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アフリカの子供は家庭の仕事をするのが当たり前だから逞しく育つ
僕が2年間住んでいたアフリカ・マラウイ共和国で驚いたことの一つは家族の在り方。
マラウイで核家族は珍しい。ほとんどの家庭は親戚の子供を預かって暮らしていた。
これは、親がエイズやマラリアで亡くなっているから。もしくは、親が出稼ぎのために南アフリカで働いているというケースが多かった。
マラウイの子供の仕事
マラウイの親は子供を養うために毎日休みなく働く。
農業をしながら、自らローカルマーケットで農産物を売りさばく。朝昼晩の食事の準備もしなければならない。
必然的に子供は親の手伝いをするようになる。水汲みと薪集め、そして幼い子の面倒見は子供の仕事だ。
小学校はだいたい正午に終わる。子供たちは家に帰ってきて昼食を食べる。
その後は、幼い兄弟を背中におんぶして井戸からの水汲みを始める。
水汲みが終わるとようやく友達と遊ぶことができる。
しかし、楽しい時間は長くは続かない。
日が暮れる前に薪集めを始めなければならない。森に行って小枝を集める。時には木の枝をナイフで切り落とす。
親は子供だけで水汲みや薪集めをさせて心配にならないのか
マラウイに来た当初、小学生くらいの子供たちが幼い子供を背負って面倒を見ながら水汲みや薪集めをしているのを見て、親は心配にならないのだろうかと思っていた。
だけど、これは地域コミュニティのつながりが解決してくれていた。
親たちは日中、子供を見ることができない。でも近所の人の目が行き届いているから安心なのだ。
マラウイでは地域で子供たちを育てていた。自分の子供でなくても近所のおじさん、おばさんが気にかけて見てくれている。
悪いことをしたら他人の子供でも遠慮なく叱ることもある。
地域コミュニティが一つの家族のような関係になっていた。
家族みんなで協力してメイズを育てて収穫する
マラウイ人の生活は、主食のメイズを中心に回っている。
家族全員で畑を耕して、メイズの種を蒔く。収穫も家族皆で行う。子供も必ず手伝う。
学校よりもメイズが優先。
これを毎年繰り返していくことによって、家族の絆は確実に強くなる。そして、子供たちは自然とメイズの育て方を覚えていく。
マラウイの子供たちは、水汲み、薪集め、メイズの収穫など手伝いをするのが当たり前。
文句を言う子供はいない。なぜなら、手伝いをしなったら家族がご飯を食べていけないことを分かっているから。
日本の子供と比べてみた
マラウイの子供は、責任ある仕事を任せられることによって、家族の一員として認めらてやりがいを感じているのだと思う。
それが、それが自己承認につながっている。
だから、マラウイでは、極度にわがままな子供や引きこもりといった子供がほとんどいないのではないだろうか。
日本の場合、ほとんどの子供は、お手伝いをしなくても何不自由なく暮らしていくことができる。
学校から帰ったらゲームをしたり、部活をしたり、塾に行くことができる。
家庭の中の責任ある仕事を任せられることはない。
まして、子供を極度に甘やかす親も多い。
このような環境だから自己中心的で、極度にわがままな子供がいるのではないだろうか。
最後に
一概にマラウイのように、子供がお手伝いをしなければならない環境が良いというわけではない。
子供の仕事は遊ぶことだから。
だけど、その中で少しでも子供に責任のある家庭の仕事を任せると、子供の自己承認欲求が満たされて、成長につながるのではないだろうか。
何が言いたいのか自分でもよくわからなくなってしまったけど、伝えたかったことは、マラウイの子供はお手伝いを通じて逞しく育つということでした。