大阪市北区堂山町傷害被疑事件第3回口頭弁論 8
弁護側大川直樹証人検察官尋問ほか
検察官B「検察官のヤマサキからお聞きします。証人の身長と体重はどれぐらいですか。」
大川直樹「身長182センチメートル、体重は120キロです。」
検察官B「何かスポーツはなさっていたのですか。」
大川直樹「ラグビーをやっていました。」
検察官B「それはいつまでですか。」
大川直樹「中学3年までです。」
検察官B「差別主義者と話がしたいと証人がおっしゃって、伊藤大介さんが電話をかけたわけですね。」
大川直樹「はい。」
検察官B「電話をかけたのはタクシーのなかということでよろしいですね。」
大川直樹「はい。」
検察官B「伊藤大介さんがかけていた相手は誰か分かりましたか。」
大川直樹「酔っていたのでわかりませんでした。」
検察官B「電話の状況はどんな感じでしたか。」
大川直樹「うつらうつらしていてわかりませんでした。」
検察官B「次の記憶はJフラッグの前ですか。」
大川直樹「はい。」
検察官B「そこで誰かを待っていたという記憶はありますか。」
大川直樹「はっきりとは覚えていません。」
検察官B「その後荒巻さんが近づいてくるわけですが、声を聞いて荒巻さんだとわかりましたか。」
大川直樹「いきなり怒鳴り声で誰かわかりませんでした。」
検察官B「荒巻さんとの話はあなたから行いましたか。」
大川直樹「いいえ。」
検察官B「荒巻さんとのやり取りの記憶として残っているのはどのようなものですか。」
大川直樹「一言二言ぐらいです。」
検察官B「具体的には。」
大川直樹「はっきりとどういうやり取りをしたとかは覚えていません。」
検察官B「現場では何をしていましたか。」
大川直樹「伊藤さんと荒巻さんのやり取りを聞いていました。」
検察官B「その後で覚えていることは。」
大川直樹「伊藤さんが『こいつナイフ持ってる』と行ったのは覚えています。」
検察官B[その時に荒巻さんに何か話しかけましたか。」
大川直樹「はっきりとは覚えていません。」
検察官B「『俺も朝鮮人じゃ』とは言いましたか。」
大川直樹「言ったかもしれません。」
検察官B「そして両手でナイフを持っていた荒巻さんの手首を掴んだわけですね。」
大川直樹「はい。」
検察官B「伊藤さんは何をしていましたか。」
大川直樹「携帯で動画を撮っていたと思います。」
検察官B「動画を撮りながらどのようなことを言っていましたか。」
大川直樹「はっきりとは覚えていません。」
検察官B「伊藤さんが『刺せよ』と言ったのは覚えていますか。」
大川直樹「記憶には残っていません。」
検察官B「110番をするとき以外の伊藤さんの話した記憶は。」
大川直樹「他に特に覚えていることはないと思います。」
検察官B「伊藤さんに待つように言ったことはありますか。」
大川直樹「ないと思います。」
検察官B「防犯カメラの映像では待つように声かけたシーンがありますが。」
大川直樹「想像ですが、『話をしたい』と言っていたことから自分で荒巻さんと話をしたいからそのような声をかけたことがあったのかもしれません。」
検察官B「荒巻さんが『殴ったな』などと言ったことは覚えていますか。」
大川直樹「いいえ。」
検察官B「伊藤さんは動画を撮り始める前に荒巻さんを殴ったわけですか。」
大川直樹「それはわかりません。」
検察官B「荒巻さんがナイフを持つ手の手首を両手で掴んだ後はどうなりましたか。」
大川直樹「もみ合う形で倒れこみました。」
検察官B「荒巻さんはその後ナイフをどうしましたか。大川さんの方に向けてきましたか。」
大川直樹「力を押す方向が変わったので自分の方にナイフを向けようとしているのだなと思いました。」
検察官B「その位置関係ですが、荒巻さんの右手の手首を掴んだ体勢はどのようなものでしたか。」
大川直樹「はっきりとは覚えていません。」
