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#181 とりあえずやってみることの効能 ~チームのキャパシティを増やすための文化作り~

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

以前に自分の挑戦に合意形成はいらないという記事を書きました。

この記事では、課題を認識している自分自身が自分の責任で解決にチャレンジしなければ課題は解決しないため、チャレンジの合意形成をすることに大した意味はない。また、自分でチャレンジするから課題の解像度が上がり、適切に解決に向かうことが出来る。ということを述べています。

今日はチャレンジとまで言わないようなことでもカジュアルに『とりあえず』試してから考えることを重ねることの効能について考えます。


〇試してみることで小さな課題が解決する

これまで選択肢になかったことを試してみたら小さな課題が解決した。ということは、日常的に起こるのではないでしょうか。

私は最近、『都内の移動にバイクシェアを使う』という選択肢を手に入れ、小さな課題が解消しました。

自転車のシェアサービスは、LUUP、ドコモ・バイクシェア、HELLO CYCLINGなど、複数のサービスがあり、もはや一般的なため、何を今さらという感じですが、なぜか最近まで自転車のシェアサービスを使うという発想がありませんでした。

以前は職場のある新宿近辺に住んでおり、クロスバイクを所持していたので都内の移動は自転車メインで、たまに電車を使っていました。
現在は都心から少し離れて23区外に住んでいるため、新宿近辺を自転車で移動するという選択肢がなくなり、バスを利用するようになりました。

私は社会人サッカーチームに所属しており、平日の仕事終わりに練習に向かうのですが、その際の移動手段はバスです。
バスは非常に便利なのですが、帰宅ラッシュの時間に重なるため時間がかかるのと、10分~15分ごとの運行のため1本逃した時のタイムロスがあります。

仕事終わりにダッシュで練習に向かうのですが、大体練習開始に少し遅れてしまいます。貴重な練習時間を確保するために、この移動時間を10分でも短縮する方法はないかと考え、自転車のシェアサービスを利用し始めたところ、見事に10分程度の移動時間の短縮に成功しました。

〇『試してみました』の共有が試すハードルを下げる

今思えば、街中で自転車のシェアサービスを使っている人は珍しくもないため、もっと早くこの選択肢に気づいても良かったものの、長いことバス移動を続けていました。

サッカーチームのメンバーとの雑談中にバスより自転車の方が早いんじゃない?と言われて、「なるほど」と気づきました。

私の中で「バスでの移動」が当り前になりすぎており、他の選択肢を考えるという発想がなかったために、日常的に目にする自転車のシェアサービスにたどり着きませんでした。

そこに、チームメンバーの「最近、自転車のシェアサービス使っているよ」という一言が、私の選択肢を広げてくれました。

その後、経路検索で移動時間を調べたり、貸出スポットの場所を調べた結果バスとどっちが早いかは微妙なところでしたが、試してみたところ時間の短縮が実現できました。
また、大体サッカーに向かおうとすると社内の誰かに声をかけられて、バスの時間が頭をちらついてイライラしてしまっていたのですが、バスの出発時刻を気にせず、いつでも出発できるという気持ちのゆとりも手に入れることが出来ました。

サッカーの移動の話に逸れましたが、何が言いたいかというと、周りの『試してみたよ』という共有は、自分もやってみようという気持ちを促進し、試すことのハードルを下げる効果があるということです。

私はチーム内の課題に対してもとりあえずやってみましたと共有するようにしています。
例えば、顧客からの同じ問い合わせが何度もくるケースでは、とりあえず少し解消しそうな対応をして「やってみました」と共有します。

完璧な改善対応をするのには時間がかかる場合でも、パパっとやってみて、改善しきらなかったら追加で手を打てばよいというスタンスです。
そうやって、まず試してみるということをリーダーである私がやっていくと、若手のメンバーも「これやってもいいでしょうか?」という相談ではなく、「やってみました!」という共有をしてくれるようになります。

そうやって試したことを共有していくことで、試すハードルが下がり、ひとまずやってみる文化の醸成に繋がります。

〇試行の積み重ねで腕力がつく

あれこれ考えてチーム内で相談しても、その時間では何も解決しません。
また、やってみてわかることは沢山あるため、やってみてもいない段階であれこれ考えることは時間の無駄です。

そして、やってみたら『思ったよりも難しい』と、手が止まることも良くあります。
ただ、手が止まっても何も試さずに考えていたのとは違い、他の方法を試すなり誰かに相談するなり次の手が打てます。また、愚直に難しい課題に向き合うことで、課題解決力が鍛えられていきます。

仕事をしていると、小さな試行を積み重ねてより良い選択肢を見つけることで前に進めるシーンは沢山ありますが、必ずどこかで腕力でどうにかするしかないというシーンに出くわします。

そのような苦しい局面を打開してくれるスーパーマン達は、日々様々試行を繰り返し腕力を鍛えているからこそ、難しい課題に正面から立ち向かえるのです。
そのような頼られるスーパーマンは非常にフットワーク軽く、難題を見つけては首を突っ込んでくれます。


つまり、『ひとまず試してみる』ことは、いざという時に必要な腕力を鍛える訓練の回数を増やすことであり、チーム内に『ひとまず試してみる文化』を醸成させることは、チーム一人一人の腕力を鍛え、チームの総力を向上させることにも繋がるのです。



ということで、今日はとりあえずで良いのでひとまず試すことで小さな課題の解決に繋がること、『とりあえず試す』文化を醸成することでチーム力を向上させることができるという話でした。

チームのマネージャー、リーダーや後輩を持つ先輩方は『ケツは拭いてあげるからとりあえず試してみよう』と背中を押してあげてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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