イタリアから日本の学校に転校したら地獄じゃね?
【学校って何なの?イタリア編】
ホームエデュケーション(不登校)について書いたnoteの投稿を見て、イタリア在住の友達がFacebookにコメントをくれました。この友人はローマに移住して建築をやっていて、有名な建築家レンゾ・ピアノと仕事をしたりもしている、世界的に活躍している人です。
その、友人Kiriのコメントは、こう。
「日本とイタリアの学校の違いは、ずばり言うと、校則がないこと。イタリアにはちゃんと社会における法律や規則があるからわざわざ別に校則なんか作る必要ない、てのが、旦那に1度、「なんで校則がないのか」聞いたら返ってきた返事」
うーむ。ごもっとも!
さすがローマ帝国以来の成熟度?
名言やな、これ。
もう1度しっかり、ゆっくり声に出して音読して、お腹に落としておきましょう。「声に出して読む日本語」!
「社会に 法律や 規則があるから、校則は 作る 必要ない」
これに「コメント返そう」と思ったらすぐ、さらに長いコメントが届いた。ピン(着信音)。
「公立校の話だけど、制服無し、化粧もしていいし髪染めてもモヒカンでも誰も何も言わない。中学になると学生証みたいなものが渡されるけど、欠席、遅刻、早退届用で、その都度親のサインが要るけど、まあなんだかんだ言って自分で親のサイン真似て出してるわ。成人が18歳で、修学期間が日本より一年多いから高校最終年はほとんどが成人。だから出入りも学生証要るけど実際には自己申告制。欠席数が増えると単位に響いてヤバくなるのは自己責任。」
日本とえらい違いです。最近「ブラック校則」という言葉ができましたね。ルールで押さえつけようとする日本の学校。「自己責任」という言葉だって本当はこういう自由を前提にして使う言葉だよなぁ。日本じゃダブルバインド地獄だもの。しみじみ。「自粛」を「要請」とか、もう言葉が死んでるしね。
不登校で悩んでいる子どもも親もイタリア移住考え始めそうですね、これは。最近の調査で不登校は44万人いると言われています。(ちなみにひきこもりは115万人と。)
日本に校則が無い学校はあるのでしょうか。あるそうです。Twitterでこの話をつぶやいたら、ある国立の学校を卒業した方から「校則なかったよ」とのリプをいただいた。「制服はあったけど、丈直しとかの着こなしは自由、靴下や通学靴の規定なし、ヘアアクセサリー含め髪型自由、だったな。校風は『質実剛健』。」
実は今、国立でない公立でも校則を無くした学校が出てきています。
イタリアの学校についてもっと詳しく知りたくなり、さっそくオンラインで話を聞かせて♪と友人に依頼すると快諾してくれた。ここのところZoomミーティングやらでオンラインにすっかり慣れてきたもんね。時差を計算して時刻を決めた。
Kiriとは帰国した折に何度か会って近況は話したことあったけど、教育問題について語り合ったことはなかった。
日本は夜、ローマはお昼。ローマの青空を見ながら話は尽きることがなかった。一部をまとめてみる。
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【イタリアの教育について】
「小さい時から家庭でのしつけはけっこう厳しい。たとえば、レストランに行って食べる時は、テーブルを離れてはいけないとか親からちゃんとしつけられて身についていく。たとえば、幼いうちはきょうだいでケンカしてしまうということが無い訳でないけど、それでもテーブルから離れて立ち歩くということはない。
しつけはある程度大きくなってからしようとすると大変。小さい時にしておく方がいい。そもそもしつけないといけない大事なことはそんな多くない。」
「親が人前で子どもを叱るのに大きい声で怒鳴るといったことはしない。近くに連れてきて話して聞かせる。」
「学校には運動会も参観日もない。」
「イタリアでは学校に校則というものは基本的にない。小学校からそう。
中学校の年齢から女の子は化粧したり髪を染めたりミニスカートを履いたりする。それはおしゃれの一環として問題ない。」
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うーむ・・・。羨ましい。どうして日本では、ブラックな校則を些末なレベルまで決めて守らせて怒鳴ったり叱ったりしてレッテルを貼って貶めたりするの?
みんながそうしているから?
当たり前だと思ってるからじゃないのかな、と最近の私の問題意識と重なります。学校以外の事も興味深かったです。続き。
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【教育以外でイタリアと日本の違いとして思うこと】
「もし道で倒れるようなことがあったとしても倒れる前に絶対誰かが助けてくれるっていう安心感がある。それが日本には無い。」
「日本だったら何も考えなくて済むようなことも、ケースバイケースで話し合ったり時間がかかる。法律もそうなっている。日本は何でも「これはこう」「それはこうするのが正しい」とかすぐに決めてしまって楽だけど。」
「日本ではレッテルを貼って貶めることが多い。メディアからしか見てないけれど最近特にそう感じる。イタリアではそういうことはない。ケースバイケースだよね、となる。」
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レッテルを貼って貶めることがない。教育だけじゃない。いろいろつながっている。
目を閉じて想像してみます。
校則が無くて生徒の自主性に任されている学校。
厳しい校則で生徒を抑えつける学校。
子どもをどちらに行かせたいかなぁ。
これを読んでくれた人に、「イタリアはすばらしい。日本はダメだ。」みたいな単純な話にしたいのではないと最後に言っておきたい。
イタリアの学校と日本の学校。この違いはどこから生まれたのか、この違いが何を生んでいるのか、もっと調べてみたい。この10年ほど教育と社会の問題について研究し続けています。外国との比較、もう少し掘っていこうかな。外国語を学んだり、異なる社会について学ぶ意味はこういうことにあるなあと改めて思う。当たり前と思っていることを見つめ直す、きっかけをくれる。
外務省のホームページに「諸外国・地域の学校情報」というページがあり、イタリアにおける教育の基本情報を概観できます。そこにも書いてあります。
「通常、文書化された校則や制服はなく、子供の自主性に任されている。」
最後に。Kiriの話の番外編。おまけに。
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「最近の日本について思ったこと」
「最近帰国した時に思ったことは、外食が醤油甘辛味ばっかり。それも濃い味の。」
それな!
激しく同意!!
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