検察官B「ナイフを向ける力の入れ方が変わったとおっしゃいましたが、体のどこかにナイフが触れるということはありましたか。」
大川直樹「なかったと思います。」
検察官B「伊藤さんは110番の後どこで何をしたか記憶は残っていますか。」
大川直樹「ナイフを持つ右手を押さえるので精一杯で、伊藤さんが何をしたかは覚えていません。」
検察官B「荒巻さんと路上で倒れこんだということですが、位置としては証人は上になりましたか、下になりましたか。」
大川直樹「それについてはわかりません。」
検察官B「袈裟固めのような状態になったと聞きましたが、荒巻さんはこの状態のときにうつ伏せだったのでしょうか。」
大川直樹「仰向けでした。」
検察官B「最終的にそのような体勢になったとして、それまでどのような動きがあったのでしょうか。」
大川直樹「わかりません。」
検察官B「転んだ状態だったわけですが、位置として荒巻さんの手前にいたのか後ろにいたのか、横にいたのか、どのような位置関係だったのでしょうか。」
大川直樹「わかりません。」
検察官B「二人でもみ合って転んだ後ですが、荒巻さんの体勢はどうでしたか。」
大川直樹「わかりません。」
検察官B「現場には通行人はいましたか。」
大川直樹「はい。」
検察官B「証人はナイフを持った手を押さえているだけだったということですか。」
大川直樹「はい。」
検察官B「通行人とのやり取りはどうでしたか。」
大川直樹「よく覚えていません。」
検察官B「通行人がいると気付いた時点ですが、周りを見てわかったということでしょうか。」
大川直樹「抑え込んだ後、見たら通行人がいることに気が付きました。」
検察官B「荒巻さんの手にナイフはありましたか。」
大川直樹「持っていると思いましたが、通行人がナイフをどけていました。」
検察官B「ナイフがあったかどうかの記憶ははっきりしませんか。」
大川直樹「はっきりしません。」
検察官B「ナイフを持っていたか、持っていなかったかは気になりませんか。」
大川直樹「必死でした。」
検察官B「警察に荒巻さんを引き渡した後、当日以降のことについてお聞きします。」
大川直樹「はい。」
検察官B「検事の取り調べがありましたね。」
大川直樹「はい。」
検察官B「令和2年12月25日の証人と被告人とのやり取りはどうでしたか。」
大川直樹「刺されたという話をしてほしいというものでした。」
検察官B「どう答えましたか。」
大川直樹「見ていないのでそう答えました。」
検察官B「荒巻さんが伊藤さんを刺すシーンは見ていないということですね。」
大川直樹「はい。」
検察官B「終わります。」
神原元弁護士「弁護人の神原からお聞きします。荒巻さんがナイフを持っていたかどうかについてははっきりしないということですね。」
大川直樹「ナイフを持っていると思いましたが、通行人からナイフはもう持っていないと言われました。」
神原元弁護士「どの時点まで持っていると思ったのでしょうか。」
大川直樹「荒巻さんを押さえていて野次馬が来るまでです。」
神原元弁護士「荒巻さんの手の甲を握っていましたか。」
大川直樹「いいえ。」
神原元弁護士「それはなぜですか。」
大川直樹「ナイフに近くて危険だからです。」
神原元弁護士「終わります。」
裁判長「裁判官の奥山からお聞きします。押さえた最後の場面ですが、手には血がついていましたか。」
大川直樹「わかりません。」
裁判長「服には血がついていましたか。」
大川直樹「家に帰ったら服に血がついていました。」
裁判長「それはどこですか。」
大川直樹「上着です。」
裁判長「荒巻さんとのやり取りの中で血を出すようなケガをしましたか。」
大川直樹「口をちょっと切って手の甲をすりむきました。」
裁判長「すりむいた手は右手ですか、左手ですか。」
大川直樹「覚えていません。」
裁判長「終わります。休憩をとって午後2時40分から再開します。」