大それた発言は、外海を知らない若者にこそふさわしい。大学生が思いついたのなら、それは正しい意思なのだと思う。

ただし、心配なのが「ビジネスは下世話なこと」という人間の本音が見えていないということ。明日の生活を心配する、所得が上がることを目的にしている隣人たちに、このコピーを振りかざしたときにどのように答えてくれるのか!? コトバ遊びのレベルで終わっていないか、ぜひ自ら確認・検証してほしい。
あと、コトバの「磨き」が不足している点も、自らの課題として考えてもらえるとうれしい。

※作品の版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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