3. “勇気”とは何か
今回のポイント
・ライフタスクでの対人関係の問題がやっかいであるのは自分一人の問題ではないから
・共同体感覚にしたがって決断し、行動するために必要なのが勇気
・共同体感覚とは、自分の行動がより大きな共同体のためにもなるように行動しようとする指向性
・そのためには自分が何を目指しているかを相手に伝え、相手が何を目指しているかを聞き出し、それらの中に一致点があるかどうかを話し合うこと
3.1 “勇気”とは何か
今回は「”勇気”とは何か」というトピックです。
人はそれぞれに人生の課題を宿題のように与えられています。それをライフタスク(Life task)と呼んでいます。ライフタスクは大きく分けると、仕事のタスク(Work task)、交友のタスク(Social task)、愛のタスク(Love task)の3つです。これら3種類のタスクにおいて、いつでも現れるのが対人関係の問題です。
なぜ対人関係の問題がやっかいかというと、自分一人の問題ではないからです。もし自分が未熟だったり、不完全であったりしても、それは努力したり、自分を訓練したりすれば問題ありません。いずれうまくいくでしょう。しかし対人関係の問題は相手がいる話ですので、自分だけががんばってもうまくいきませんし、相手を変えようと思っても困難です。うまくコミュニケーションをとることが解決策ですけれども、そもそもうまくいっていない相手と話し合うことさえ不可能かもしれません。
そうなると、相手を攻撃したり、非難したり、あるいは逆に自分が傷ついたように見せて相手をコントロールしようとするかもしれません。そうなると相手との関係を破壊し、また、双方が所属している共同体に破壊的な雰囲気をもたらすでしょう。これはライフタスクの解決法としては良くありません。そうではなく共同体感覚にしたがって決断し、行動することが必要です。そのために必要なのが勇気です。
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