5連休で3回「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を見た俺は「浪速のスターロード」と言えるのだろうか。
直接的な本筋には触れないつもりですが、
映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」のネタバレ要素が若干ございます。ご注意くださいませ。
GWの“G”は、なんの“G”だとお思いで?
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはお好きですか?」
脳内の赤木晴子が言った。
俺は答えた。
「大好きです。“浪速のスターロード”ですから。」
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祝日と土日が重なり輝かしい連休となる5月の第1週のことを、先人たちは黄金に例えた。
俺もそれについては何の異論もなく、「ゴールデン、ゴールデン。いいじゃない、いいじゃない」と脳内でリフレインするなどしながら、毎年この大型連休をグータラと過ごしていた。
しかし、今年ばかりは様子が違う。
だって黄金なんかよりも遥かにキラキラと輝く、スーパーアルティメットウルトラベリーベリー尊い物語がこの世に放たれたからだ。
そう、俺は5/3に公開された映画、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3の話をしている。
俺は、感動した。
「感動した!感動した!」と貴乃花関に声をかけた小泉純一郎氏など比べ物にならないほど、俺は感動した。
見終えた後、あまりの興奮でスタンディングオーべションをしながら、隣の見ず知らずの大学生と熱い涙のキッスを交わし、誰よりも愛してるなどと歌唱しながら、歓喜の河内音頭でも舞い踊りたくなるほど感動した。(そんなことはしていません)
そう、その瞬間、俺の「ゴールデン・ウィーク」否、「ガーディアンズ・ウィーク」が幕を開けたのである。
結果、5/3〜7までの5連休で、劇場で3回、この作品を見た。
これは、30歳、独身、恋人なし、実家暮らし、鼻をほじりながら音楽を聴き、映画を見、「アパパ、アパパ」と叫びにならない叫び声をあげることしかできない、クソオタク野郎による、魂と、銀河を揺さぶるドキュメントである。
(映画レビューとかじゃないっす、すんません)
みんなこう言うよね、「暇なん?」って。
「映画すっか、まぁ年間200本くらい、学生の時は500本くらい見てましたね」
そう言うと、薄ら笑いを浮かべながら、こう答える輩がいる。
「え?暇なん笑??」
うっせーよバーカ。趣味を追うことに忙しいんだよ、こっちは。
テメェの生活観と一緒くたにしてんじゃねーよ。
バーカ、バーカ。
みなさん、大型連休は旅行ですか?バーベキューですか?
知らねぇよ。こっちは映画館で同じ作品3回も見てんだよ。
旅行なんてしてる暇ねぇんだよ。
旅行なんて、、旅行なんて、、、。
そんな多忙を極める俺が、なぜガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3を3回も劇場鑑賞したのか。
ざっくりと以下に3つの理由を記す。
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①ムチャクチャおもしれぇから。
いや、これっすよね。結局。
もともと大好きな映画シリーズではあったのだけれど、想像を遥かに超えてきた。
たくさん映画を見てきたけれど、「エンタメ映画」にここまで心を揺さぶられたことがあっただろうか。
ジェームズ・ガンのあまりのセンスの良さ、思い返すだけで心がギュッとなる。
②大阪コミコンに行ったから。
コミコン、祝大阪で初開催!
正直来日するスター俳優もそんなに好きな人いないし、人多そうだし、付き添ってくれるマイメンもいないし、行くか悩んでいたのだけれど、映画ファンとしてのプライドが俺を突き動かし、行った。
めっちゃ楽しかった。
ガーディアンズ1回目鑑賞の翌日に行ったこともあり、テンションあげぽよ、普段一切携帯のカメラを起動しない俺だけれど、気づけばパシャパシャとアホヅラ下げて写真を撮りまくるなどしていた。
お目当てのガーディアンズブースでは、リピートで流されている予告編の映像を見て、ズルズルと失恋2秒後の専門学生のように泣きじゃくっていた。
コミコンで参加者たちの熱量を浴びたことが、リピート鑑賞のブーストになったのは間違いない。
③いや、劇場でめっちゃやってるから。
そう、3日に公開されたばかりなので、大手シネコンでは1日、6〜7回ほど上映している。
例えば音楽のライブであると、それは一回きりのもので、どれだけ余韻が襲おうと、繰り返し見ることは不可能。
その点、映画っちゅうのは良心的で、一定の期間であれば毎日公開されている。
だから自分のスケジュール帳と映画のタイムスケジュールさえ合えば、気軽にリピートすることができる。
そう、要するに暇やったんです。暇やったんです、私。
ほんとは旅行とか行きてえよ。
当たり前だよ。
年間映画200本見るヤツなんて、暇人に決まってます。
南無。
一つとして 同じ“G”はないから
同じ映画であっても、映画館で繰り返し見ると、視点が変わったり、お客さんのノリが違ったりして面白い。
どれも特別なオンリーワンの思い出になりました。
ちょっとそれぞれ比較してみる。
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【1回目】 5/4 @TOHOシネマズなんば/スクリーン9 20:35〜
そんなにデカいスクリーンではない。連休ど真ん中ということもあり、レイトショーながらキッズも多め。
安定の真ん中通路側を確保。隣の大学生らしき青年は、「今ラマダーン明けたとこなんか!」とツッコミたくなるほどの勢いでポップコーンを貪っていて、ちょっと腹が立った。
結果、号泣。当たり前だけど、一番泣いたのはこの回。
ただ、事前情報はほぼシャットアウトしていたので、「次はどの曲が流れるんやろか」とか「これ誰の曲やったけー?」など、音楽好きならではの反応をしてしまい、ややストーリーを追いかけきれない瞬間があったりもした。
ちびっ子が多いのもあって、常に笑いの絶えない温かい劇場だった。
【2回目】 5/5 @TOHOシネマズなんば/スクリーン3 21:05〜
会員ポイントが貯まっていたので、0円で鑑賞。
「ありがたや、ありがたや」とリップシンクでサンキュー念仏を唱えながら劇場へ。
劇場は前日とほぼ同じ、シネコンにしてはコンパクト。
ほぼ満席でした。
結果、号泣。余裕を持ってストーリーを追えることができた気がする。
くるぞ、、くるぞ、、キタァーーーー!!
