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mofi|映画・答え合わせ

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ハリウッド映画を中心に、新旧の映画の構造や効果を「答え合わせ」します。
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#星3ツ

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は劇場娯楽・過渡期の象徴

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は劇場娯楽・過渡期の象徴

ルール:「答え合わせ」は「作品」と「個人」を切り離してます。話すのは前者についてのみ。後者への批判は目的になし、です。

『Avengers: Infinity War』★★★・・。(4ツ星満点中、3ツ星。)

[物語]
地球に、スーパーヒーローたちが束にならなければ太刀打ちできない絶対悪が迫っているー。未知なる人類の危機に、英雄たちが集う。

[答え合わせ]「インフィニティ・ウォー」は、演出面と

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史実同様しっちゃかめっちゃか『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』

史実同様しっちゃかめっちゃか『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』

『All the Money in the World』★★★・。(4ツ星満点中、3ツ星。)

ロサンゼルスの西側、405号フリーウェイ沿いの山の上から下民たちを見下ろす私立美術館「ゲティ・センター」。パサデナにも「ゲティ・ヴィラ」の名を冠した巨大な施設を最初に建立したのは、石油王、J・ボール・ゲティその人だ。本作は「世界中の金」を手に入れたゲティの孫息子のひとりがイタリアの路上で誘拐され、身代金

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イギリス人の頭の中のウェスタン。『スリー・ビルボード』

イギリス人の頭の中のウェスタン。『スリー・ビルボード』

『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri』★★★・。(星3ツ/4ツ星満点)

 『セブン・サイコパス』のイギリスおよびアイルランド人劇作家、マーティン・マクドナーによるオリジナル脚本・監督作のタイトルは、長い。字面通り3枚の大型ビルボードを中心に展開する田舎町のサスペンスを描く本作には、マクドナーと馴染みの深いキャストとスタッフが集結している。予告編を見

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荒々しい冒険作『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』

荒々しい冒険作『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』

★★★・。(星3ツ/4ツ星満点)

シリーズ生みの親、ジョージ・ルーカスを抜きにして再出発した『スター・ウォーズ』。前作『フォースの覚醒』のあと、2年の刻を経て製作された「エピソード8」は『BRICK ブリック』『LOOPER/ルーパー』の若手ライアン・ジョンソンが監督のみならず、脚本も担当。『帝国の逆襲』の脚本を手がけたローレンス・カスダンが提示したプロットを廃案にして、自らシナリオを仕上げたと

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社会性、多少ゴリ押しの佳作『Wind River(原題)/ウィンド・リバー』

社会性、多少ゴリ押しの佳作『Wind River(原題)/ウィンド・リバー』

★★★・。

「サンズ・オブ・アナーキー」でデビッド・ヘイル役を務めるのみならず、ドゥニ・ヴィルヌーヴの監督作『ボーダーライン』や、『ヘル・オア・ハイ・ウォーター』の脚本を執筆してアカデミー賞にノミネートされたフィルムメーカー、テイラー・シェリダン。彼の監督第2作となった本作は、主演にジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンの『アベンジャーズ』組を揃えるスター・ビークルとなった。ネイティブ・アメリ

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