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ほんのすすめ

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NPO法人読書普及協会理事長の読書垢。
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記事一覧

『経済の誕生』小松和彦・栗本慎一郎著 | 工作舎

 わずか二日であったが、松丸本舗が復活するというので、懐かしき本を求めた。そのうちの一冊…

KODO
3日前
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『賢人の視点』パウロ・コエーリョ著 飯島英治訳 | サンマーク出版

 コエーリョの『アルケミスト』は170ヶ国以上で読まれ、3億2千万部を突破した旅の物語になる…

KODO
9日前
20

『「幸せなお産」が日本を変える』吉村正 | 講談社+α文庫

 怒り狂ったおじいちゃんが赤裸々に綴った文章が好きだ。  さらに云うならば、日本人なんだ…

KODO
3週間前
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『トリックスターの系譜』ルイス・ハイド著 法政大学出版局

 まみーたこと大澤真美とのご縁は、農業帰りに、ふと葉山の海辺で話そうとなったのがきっかけ…

KODO
1か月前
23

『枕頭問題集』ルイス•キャロル著 | 朝日出版社

 『枕頭問題集』は文字通り、ルイス•キャロルが枕頭で解いた数學の問題ばかりを集めた一冊に…

KODO
2か月前
16

『タフティー•ザ•プリーステス』ヴィジム•ぜランド | SBクリエイティブ

 この手の「引き寄せの法則」を私のような中年男性が讀んでいると、或る種の恥ずかしさを感じ…

KODO
6か月前
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『日本の色辞典』吉岡幸雄 | 紫紅社

 本書は横須賀の古書店で家人が見つけた一冊で、店主があまりに愛した辞典ということで、新本という形で売られていた。吉岡は日本に生まれてきてよかったと感じさせる数少ない先人のおひとりであるが、この本もまた我が國で育てていただいてよかったと素直におもえる一冊になる。  ところで、出版社の紫紅社は昭和48年に吉岡が設立された美術工芸図書出版で、その名からもわかる通り、色のなかで紫を吉岡は最も愛した。そのドキュメンタリーは映画になっており、そのタイトルもずばり『紫』である。  こち

『人は自然の一部である』渋沢寿一 | 地湧の杜

 過日、或る珈琲屋で家人が「その本、『何が自然の一部である』と書いてあるの」と訊ねてきた…

KODO
7か月前
10

『科学と生命と言語の秘密』松岡正剛×津田一郎 | 春秋文庫

 私は松岡正剛が校長をされているISIS編集学校の卒業生になる。十年目の「離」なるコースを卒…

KODO
7か月前
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大人の学級文庫

 昔、男子校の高校教師を十数年していた。生徒にはよく本を贈っていたが、中には未だに推薦図…

KODO
8か月前
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『古神道秘訣』荒深道齊 | 八幡書店

 鎖國主義の私のまわりには所謂、靈能力者が妙に居る。おそらく偏見がないのが佳いのであろう…

KODO
8か月前
18

『終極からの摂理』和田友良著 | エイチエス

新年最も読みたい一冊はNPO法人読書普及協会会長の清水が推している『終極からの摂理』で、次…

KODO
8か月前
19

『土方巽全集』土方巽 | 河出書房新社

写真は私の初代『土方巽全集』で、いつぞやの誕生日に両親から贈られたものになる。装丁と内容…

KODO
8か月前
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『男性における道徳』稲垣足穂 │ 中央公論社

稲垣足穂の道徳觀で目をひくのは、曖昧眼鏡すなわち縁なし眼鏡を認めぬ点ではないだろうか。仮にキリストが曖昧眼鏡を身につけていたならば、ここまでカトリックも拡がらなかったであろうと足穂は視ている。 一方、浅田次郎の『天切り松闇語り』にでてくる目細の安吉親分は曖昧眼鏡をしながらも、男性における道徳の塊のような藝が小説の随所にみられる。 ちなみに私は金子眼鏡でもとめた限りなく曖昧に近い縁あり眼鏡を愛用している。 まあ、男性における道徳という視点で考えれば、眼鏡の奥底に光る眼力が