#24 下手な内製開発をするより外注の方が安全
プロダクトマネジャーのShinさんがVoicyで下手な内製開発をするより外注の方が安全という話をされていました。
この話を聞いて過去に顧客から内製化を要望されて大変だったことを思い出しました。
◯ここ数年で増えた内製開発したい会社
ここ数年、時価総額が大きくなりやすいという理由でSaaS事業をやる会社が増えているそうです。
SaaSの場合、売上×◯の時価総額が付くのが相場で少し前の景気がいいときは10倍以上になることが普通だったとか。
そのためSaaSを作りたい、しかも内製で作りたいという要望が増えているようです。
◯内製の方が小回りが効くという幻想
私が以前に手掛けたプロジェクトでも、初期の開発は弊社に外注していただき、運用フェーズからは一部内製したいという要望をいただきました。
サービスイン後にスピード感を持って改善を続けたいという事でしたが、追加費用を払わずに開発していきたいという狙いもあったと思います。
サービスイン後に顧客のチームと合流し、一部顧客側のチームの改修を取り入れられるようになりましたが、依頼いただければ3日とかからない対応に1ヶ月程度かかった記憶があります。
◯内製は難しい
元々顧客が内製で作れないような難易度の高いシステムのため、発注をもらい開発させていただいています。
顧客には内製のUI開発チームでUI改善をしていきたいという意図がありましたが、画面のUI(見た目)を変えるだけでも既存の実装のキャッチアップや修正を反映するまでのフローを統合する必要があり、顧客のUI開発チームだけでUI改善を完結することは出来ません。
結局、開発フローの整備やシステムのキャッチアップのためのコミュニケーションコストが爆増してスピード感が失われてしまいました。
◯外注の使いどころ
内製にしろ外注にしろ、プロダクト開発を熟知したプロダクトマネージャーの存在は不可欠です。
逆にプロジェクトマネージャーさえいれば内製でも外注でもうまくいきます。
また、作ったプロダクトにニーズがなければ売上は立ちません。そのプロダクトを内製化するためにエンジニアチームを抱えた場合、人件費を払い続けることになります。プロダクトにニーズがあるかを確認する段階であれば、外注してプロトタイプを作って検証してから内製化を考える方が安全です。
費用を抑えるために、単価の低いエンジニアの小さな内製チームを作ってワークさせるのも難しいです。単価が安い=職務経験が浅いエンジニアのため、プロダクトを一から作るのはハードルが高すぎるためです。
単価が高くても外注して短期間で開発してもらう方が、結局はお手頃な費用に収まります。
〇終わりに
開発チームを内製化したいというニーズと、実現には高いハードルがあるということをご紹介させていただきました。
開発チームを内製化したいというニーズは自由度高く・安く改善を続けたいという目的から生まれていると思いますが、適切な実現方法を選択するには肌感覚でわかるくらいに解像度高く理解している必要があります。
何か新しいことを始めるには自分で実際に取り組んでみて、肌触りを掴んだうえで専門家とうまく協調する方法を模索するのがベターです。
このnote元ネタとなったShinさんのVoicyはこちらです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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