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高堂つぶやき集。
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2021年7月の記事一覧

「幾年かまえの投稿です」とSNSでだされる写真に本があると「あゝ、あの頃の時分か」と嬉しくなるときがある。酔うと本を人にあげる性分なので、写真の上二冊はどなたかに差しあげたが、いちばん下の本はまだ今もなお本棚にある。おそらくこの時たまたま下に置かれたから、手元に残ったのであろう。

箸の持ち方としては上下とも正しい。ところが、下の持ち方は概して上の方より器用である。これは薬指の集注度合と関係しているのだけれども、それがたしかであると薬指は伸びるのだ。だから、利き腕の差も薬指の伸び縮みに現れ、左右両方とも長く薬指を日常で使えたならば、それだけで一流と視てよい。

過日の茶室には野の花が活けられていた。花器の約2.5倍の高さに花が自然とくれば、花は美しさを増すと云われているけれども、それにしてもその名もなき野の花は美しかった。おそらく外で咲いているときは西洋的な名がついていたのだろう。しかし花器に移された瞬間、名は消え、花が残ったのである。

誰にでも平等にやってくることではあるが、今年一年多くの方が逝き、そしてその輝きを継ぐかのように多くの新しい生命が私のまわりでも多々起こった。あまりに大切なものを失った者が茫然と過ごす一日のなかにも、もう二度と戻らぬドラマが確実に流れている。たまにはアナタ自身を着替えてみるとよい。