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#178 『怒り』とは? 〜怒りの生まれ方から考えるアンガーマネジメント〜

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

尾石晴さんのVoicyで精神科医水島広子さんの言葉が紹介されていました。

それは、怒っている人は困っている人という言葉です。
この言葉は東京新聞のコラムで水島さんが紹介されていたようで、検索したらコラムの切り抜きが見つかりました。

さて、怒っている人は困っているとはどういうことかというと、任せていたのに成果がでない、メンツをつぶされた、急いで出勤しないければならないのに子どもが洋服にジュースをこぼした。などなど、困った状況で人は感情的に怒るのだと。

あぁ、なるほどなと。非常に納得感がありました。
と同時に、怒りをどのように捉え、どのように付き合うと生きやすくなるのかを考えました。



◯怒りとは?

「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」

HUNTER×HUNTERの主人公ゴンの育ての親であるミトさんの言葉です。ゴンの好きな言葉として紹介されているのですが、私にとっても印象的な言葉です。

脳科学的には、人間に怒りという感情が組み込まれているのは、危機を察知し、生命を脅かされることから逃げるためだと言われています。
例えば、何か自分や仲間が脅かされるであろうとかぜんざいに扱われたと感じると、恐怖や危機をつかさどる扁桃体が発火し、自分を守るために「怒り」を発生させ、相手に対する攻撃と防御を無意識に起こそうとするようです。

怒りが発生している時は「自分」ないし「自分が大切にしているもの」に被害が及びそうだと感じている、ということです。
そのため、その人が何に怒りを感じるのかを知ることは、その人が何を大切にしているのかがわかることであり、その人を知ることに繋がるということです。

営業とエンジニアのように異なる役職間では大切にしているものが異なるため、互いの理解が足りていないために相手の大切にしているものを意図せず軽率に扱ってしまうことで怒りに発展するなどが良くあるパターンかと思います。

私は怒りに対してこのように捉えていたため、水島広子さんの「困っているから怒る」というのは新しい視点でした。

◯顧客に理不尽な怒りをぶつけられたことを振り返る

過去に顧客が怒り電話で怒鳴りつけられたことがあります。

ある顧客管理のシステムの開発中に、顧客の担当者がシステムのリリース前にユーザーに対してログインを依頼するメールを送ってしまいました。
メールを受け取ったユーザーはログインを試みますが、システムのリリース前なので当然ログインできません。

ユーザーからログイン出来ないという問い合わせがくるので何とかしろ!と怒りの電話がかかってきました。
こちらからすると「リリース前なのでログインは出来ません。なぜ、メールを送ったのですか?」という気持ちなのですが、担当者は電話越しに「どうすればいいんだ?何とかしろ!!」と喚き散らしていました。

その時には私達がユーザーに対してお詫びのメールを送ることで、一件落着。

この件がまさに「怒っている人=困っている人」でした。
自分がやってしまったミスでなぜ怒りをぶつけてくるのだろうと不思議だったのですが、自分ではどうして良いかわからないからとても困っていて怒りとして表現していたということでしょう。

ものすごく腹落ちしました。

◯怒りの受け止め方、伝え方

水島ひろ子さんのコラムでは、「怒っている人=困っている人」と頭の中で変換することで、怒りを向けられても少なくとも自分は傷づかない。
そうすれば流すことも出来るし、場合によっては助けてあげることもできる。何もしなくても、自分の心が「やられた!」ではなく穏やかになる。と書かれています。

人間は怒りをぶつけられると反射的に攻撃・防御態勢に入ってしまうと述べましたが、前述の、怒りをぶつけてきた担当者に対しても、「あ、この人ものすごく困っているのね。」と変換することが出来たら穏やかに対応出来たように思います。

また水島さんは、自分が怒ったときは「ああ、私は困っているんだな」と思うことで、落ち着くことができ、人から助けてもらうという選択肢が芽生えるとも述べられています。

これはアンガーマネジメントとしても非常に役立ちそうですね。

自分の怒りを困っていると解釈することで怒りを落ち着かせることが出来たとして、自分の困っていること、大切にしているものを脅かされていることをどのように相手に伝えればよいでしょうか?

こちらも脳科学的には、悲しみとして伝えるのが良いとされています。
「それは自分にとって大事なことで、その発言(や行動)は大事なものをぞんざいに扱われたようで悲しい」と怒りを感じた人に伝えるのです。

相手は攻撃しようとしたわけではなく、あなたが何を大事にしているのか、その発言(や行動)が攻撃していると気がつかなかっただけだからです。
「怒り」に変わる感情の原初的な思いは、傷づけられて事による「悲しみ」であって、それを伝えない限り、どんなに理屈をこねて、正当化しようとしても相手の行動をかえることは出来ないということです。

困っていることも同様に悲しみで伝えるのが良いのだと思います。


ということで、今日は「怒り」についてどのように捉えると穏やかに怒りと向き合えるのか、相手の行動を変えたければ怒りを悲しみとして伝えることことが有効である。という話でした。

皆さんはどのように怒りと向き合っているでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。



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