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noteのアドラー心理学のコースを値下げして提供しました2022年1月5日(水) 2022年あけましておめでとうございます。向後です。 noteのアドラー心理学のコースをより多くの人に使ってもらいたいと考えて、値下げして公開しました。 ・アドラー心理学はじめの一歩(3,000円) https://note.com/kogolab/m/me7f14d3a5c60 ・アドラー心理学を実践する(3,000円) https://note.com/kogolab/m/m52cf
0.1 「アドラー心理学を実践する」にようこそ!この講座はアドラー心理学の実践コースです。「アドラー心理学はじめの一歩」のあとに受講していただけるように設計しました。しかし、こちらを先に受講していただいてから、「はじめの一歩」を受けても大丈夫なように作ってあります。自分の好みの順番で受講していただければと思います。 「アドラー心理学はじめの一歩」がアドラー心理学の理論的な側面に注目して解説してあるのに対して、この講座では、アドラー心理学のユニークなアイデアと概念(勇気づけや
今回のポイント ・アドラー心理学は、19世紀末に成立した「科学としての心理学」の最初期にできた ・アドラーは、自分の心理学を「一人の人間の人生を全体的にとらえようとする学問」とした ・アドラー心理学は実践を目指す心理学として現代の心理学の中ではユニークである 1.1 アドラー心理学は”実践”の科学この講座の1回目はこんな問いかけで始めたいと思います。 「心理学は何を目指しているのでしょうか。どんな役に立つのでしょうか」という問いです。 もちろんこの問いに対する公式な回答
今回のポイント ・アドラーは自分の心理学に「個人心理学(individual psychology)」という名前をつけた ・そこに、個人(individual)というのは分割できない(in-dividual)ものだという主張を込めた ・行動、認知、感情はそれぞれに協力しあって「個人」を構成している 2.1 “個人”とは何か今回は「”個人”とは何か」というトピックです。 個人(individual)というのはアドラー心理学にとって特別な用語です。アドラーは自分の心理学に「個
今回のポイント ・ライフタスクでの対人関係の問題がやっかいであるのは自分一人の問題ではないから ・共同体感覚にしたがって決断し、行動するために必要なのが勇気 ・共同体感覚とは、自分の行動がより大きな共同体のためにもなるように行動しようとする指向性 ・そのためには自分が何を目指しているかを相手に伝え、相手が何を目指しているかを聞き出し、それらの中に一致点があるかどうかを話し合うこと 3.1 “勇気”とは何か今回は「”勇気”とは何か」というトピックです。 人はそれぞれに人生の
勇気づけ(Encouragement)はアドラー心理学のキーワードのひとつです。褒めたり叱ったりすることをやめて、勇気づけをするといいですよ、という主張をします。簡単に言えば、 「賞罰」によって他者をコントロールするのではなく、「勇気づけ」によって協力関係を作りましょう。 ということです。 このようにいうと、「いや、私は褒められるとすごくやる気が出るんです」とか「真剣に叱られて目が覚めたことがあります。その人に感謝しています」と反論する人が出てきます。つまり、褒めたり叱
[コラム3.1]では、勇気づけとは何かということを書きました。そして、相手が誰であっても、どんな状況であっても、必ず勇気づけになるような「魔法の言葉がけ」はないと言いました。自分が相手に勇気づけをしようと意図しても、相手が勇気づけられるかどうかは、自分と相手の信頼関係次第です。だから「こう言えば勇気づけられますよ」というような魔法の言葉はないのです。 とはいえ、このようにすれば勇気づけになるかもしれないという工夫はあります。それは「自分の関心をコントロールする」ということで
今回のポイント ・人は一人では生きていけないので、常に所属を求めている存在である ・自分がある共同体に所属できているかどうかは他者からの評価などによって判断される ・他者に依存しない判定として、自分の理想としていることと、その共同体が掲げている理想とがどれくらい一致しているかを見るという方法がある 4.1 “所属”とは何か今回は「”所属”とは何か」というトピックです。 所属(Belongingness)はアドラー心理学では基本概念です。人は常に所属を求めていると考えます。
今回のポイント ・目的論をとるアドラー心理学では、感情にもまた目的があると考える ・悲しみ、怒りのようなネガティブ感情であれば、「このようなことは起こってはならない」という目的 ・怒りがわいたときは、自分の願いや期待が勝手な思い込みではないかを点検してみると良い 5.1 “感情”とは何か今回は、「”感情” とは何か」というトピックです。 感情は持続する状態 (affect) と、一過性のもの (emotion) とに分けられます。両者をまとめて感情と呼んでいます。基本的な
感情には、「わくわくする」や「熱中している」のようなポジティブな感情と、「心配している」や「いらいらしている」のようなネガティブな感情があります。今回は、山崎(2006)の論文「ポジティブ感情の役割」を紹介しながら、ポジティブ感情について考えていきます。
Fredrickson の「ポジティブ感情の拡大-構築理論 (broaden-and-build theory) によると、 ポジティブ感情は、その時々の思考-行動レパートリーを広げ、個人の資源を高めます。 今回はその反対であるネガティブ感情の働きについて書きたいと思います。 感情や気分(mood)を簡便に測定するための質問紙としてよく使われるものにPANASがあります。この質問紙は、佐藤・安田(2001)によって日本語化されています。 これによると「びくびくした、心配
不安やイライラするというようなネガティブ感情は、「そこに問題がある」ということを私たちに知らせてくれます。そうすると私たちは、それを解決しようとして、注意の資源(注意力)をそこに集中します。このようにして、その問題をなんとか乗り切ろうというわけです。 ネガティブ感情は「何か問題がある」ということを知らせてくれるので、それ自体では悪いものではありません。問題は、注意をそこに集中しすぎてしまうので、しばしばまずい対応になってしまうことです。怒りのあまり、言わなくてもいいことまで
今回のポイント ・ライフスタイルは性格というよりも、その人がどこに向かっているかという「動き」として表現されたもの ・人は自分の人生目標に照らし合わせて、その方向に合致するように自分の「動き」を決める ・ライフスタイルはだいたい6歳から10歳までにその基本的「動き」が形成される ・ライフスタイルを変えるためには、まず自分のライフスタイルを確認する必要がある 6.1 “ライフスタイル”とは何か今回は、「”ライフスタイル”とは何か」というトピックです。 私たちが他の人たちを理
今回のポイント ・アドラー派のセラピストは、その人のライフスタイルを「早期回想」を手掛かりにして明らかにする ・早期回想とは、その人の思い出せるもっとも最初の頃のエピソード記憶 ・そこにはバイアスのかからない形でその人のライフスタイルが投影されている 7.1 “早期回想”とは何か前回、ライフスタイルの説明をしました。自分のライフスタイルは、それがどんなものであるかを自分自身がわかってさえいれば、それを変えていくことも可能であると言いました。では、自分のライフスタイルはどのよ