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白影荘の住人

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毎週日曜日13時~14時頃更新予定の短編集。 ちょっと変わった住人のお話。 ※完結済※
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#オリジナル小説

【白影荘の住人】マックホルツ-3/3

雨の音がまだ止まない。 あの日、三人の話しを聞いてから僕は眠れない日々を送っている。 そ…

SAI
3年前

【白影荘の住人】マックホルツ-2/3

雨が降り出したので、僕たちはシューの部屋へ移動して先程の話の続きを始めることにした。 ク…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】マックホルツ-1/3

七月上旬。 最近、妙に落ち着かない。 起きて活動していても横になって眠ろうとしていても、…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】千年少年-3/3

「正確には九百六十七歳だから、まだ千歳ではないんだけどね。四捨五入では千歳だから、そのあ…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】千年少年-2/3

朝、シューが扉を叩く音で目が覚める。 半分しか覚醒していない脳と体を動かして、玄関の扉を…

SAI
3年前

【白影荘の住人】千年少年-1/3

六月下旬。 在所さんが姿を消してから、もう一カ月以上経つ。 それでも僕の日常は続いていく…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】地図男-3/3

断ったはずなのに、僕はどうして在所さんに手を引かれてその部屋に招かれているのだろうか。 「在所さん、ホウキさんの終わったらピラミッドに連れてって」 「そうだねぇ、アタシはその後でカイエトュールの滝に連れていってもらおうかね」 ぞろぞろと在所さんの部屋に入って来ているが、二人は見慣れているのかこの部屋について何も言わない。 「ははっ、わかりましたよ。すぐ戻って来ますから、二人とも待っていてくださいね」 言いながら在所さんは部屋一面に張り付けられている無数の風景写真の中

【白影荘の住人】地図男-2/3

在所さんは二人の言い合いも見慣れているようで、気にせずに外国のダークチョコレートを口に放…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】地図男-1/3

五月下旬。 ゆーまさんが宇宙に帰ってから数週間。 白影荘はわりと平穏な日々が続いている。…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】UMA-3/3

あの日、ゆーまさんが宇宙に帰ってから105号室は空き家になった。 部屋の外まで聞こえていた…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】UMA-2/3

僕の頭がゆーまさんは宇宙人だという事に納得し始めたのは、持って行ったお菓子を二つ程、胃に…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】UMA-1/3

四月下旬。 もう少しでGWが始まろうとする頃、僕はやっと105号室の住人に会うことが出来た。 …

SAI
3年前
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【白影荘の住人】バステト人-3/3

「バステト人……ってなんですか?」 「ホウキさんは、エジプトの神々に興味がないみたいね。…

SAI
3年前
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【白影荘の住人】バステト人-2/3

深夜。 203号室の扉が開いて鍵の閉まる音が聞こえると、僕は一分待ってからそっと玄関を開けて彼女の後を追う。 五メートル後ろからそっと後をつけているが、彼女が僕に気が付く気配はない。 夜道に彼女の足音だけが響く。 しばらくして音の種類がコンクリートのそれから変わった。 街灯からそっと顔を出して確認すると、どうやら彼女は公園に入っていったようだ。 僕は公園に一番近い街灯まで忍び寄ってそこから彼女を探す。 彼女はピラミッド型遊具の頂点に立っていた。 何をするつもり