って感じでフレーミング・リップスのドゥ・ユー・リアライズを待ち構えてた俺。
少し口ずさむなどしていました。(激キモ)
オーディエンスは前日よりやや重ためで、笑いの量は少なかった印象。
【3回目】 5/7 @なんばパークスシネマ/シアター8 20:20〜
連休最終日のレイトショーとあって、流石に満員御礼とはならず。
ただど真ん中に、陽気な外国人御一行(THE アメリカ人的な趣の方々)が鎮座。
彼らが予告編の段階から喋る喋る!
よくもまあそんな話すことありまんな。と感心してしまうほど喋る。
声も大きくて正直うっとうしかったけれど、いざ映画が始まると、ひとつひとつのボケに爆笑でリアクションする彼らのお陰で、劇場の雰囲気はだいぶよくなっていたのは事実。
笑顔が伝播する感じ、素晴らしかったです。
日本人と外国人で笑いのポイントが違うのも興味深かった。
スタローンが登場した瞬間、外国人御一行は爆笑。
スタローンが大好きな俺は、「え、スタローンってアメリカでは出てくるだけで面白い、こっちで言う伊藤英明的な存在なん?」と思ってちょっとショックだった。
伊藤英明はおもしろ俳優だよな。
彼らは、俺にとっての「ガーディアン」でもあるのだ。
俺は音楽がめちゃくちゃ好きだ。
中学時代、Mr.Childrenの影響で(今でも大好き♡)音楽に夢中になり、お小遣いやお年玉はほぼCDに使う。ブックオフの500円アルバムコーナーの常連になる。
高校生の頃は昼食を抜き、昼食代として支給されたお金を貯蓄し、天王寺のHMVに行きCDを買うのが生きがいだった。
海外の音楽と出会い(入り口はマルーン5でした、、笑)、バイトも始めた暗黒の大学時代。バイト代はほぼ全てCDに注ぎ込み、サマソニなんかにも行くようになった。
社会人になった今でも週末はレコード屋でディグ、所持するCD &レコードは、のべ3000枚を超えた。すっかりサブスクづいてはいるけれど、年間10万時間ほどSpotifyで音楽を再生しているらしいです。
俺はずっと一人だったけれど、音楽があったから、孤独ではなかった。
俺は、映画がめちゃちゃ好きだ。
大学時代、当時好きだったアレキサンドロス(その時はシャンペインです)の川上洋平さんが音楽雑誌MUSICAに寄稿していた映画連載の影響で、「ハングオーバー!」シリーズにハマり、そこからは映画漬けの日々を送る。
大学時代は年間500〜600本、社会人になった今でも200本は必ず見る。
俺はずっと一人だったけれど、映画があったから、孤独ではなかった。
めちゃくちゃ勝手な推測でしかないけれど、たぶんジェームズ・ガンもこんな感じのオタクなんだと思う。
でないとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーみたいな映画は撮れないぜ、絶対。
音楽と映画に夢中な少年が作り上げた、最高のロックオペラ。それが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなのだ。
音楽を題材にした映画はたくさんあるし、ジョン・カーニーとか、キャメロン・クロウとか、リチャード・リンクレイターとか、マーク・ウェブとか、音楽の使い方に長けた才能溢れる映画作家もたくさんいる。
ただ、音楽が人にもたらす影響を「銀河系規模」で描いているのは、間違いなくガーディアンズ・オブ・ギャラクシートリロジーだけだと思う。
俺がこのシリーズに夢中になる理由はそこにある。
音楽に救われた主人公が、世界を、宇宙を、銀河を救う。
こんなに美しい物語がこの世にあるだろうか。
音楽と映画を心から愛してきた俺のような人間にとって、この映画への感情移入はハンパではないのである。
自分の好きなモノと好きなモノがクロスオーバーした瞬間、こんなに幸せな気持ちになれるのか、、。
この映画を見ていて、俺はそんなことを思う。
このシリーズを見てからというもの、音楽を好きな自分が誇らしく感じる。
イヤホンを装着し、プレイリストを再生した瞬間、気分はスターロード。
こんな俺でも、誰かの人生や生活を救うことができるかもしれない。
そんなサッブい妄想まで抱いてしまう。
うん、この映画はやっぱりオタク賛歌だと思う。
ジェームズ・ガンがガードしてくれたのは、俺たちオタクの心なのだ。
劇中で使用された楽曲のプレイリストをそのまま再生するような、そんな野暮なマネはしない。
今日も、俺は自身でお気に入りのプレイリストを作り、「浪速のスターロード」にでもなったつもりで、社会の荒波に立ち向かう。
愛してる!アイラビュー!サランヘヨ!ジュテーム!ウォーアイニー!
何言語で愛を伝えても、伝えきれない。
やっぱりこの言葉が一番しっくりくるな。
Come and Get Your Love!!!