【オススメ書籍】金融・お金に強くなる(コーヤチャンネル)
鈴木広野の運営するYoutube『コーヤチャンネル』に関連して、若手ビジネスパーソンのキャリアに役立ちそうなオススメ本をテーマ別にまとめました。
このページで紹介するのは『お金』に関する本。
私はキャリアを金融機関からスタートさせたので、社会人最初の2年はそれなりに力を入れて金融・お金の知識を勉強しました。そこで感じたことはこの2つ。
『気づき①:この世界は<お金>が動かしている』
『気づき②:金融は<情報の非対称性>、つまり賢い人が不勉強な人からお金を巻き上げることで成り立っている』
お金のルール・原則を正しく学びましょう。それはそのまま、世界を理解することにつながります。そしてその時に大事なのは、浅い知識でもっともらしいことを語る情弱ビジネス本から距離を取ることです。読めば力になる本だけをセレクトしました。
まずはこの3冊から!
お金の勉強をしたいならまずこの3冊を読みましょう!パーソナル・ファイナンス(個人のお財布の管理)に関する本が中心です。
山崎元著『お金に強くなる! ハンディ版』
⇒まずは何といっても山崎元さんの本!この本が一番分かりやすく情報がまとまっている。
山崎元さんは三菱商事の財務部からキャリアをスタートして、以降金融機関を中心に12回(!)転職を繰り返した強者。だからこそ、あらゆる金融機関の「裏事情」にめちゃめちゃ詳しい。そして業界に対して忖度なしに本音をズバッと語ってくれるのが信用できる。
情弱をつけ狙うインチキマネー本に騙されないように!間違えた知識を身につけたくないなら、山崎さんの本からお金の勉強を始めるのが一番だと断言できる。まずはこの本から学び、さらに学びたい場合は2つ下の山崎さんの「お金の授業」の本を読んでみよう。
(※「20代のうちに読むべき本」の読書リストの中でもオススメしています)
池上彰著『知らないと損する 池上彰のお金の学校』
⇒続いて池上彰さんのマネー本。2011年なので少し古いが、お金に関する情
報を手広くレクチャーしてくれているので、入門書として最適。この本に書かれていることをマスターすれば、知識量で普通のビジネスパーソンの上位20%には入れると思うし、経済系のニュースの勘所がわかるようになる。
山崎元著『学校では教えてくれないお金の授業』
⇒上の山崎さんの本よりも、もう少し踏み込んだ内容まで話している本。といっても、山崎さんの著書の中では読みやすい部類に入る。
私は社会人最初の2年間で山崎さんの本を中心に金融の勉強を進め、その結果、「金融業界に自分の実現したい夢はない」という結論に至り、転職を決意した。とにかく金融業界には「商品を売りたいがためのポジショントーク」があまりに多すぎる。この本を読めば、「勉強しない者はいかに搾取されるか」がよく理解できる。社会人は全員読むべき1冊。
財務・会計
それではいよいよ、お金の勉強の本丸、財務&会計に入っていきます。特に最初の2冊は社会人であれば必読の知識。できれば社会人3年以内に読んでおきたい2冊です。
石野雄一著『「知識ゼロ」の人のための 超ざっくり分かるファイナンス』
⇒コーポレート・ファイナンスを学びたいなら、初めは絶対にこの本!前身となるこちらの新書が2007年に登場してから15年以上経つが、この本を上回るファイナンス入門書はいまだに出ていない。
企業が企業活動を回していくためには「資金調達」、つまり活動資金の確保が欠かせない。この資金調達のロジックが、私たちサラリーパーソンの日々の活動の制約条件となる。裏を返せば、日々働く中で会社に対して「なんでこんな理不尽な仕組みになっているのだろう?」と感じた時に、その疑問の源流を辿るとコーポレート・ファイナンス(もしくは人事)の問題に行き着くことが多い。会社の仕組みを正しく知る上で、ファイナンスの知識は欠かせない。
國貞克則著『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』
⇒まず声を大にして問いたいのが「簿記2級を取った=会計がわかるようになった」ではありませんよね、ということ。そうですよね?少なくとも自分はそうだった。資格試験の目的は受験者の選別にあり、その合格を目指した受験用の勉強テクニックは本質からズレたものであることが多い。そんなものは適当にやりすごして、こっちの国貞さんの本を勉強しましょう。この本を読めば、財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)がいかにしてイキイキと連動しているかが体感としてよくわかる。上の石野さんの本と並んで、社会人なら必読の本。
朝倉祐介著『ファイナンス思考――日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』
⇒上の石野さんの「ざっくりわかるファイナンス」を読んでから挑戦してほしい本。
この本のメッセージを一言でまとめると「目先の<利益>を優先しすぎず、将来の<投資>を大切にしよう!」というもの。たとえば私たちは「◯◯株式会社、赤字!」というニュースを見ると「あの会社は業績良くないんだな」と判断してしまう。では、その会社が目先の決算の数字を黒字に見せようと、未来の投資を怠ってしまったとしたら──?著者はこうした短期思考を「PL脳」とバッサリ切り捨てる(PL=損益計算書の略)。そしてその対になる「ファイナンス思考」を大切にすることが日本再生の切り札だと語っている。この本を読めば、経済ニュースの見え方がガラっと変わること間違いなし。
石野雄一著『増補改訂版 道具としてのファイナンス』
