#231 マネージャーはフリーでシュートを打たせろ~アンブロックが仕事~
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
以前にサッカーに例え、マネージャーはFWではないため良いパスの出し手になるべきであるという記事を書きました。
マネージャーはチームメンバーが成果を出せるように適切なパスを出すことに徹し、チーム全体の成果を上げることにコミットするのが役割ということです。
チームのメンバーが得点力に優れた能力の高い集団であれば、良いパスさえ出せれば大量得点が狙えます。
しかし、常にチームが強いメンバーだけで構成されるわけではありません。若いメンバーや外部のメンバーを迎えた状態でもチームの成果を上げるためには、ドリブルやシュートのテクニックを身につけるトレーニングも必要になります。
ドリブルというのは、自分でチャンスを作り出す動きのことで、自分で自分の仕事を作り出すことです。
まずは、受けたパスをシュートを打つところから始まり、なぜそのポジションでパスを受けるとチャンスになるのか、どのようにそのポジションでパスを受ければ良いのか、そのチャンスをドリブルで作りだすにはどうすればよいのか、というステップを踏みドリブルでチャンスを生み出すテクニックを身につけてもらうイメージでしょうか。
仕事の作り方に関しては、こちらの記事でも紹介しています。
「ドリブル=仕事を作る」ことで得点のチャンスをより多く生み出すことが出来れば、次はシュートの決定率も向上したいです。
チャンスのシーンで正確にボールを蹴るテクニックももちろん必要ですが、大事なのはどのタイミングでどのコースにどのようなシュートを打つかの判断・意思決定です。
実際のサッカーのプレーの話ですが、私はサイドバックでプレーをしており良きタイミングでゴール前まで上がりチャンスを生み出す動きが好きです。
しかし、ゴール前でのテクニックや判断の質が高くなく決定率が低いのが課題です。
ゴール前の決定機で確実に得点するには、判断の質の向上が欠かせません。仕事においても、局面局面での意思決定出来る能力が求められます。
複雑なビジネスのシーンで決まりきった正解はありません。適切な判断が出来るだけの情報が常に揃っているわけではありません。そんな状況でも意思決定をする訓練を積まなければ、意思決定の質は向上しません。
そのため、メンバーに責任とセット意思決定の機会を与えるのもマネージャーの仕事です。ゴール前の緊張感の中でシュートを打つ機会を増やすことで、シュートの質を向上することが出来ます。
ドリブルやシュートのテクニックを身につけてもらう一貫で重要なのは、フリーでシュートを打たせることです。仕事では「アンブロック」の役割です。
メンバーがどこかで詰まっている状態から、そのブロックを取り除くということです。
バグにハマり次にどんなアクションをしていいのかわからずに手が止まっているメンバーに、デバッグの方法や、ログの見方を教えたり、一緒にエラーを見ながらペアプログラミングで調査を実演するなど、ケースバイケースでブロックを取り除きます。
以前にブロックを取り除いた同様のケースで詰まることもあるため、「こういうシーンではどのように考え、アクションすればよいか」を考えてもらいながら、応用が効くようなフォローが出来ると良いです。
ブロックを取り除き、繰り返し成功体験を積み重ねることで、自信がつき、心理的安全性が獲得できると、どんどんパフォーマンスが向上します。
また、技術レベルが十分に高くてもチームにジョインしてからの日が浅いと、お作法がわからずにブロック要因になってしまいます。
以前のチームでのアプローチを新しいチームでも実践しても良いものかの判断がつかなかったり、ゴールレベルのすり合わせが出来ていないと何が失敗で何が成功かわからないため、大胆な意思決定がしにくくなってしまいます。
チームのルールをドキュメントで明示するなり、ゴールやアプローチについてのすり合わせの時間を作ることで、慣れないチームならではの緊張感から解放され、本来のパフォーマンスを発揮いただくことが出来ます。
つまり、フリーでシュートを打てる状況を作るということです。元々能力があるのため、フリーの状況を作れば、華麗なシュートを決めてくれます。
ということで、マネージャーの仕事についてサッカーで例えて紹介してみました。
メンバーの特徴や状況に応じた適切なフォローが出来ると、メンバーがいきいきとし仕事に取り組め、高いパフォーマンスを発揮してくれます。
私も、いつも良いフォローが出来るように精進していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。