一時的な早口の原因!早口2
Bonjour! 今回から具体的にどうやって早口を治していけばいいのか解説していきます。
前回、早口が治らないかなーって気軽な気持ちで検索しているような、本格的なボイトレは受けたくないけど早口は治したいって思っている、そんな普通の人の早口を治すためのいい方法はないかを解説しますよ。ってところまでお話しました。
2種類ある早口の内、一時的な早口について考える
まず、早口には大きく二つの2種類あります。
大きなプレゼンの前など、ある特定の場合にだけ早口になる「一時的な早口」と、普段からいつも早口な「慢性的な早口」の2種類です。
それで、それぞれに早口の対策も原因も違うと思うので、今回はまずは簡単に解決できそうな、「一時的な早口」について考えてみようと思います。
一時的に早口になるときってどんなときでしょうか?
大きなプレゼンのときとか、知らない人と話すとき、あとは告白するときとかは早口になる人が多いんじゃないでしょうか。
これらの一時的な早口になるときには、ある共通点があります。
どれも緊張して、ちょっと呼吸が浅くなるんです。
だから、呼吸を深くしましょう、といってしまうと、前回お話しした大変な練習が必要って話になってしまうので、そのアプローチ以外でもっと普通の人も早口を治すいい方法はないんでしょうか。
それで考えたんですけど、呼吸ではなくて、緊張をなんとかしやれば、一時的な早口はある程度抑えられるんじゃないかって思い付いたんです。
いや、僕もボイストレーナーですから、呼吸の大切さは知っています。でも、呼吸を深くする練習は難しくて、誰でも気軽にはできないと思っているんです。でも、「緊張」にアプローチする方法なら、このコラムを読むだけでもある程度。治すというか付き合っていく方法を提示できると思うんです。
そんなわけで、緊張とどう付き合って、早口を治していくのか考えていくことにしましょう。
緊張の役割について考える!
そもそも、緊張の役割って何だと思います?
普通緊張って、悪いイメージに捉えられてますよね。緊張すると、身体がこわばって、心臓がドキドキして、いつものことがいつも通りできない状態になりますね。あなたも緊張で失敗したことは、一度や二度ではないでしょう。
例えば、緊張しているときは、普段よりも余計な事が気になります。
大勢の人の前でプレゼンをするときは、慣れない言葉遣いと、大勢の人に見られているという状況に。
知らない人と話すときは、この人どんな人だろう?僕のことどう思ってるんだろうか?気に入ってもらえるかなー?
愛の告白するときは、大好きなみっちゃんにうまく思いを伝えられるかな?振られたらどうしよう?
などなど、今まで練習してきた通りにしゃべればいいだけなのに、余計な事が気になって、いつも通りにできなくなりますよね。一人でシュミレーションしながら練習しても、その場でしかわからない、体験できないことが山の様にあるので、そのことに気が取られちゃうんですよね。
で、ちょっと話は変わって、僕は声うらないって言うのをやってるんですけど、たくさんの人の声を聞きながらぼんやり思っているのは、あらゆる物事って、なるようになっているんだなーと言うことです。
声うらないに興味がある方はこちらの記事をどうぞ
https://note.com/koetokotoba/n/na1ab3c7fe672
それで、緊張するっていう能力も、長年、人類が進化しながら獲得した能力のはずです。無駄なわけがないんです。
僕の考える緊張と言うのは、今大変な状況ですよ!非常事態ですよ!!と、からだ中の細胞達に緊急警報が出されて、みんなで大変だ大変だってなって、各部位の能力が最大限に発揮できるように体制を整えるんですが、慣れないことをすると、心臓だけが頑張りすぎちゃったりとか、他の器官との連携が追い付かないとか、そんな理由で、うまく動作ができなくなる状態のことを言っていると思うんです。
それでプレゼンとか告白とかのイザ本番ってときには、ただでさえ慣れてないことをやるわけですから、もう始めからいっぱいいっぱいなのに、更にイベントの最中に他のことが気になって、そっちを気にしているうちに、更に心臓がどきどきしたり、身体中大変になって、なんかついでに呼吸も浅くなって、早口になってしまうというのが、早口の原因なんです。
という事はつまり、緊張しなければ呼吸は浅くならないので、早口にもならないわけですから、緊張しなければいいんです。
じゃあ、緊張しないなんてできるんでしょうか。
できないですよね(笑)。
緊張を味方に付ける方法!
毎日同じことを繰り返し練習しているプロのスポーツ選手だって緊張するっていいます。緊張するような場面を想定して、365日毎日練習し続けているプロスポーツ選手でも緊張するんですから、僕らのような普通の人は到底、緊張しないなんて無理だと思います。でも、スポーツ選手はその緊張を逆にうまく味方につける方法を心得ているんです。
ルーティンて聞いたことあります?
そうです、スポーツ選手が大事な場面でやる、アレです。
ちょっと前ですが、ラグビーの五郎丸選手がやってるルーティンがかっこよくて話題になりましたね。で、アレに意味があるんですか?って質問に五郎丸さんははっきり「意味はありません」って言ってました(笑)。
でも、やってるんだから、なんか意味あると思うんですよ。皆さんは、なんでアレやってるんだと思います?
僕は、試合の流れを決めてしまうようね緊張する大事な場面でも、毎日の練習通りに身体が動くようにするためだと思っています。いつもと全く同じ手順で身体を動かし始めることで、余計な考えや感情が身体に入ってこないようにするために、ルーティンをやっているんだと思っています。
なのでルーティン自体には何か強い力が出るとか、距離を測るとかって意味はないんですけど、ルーティンをする事でいつもと同じことができるようになる確率を上げていると思うんです。
で、一時的な早口、つまり緊張から来る早口を、本格的なボイストレーニングとか滝修行をせずに、お手軽に直したい人は、ルーティンを導入することをお勧めします。
でも、愛の告白をする前に、五郎丸選手のポーズをしたら、単なる変人になってしまうので、声とことばの専門家として、誰でもこっそりできるルーティンを、次回お伝えしようと思います。
お楽しみに!!
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