⇒上の「ざっくりわかるファイナンス」のさらに上級編の位置づけ。この領域を学ぶならこの本以外にはありえないでしょ!と100人中100人が首をタテに振るくらいの圧倒的ロングセラー。実務でファイナンスに触れているわけではない人も教養として読んでおきたい一冊。
磯崎哲也著『起業のファイナンス 増補改訂版』
⇒スタートアップ・ベンチャー界隈の人なら必ず読んでおくべき一冊。自分自身がスタートアップを経験したからこそ分かるが、スタートアップはファイナンスの論理で動いており、その制約から自由になることは絶対にできない。この本を読めば、スタートアップ投資の論理や、スタートアップ社長の「頭の中」がよくわかる。
(※スタートアップ・ベンチャーでの働き方についてはこちらの読書リストにもまとまっています)
田中靖浩著『会計の世界史 イタリア 、イギリス、アメリカ――500年の物語』
⇒実務には直結しないが、教養として読む価値ありの一冊。「簿記」と呼ばれるものが歴史の中でどのようにできてきたかがよくわかる。サラっと読めるのでオススメ。
(※個人的には近年話題の「人的資本経営」のトレンドも「会計の世界史」の新しい1ページなのかもしれないと思い、興味深く見ている)
生きた知恵を学ぶ
ここでは教科書だけでは学べない<Streetwise>なお金の知恵を教えてくれる本を3冊ご紹介します。
田端信太郎著『これからのお金の教科書 年収の伸びしろがケタ違いになる視点65』
⇒Xの炎上で有名な田端さんのマネー本。正直この手のインフルエンサーの書いた本は情弱をつけ狙った「トンデモ本」が多いので近づかない方が良いケースが90%以上だが、田端さんの本はとても真っ当なことが書かれており、非常に信頼がおける本として自信を持ってオススメできる(私自身も愛読者なのでわかるが、恐らくは上で紹介した山崎元さんの本などをベースにしている)。教科書だけでは学べない<生きた知恵>を学べる、若手サラリーマン必読のマネー本。めちゃめちゃ勉強になるのでぜひ。
(※田端さんのこちらの本を読んでない人は併せて必ず読みましょう)
堀江貴文著『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』
⇒「あり金は全部使え」という過激なメッセージ。「短期的な損益を気にして機会損失する愚かなマネはするな」という意味において、上に書いた朝倉さんの「ファイナンス思考」とも近しいものがあると感じた。保守的なお金の常識から自らを解き放つために読んでほしい一冊。
堀江貴文著『99%の人が気づいていないお金の正体』
⇒同じく堀江さんのマネー本。年金・国債・終身雇用制度などマクロなテーマからYoutube・オンラインサロンなどミクロのテーマまで、「お金の本質とは何か?」というテーマで分かりやすく語られている。個人的に、堀江さんの本を読む一番の効用は「今まで自分が常識だと思っていたことを『気にしなくて良いんだ!』と気づかせてくれること」だと思っている。お金の常識、人生の常識から自由になりたい方はぜひ。
視点を広げる
さらに視点を広げてお金のことを理解する上で読んでほしい本をセレクトしました。
藤沢数希著『外資系金融の終わり』
⇒2012年(アベノミクス以前)に書かれた本なので最新の状況とは異なるという前提はありつつ、外資系金融と呼ばれる世界の「本質」を面白く知ることができる一冊としてぜひオススメしたい。私はこの本を読んで「金融はカタギの世界じゃない」と感じて足を洗う(コンサルに転職する)ことを選びました。
ティモシー・テイラー著、池上彰/高橋璃子訳『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編』
⇒ミクロ経済学の入門書。池上彰さん監訳ということだけあって非常にわかりやすいのがウリの本。「需要と供給とは?」「価格弾力性とは?」といったビジネスパーソンなら知っておきたい基礎的なテーマについて知ることができる。一気にサラっと読めるのでぜひ。
ティモシー・テイラー著、池上彰/高橋璃子訳『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編』
⇒上の本のマクロ経済学版。日経新聞や経済ニュースを見ていて分からないことがあったらこの本に立ち返って復習するのが良い。池上彰さん監訳なのできっと挫折しないはず 。
池上彰著『池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」』
⇒お金について学ぶなら外せないならこの本。共産主義という歴史の実験は破綻したが、マルクスが見抜いた「お金による搾取の手口」は今日の資本主義社会でもそのまま生き残っている。会社と呼ばれるものの真の仕組み・メカニズムを理解する上で必ず読んでおきたい一冊。
(※こちらの「組織の本質を知る」という読書リストでもオススメしている一冊です)
関連リンク
以下のリンクでもオススメ本をまとめています!ぜひご覧ください!
◆20代のうちに読むべき本
◆読書の仕方がわかる
◆キャリアについて考える
◆仕事の速さを極める
◆思考力を鍛える
◆メンタル管理・ストレスマネジメント
◆Excelを極める
◆スライド作成・PowerPointを極める
◆議事録・文章力を磨く
◆マーケティング
◆データ分析・テクノロジー
◆金融・お金に強くなる
◆デザイン
◆デザイン思考
◆新規事業
◆コンサルに入ったら読む本
◆スタートアップ・ベンチャーに入ったら読む本(※インターン含む)
◆組織の本質を知る
◆学生・就活生が読むべき本
◆【決定版】あなたの人生を変える100冊の本!
◆book reviewトップページ
◆読書レビュー Youtube動画アーカイブ
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