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#207 プロジェクトの成否の50%は人選で決まる

こんにちは。 IT ベンチャーエンジニアのこへいです。

山口周さんのこちらの記事ではプロジェクトを炎上させないコツとして「人選」が挙げられています。
そして、プロジェクトの成否の50%は人選で決まるとまで仰っています。

これには非常に納得するところがあります。


〇ボトルネックが全体のスループットを決める

山口周さんの記事では、著述家のジム・コリンズの著書「ビジョナリー・カンパニー2」での人材と経営計画の関係についての発見が紹介されています。

コリンズは「人材が先、計画が後」だということを「行き先を決め、そのあとでバスに人を乗せるのではなく、まずバスに優秀な人材を乗せ、とりあえずバスを発車させる」というたとえで表現しています。

良い人材を集めてチームが組めれば、それだけでプロジェクトの成功確率はグッと高まる。一見当たり前のことですが、この事実が軽視されることを指摘されています。

この指摘は、全世界1000万人が読んだベストセラー『ザ・ゴール』で述べられている「ボトルネックが全体のスループットを決める」という事実から理解することができます。


私のチームにも以前、ボトルネックとなるメンバーがいました。

ある開発プロジェクトのための追加メンバーとしてアサインされたAさん。
Aさんは明らかに能力が足りておらず、Aさんにタスクを依頼するのにも任せたタスクのレビューにもやたらと時間を取られました。

その際にチームを停滞させないために実践していた内容はこちらでも紹介しています。

明らかに能力の低いメンバーが1人入るだけで生産性は落ち、ボトルネックの解消に力を割く必要が生まれタスクの総量が増えることにり、全体のスループットは劇的に下がります。

優秀なメンバーだけのチームはプロジェクトに必要なことだけに集中出来るため、成功確率が上がります。

◯勇気を持って人選しよう

山口周さんの記事でもプロジェクトリーダーは「ゴネてナンボ」と述べられています。
メンバーの交代・増員について交渉をするとわがままな奴と思われるかもしれませんが、プロジェクトが成功すれば、すべては丸く収まり、プロジェクトが失敗すれば、すべてはリーダーの責任になる、からです。

前述のボトルネックAさんがアサインされた私のプロジェクトは、エンジニア7名が必要と見積もられていました。そして、私に任された時点でメンバーは私と新卒エンジニアの2人のみでした。プロジェクトの途中から信頼できる助っ人2人をアサイン予定ではありましたが、人がいないということで業務委託でアサインされたのがAさんでした。

このメンバーでプロジェクトを進めるのは流石困難なため、プロジェクト開始時から信頼できるメンバーをバイネームで指名しましたが受け入れられず。
Aさんの稼働がないと厳しいスケジュールだったため、Aさんでも対応できるタスクを切り出したり、Aさんに手厚くレビューをすることでプロジェクトを進行することはできました。
その分、私が長時間労働でカバーするという状況でしたが、最終的にはプロジェクトは納期に間に合わせられました。

申し訳ないですが、Aさんには途中で退場いただくことになりました。

プロジェクトの振返り会で「あのメンバーは厳しかった」と次回以降の改善を求めたところ、「こへいさんだから任せたんだよ。成功したからいいじゃないか。」とお茶を濁されました。
結局プロジェクトの成否が全てなので、プロジェクト開始時にもっとしっかりごねるべきだと反省しました。

また、メンバーのアサインを人任せにしすぎると自分が痛い目に合うので、自分のチームのメンバーは自分で採用するという強い気持ちを持つようになりました。


◯メンバーの育成も大切

人選にごねるべきと強く主張したいですが、常に人不足であり信頼できるメンバーがアサインできないことにも備えなければいけません。

組織全体の目線を上げる

ポテンシャルがあるメンバーであれば積極的に受け入れることも必要です。

全員がシニアレベルのメンバーであれば、であればサッと認識合わせ出来るような暗黙知もジュニアメンバーを受け入れるのであれば、暗黙知を減らしていくことが必要です。暗黙知が多いと流動的な人材配置も難しくなるため、やはり暗黙知は減らしていくべきです。

コードレビューのルールを明確にしたように、チーム・プロダクトの運用ルールは言語化し互いに指摘できるようにしておきます。
また、チームにメンバーがジョインした際に、すぐにバリューを出せるようなオンボーディングを整えることも重要です。


優秀な人を引っ張り上げる

チームの中のジュニアメンバーの比率が多いと基準が下がりチーム全体のレベルは下がってしまいます。
いきなりシニアレベルの活躍を発揮することを求めるのも当然難しく、目線のすり合わせには苦労します。

そういう時はジュニア・ミドルレベルの優秀なメンバーに注目を集めることで、基準が上がります。優秀なメンバーにフィーチャーしジュニアメンバーのロールモデルとして立っていただくのです。

そのメンバーの何が素晴らしいのかを言語化し、彼の活躍をチームに共有し、チームが求める基準を身近なものとして感じてもらうことで、ジュニアメンバーのお尻を叩くことにも繋がり、基準がぐっとあがります。

先日、妻の職場でまさにこの現状が起きたようです。
社員の勤務時間を集計し3人でトリプルチェックするという業務があるのですが、普段だと月初から業務が始まり完了するのが10日くらいだったのが、テキパキと仕事をする新人が入ってきたところ、4日で終わったそうです。

上司からすぐにやるようにと指摘があってもなかなか業務のスピードが上がらなかったのが、その新人の仕事のレベルに引っ張られ全体の基準が上がった好例です。


ということで、山口周さんの「プロジェクトを炎上させないための、もう一つのコツ」という記事を参考に、メンバーの人選の重要性、メンバーの基準を上げるための実例を紹介させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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