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ウェブ読書会 トラウマケアを学ぶ
みなさま こんにちは
ごく少人数で、
心理や精神医学に関する本を読む読書会
を継続しています。
昨日は、朝からウェブで読書会を実施しました。
課題本は以下の本です。
『身体はトラウマを記録する
脳・心・体のつながりと回復のための手法』
ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著
柴田裕之 訳
紀伊國屋書店
トラウマ体験とは
脳や身体にどのような影響を及ぼすことなのか、
どのようなメカニズムで心や身体が混乱を生じるのか、
そして
トラウマ体験の影響から
回復するにはどのようなことが大切なのか、
いくつもの事例を紹介しつつ、
説明されているのがこの書籍の特徴です。
分厚い本ですが、おすすめの本です。
私は
第4章「命からがら逃げる-サバイバルの分析」
を担当しました。
私自身の復習もかねて、こちらに少し紹介をします。
☆☆☆
私たちの脳は、
出来事や感覚をスピーディーに視床が入力し、
その後、情動的重要性の解釈を扁桃体が行い、
意識的で厳密な解釈を前頭葉が行うという流れで動きます。
PTSDでは、脳の緊急反応を制御できなくなり、
落ち着いた判断ができぬまま、
衝撃が長引いてしまう状態であると説明されています。
圧倒的なトラウマ体験は、断片化し、
フラッシュバックや凍結反応を引き起こします。
本人だけの力では制御しがたい圧倒的なものになってしまいます。
ストレスに効果的に対処するには、
脳のトップダウン機能とボトムダウン機能の調節力の回復が大事であり、
中でも、トップダウン機能を向上させるためには、
マインドフルネス瞑想やヨーガが良いようです。
トラウマのセラピーでは、
トラウマ体験の最中に
患者の脳が働きを止めてしまっている脳の組織が
本来の働きを取り戻すようにかかわります。
それは、
今自分の中で何が起こっているのかを感じること、
それ自体が回復への第一歩になる
と、著者ヴァン・デア・コークは述べています。
以下は、著者の言葉の引用です。
「私たちは何よりもまず、
患者が
現在を
思う存分生きる
のを助けなくてはならない」
繰り返し読んで、 胸に刻みたい言葉だと思いました。
本の後半は、さらに回復への手立てが紹介されています。
様々な方法が紹介されており、
様々なクライエントさんやその回復の経過に合わせて、
取り組めそうな有益な方法が
見つけられるのではと思います。
(20200510記載)