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頑張る方向性を提案できているか?

この記事は1,753文字あります。個人差はありますが、3分〜5分でお読みいただけます。

今日はnoteの連続更新122日目です。noteのほかに、Voicy(音声配信)もしておりますので、ぜひ併せてご活用ください!

今回のテーマは「頑張ってもらうことはあっていい。でも、そう思うえる提案ができているか」です。それではどうぞお付き合いください。


合理的配慮?

発達障害に限りませんが、障害福祉の現場では「合理的配慮」という言葉があります。

これは、それぞれの方の特性に合わせて、可能な範囲で必要な調整をしていきましょうねということです。ただ、何でもできるわけではなくて、事業所側にとって過重な負担となるものはできないというルールがあります。

例えば。

聴覚過敏のある方に対して耳栓などの使用を認めるのは過重な負担ではないかもしれませんが、人との動線を極力分けるためにエレベーターをつけて欲しいというのはちょっと難しいという感じです。

支援者側が頑張るだけで、当事者側は何もしなくてもいいの?頑張らなくていいの?

こんなことを聞かれることがあります。


それはそうではありません。

どちらかだけが取り組むのはうまくいきにくいのではないか、車の両輪のようにどちらも必要なのではないか、そんな風にぼくは思います。

それって具体的にどういうこと?

周囲がご本人の特性にあった、現実的で必要な調整をするというのは大前提です。その上で、ご本人に活動してもらうことが大切です。

つまり、「頑張って、努力して!」という励ましではなくて、その頑張りが報われる形に環境を整えていくということが、めちゃめちゃ重要なんです。

例えば。

スケジュールや絵カードを最初からお子さんが自分で用意するのは難しいわけです。なので、最初は、お子さんにあったスケジュールなり絵カードなりを大人が用意します。でも、スケジュールや絵カード使ってもらうのはお子さんですから、それを活用してみるというのがお子さんに頑張ってもらうところです。

コミュニケーション支援システムとして代表的な、PECS®(絵カード交換式コミュニケーションシステム)もそうです。周囲が用意はするけれども、ご本人に使い方を覚えてもらうわけです。

周囲が頑張るのは、ご本人に見通しを伝える方法やコミュニケーション支援として適切なものを用意することです。でも、それをご活用していただくのはご本人ですから、そこはご本人が頑張るところなんだと思います。

就労場面でも。

よく「メモを取るように」と言われることがあります(メモって結構難しいと思うこともあるのですが)。

この時に周囲が頑張ること(調整すること)は、メモを取る時間を設ける、一度にたくさん伝えすぎない(一度にバーっと言われると、そもそもメモが追いつかないので)などでしょうか。

その上で、ご本人にはメモを取るということを頑張ってもらうのだろうと思います。

報連相でも。

よく報連相が大事と言われますが、それがうまくいかないことがあるので困ることがあります。

例えば、タイミングが掴めないという方の場合には、「この仕事が終わったら報告にきてください」と具体的に指示をするのは周囲がすることでしょうか。

そして、そのタイミングで報告に来てもらう、これは本人にしていただくことです。

つまり、周囲が頑張ること、ご本人が頑張ることどっちも必要なんです。

「これならできそうだ」
「これなら頑張れそう」

そう思えるような提案をどのくらいできるかは、もっともっと重要であり必要なことです。

でも、これは特別なことではありません。

「頑張って」と言うだけなら支援者はいらないのかもしれません。

学校の先生やスポーツのコーチ、監督だってそうです。
どうしたら学びやすいのか、より技術がつくのか、それを考え、努力の方向性を伝えていくこと、その役割が必要だから先生や監督、コーチがいるわけです。

スポーツだって、トップクラスの選手にだってそういう役割の人が必要だから、どのスポーツもそうした立場の人がいるわけです。

自分で頑張りなさいじゃなくて、その頑張りの方向性を考えることがとっても大事というお話でした。

補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!

佐々木康栄

災害時に役立つさまざまな情報

被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)

防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)


災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)

災害時の発達障害児・者支援エッセンス

#障害者を消さない(ヘラルボニー)

寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)

代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。

#能登の障害者に届け

能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。

この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。    

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その他お知らせ

オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」

クラウドファンディング

▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。

そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。

ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。

皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。

一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?

セミナー情報

▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」

ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!


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