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ロフトプラスワンウエスト「もっと真ん中で」上映&トークショー 2 ~北新地大学院生リンチ事件の最大の謎の一つが明らかになった日~

映画に登場していた野間易通さん

 ロフトプラスワンウエストで上映された映画「もっと真ん中で」にはいわゆる「反ヘイトスピーチ裁判」について触れる場面が多く見られました。その中で重要であると感じたものはレイシストをしばき隊の創設者にしてC.R.A.C.の代表者である野間易通さんの登場する場面でした。野間易通さんはいわゆる「反ヘイトスピーチ裁判」の報告会でこう述べながら涙ぐんだのです。

「基本的に、まあ、勝って当然の裁判ですけれども、この裁判を煽ったのは僕なんですね。それで、最初、あの、原告側尋問聴いたときに、本当にちょっと、大変なこと煽っちゃったなと本当に思いました。それで、(涙ぐむ)(嗚咽気味に)あの、まあ、あの、しんどいと思うんですけれども、えー、応援しますんで、是非最後までたたかってほしいなと。」

 この場面を観たときに北新地大学院生リンチ事件の最大の謎の一つが解けたように感じました。

北新地大学院生リンチ事件で「自爆」ともいえる誹謗中傷を行った野間易通さん

 北新地大学院生リンチ事件の最大の謎とは、野間易通さんの被害者に対する誹謗中傷でした。野間易通さんといえばカウンターで直接対峙した人物が川東大了さんや神鷲御國会の清水勇祐さんなど暴行を受けるような危険性のない人物であることが多く、自らの身を守る術に長けているという印象を持っていました。レイシストをしばき隊の実質的なトップであり、C.R.A.C.の代表者である野間易通さんが危害を受けるような場面で表に出る必要がありませんし、逮捕などの危険性を考えると出てはいけないという考えはもっともであり、このような姿勢は決して非難されるべきものでもないと思います。ただ、そのような野間易通さんが「自爆」に等しいリンチ被害者への誹謗中傷をなし、民事訴訟で訴訟代理人もつけず、第一審で仮執行宣言がなされているにもかかわらずそのための対策をまったくなしていなかったという点は理解に苦しむものでした。
 ただ、映画「もっと真ん中で」の中での野間易通さんの場面を観れば、野間易通さんが激情の人であることがわかります。いわゆる「行動する保守」の標的となっている李信恵さんの境遇への感情移入か、カウンターの中でともにたたかった李信恵さんへの仲間意識かもしれませんが、野間易通さんは李信恵さんを追い込もうとするリンチ被害者に一言言わざるを得なかったのだと感じました。そして、その激情というものは主君である織田信長の仕打ちに対して本能寺の変で信長を討ったものの、その後どのように天下を取るか全く考えていなかった明智光秀のように後先を考えない言動としてあらわれたのだとも思いました。
 映画「もっと真ん中で」の評価については、野間易通さんや安田浩一さんなど李信恵さんに近い人物や李信恵さんの裁判費用のカンパをなした人物からなされると思いますので彼らに委ねますが、北新地大学院生リンチ事件の最大の謎の一つを解くヒントを与えてくださったことに心から感謝したいと思います。