【読書感想文】 『現代振り飛車の絶望、そして希望』を読んでみた!
こんにちは。はじめまして、指す将のこぎつねです。今は先手で四間飛車、後手で雁木をメインに指していますが、かつては選択率100%の純粋振り飛車党でした。
最近あらきっぺさんが書かれた『現代振り飛車の絶望、そして希望』という本を読んだので、先手四間飛車党の視点から内容をまとめてみます。
◎ 書籍名
あらきっぺ (著),『現代振り飛車の絶望、そして希望』, マイナビ出版 (2023/12/21)
1. キーワード
先手四間飛車党としては、キーワードは次の5つです。
① 位置エネルギー
② 囲いの後出し
③ 急戦への対応
④ 居飛車穴熊
⑤ 長期戦
それぞれのキーワードの気持ちは、次のとおりです。
① 飛車・角・桂馬のポテンシャルを最大限に活かすことを意味するキーワード。エリアR (飛車がいるエリア) とエリアK (玉側) でのどちらの戦いを選ぶかによっても決まります。
② は振り飛車から局面を良くしに行く気持ちがあり、後出しによって、相手の囲いを崩しやすい囲いに振り飛車側が選ぶことを意味しています。囲いのバリエーションとして、例えば美濃囲い以外では、ミレニアム、金無双、雁木が挙げられます。
③ は初速の速さの原理から有力な戦法である居飛車急戦に潰されないよう工夫する必要性を説いています。可能なら、相手からの攻めを反発力のある受けによって逆用し、飛・角・桂の位置エネルギーを上げてカウンターを決めることを目指します。
④ 居飛車穴熊は理論上、振り飛車に対する最強の布陣です。また、組んでいる途中で急戦にシフトチェンジできる点も非常に厄介で、現代振り飛車の絶望の1つと言えます。 それで、居飛車穴熊への対策を決めておくことが望ましいです。
⑤ 対抗形はエリアRでの戦いとエリアKでの戦いの2段階を必ず踏むという特徴を持ちます。そして、駒の削りあいになりやすいので、囲いの修繕も可能です。それで、振り飛車の将棋は上手に戦えば長期的にできます。長期的になれば、間違える回数は増えます。そうです、振り飛車は長期戦によって逆転をする戦法です!
2. 自分への影響
飛車、角、桂の位置エネルギー (ポジションの良さ) を上げることを目標にしてして序盤を指すことを意識したくなりました。イメージは、次のとおりです。
飛車
居飛車からの目標物にならないようにしつつ、
一番良い位置をポジショニング!
角行
相手の囲いを潜在的に睨む攻め駒。
右桂とコンビで相手の囲いを粉砕!
桂馬
エリアRで取られやすい繊細な駒。
それゆえ、これが捌けたら超アドバンテージ!
また、囲いのバリエーションを増やして、
四間飛車美濃
四間飛車ミレニアム
燿流四間飛車
の3つを指しこなせたら楽しそうです。
急戦は美濃囲いで迎え撃ちます。藤井猛先生の書かれた「四間飛車の急所」シリーズででなんとか互角で乗りきれれば御の字です。
居飛車穴熊に対しては、戦法は優秀そうなミレニアムを選択します。短期決戦・長期決戦のどちらも楽しみたいです。
3. 結論
自分にとって四間飛車は
対急戦には至近距離での撃ち合いのようなスリル
まったり中盤戦では飛車・角行・桂馬のポジショニングを良くする駒繰り
居飛車穴熊にはミレニアムからの角・桂の縦攻め
を楽しみながら、長い、長い戦いにして勝つ戦法!