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読書本まとめ

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和の読書記録です。本からの気づきをいろいろ書きます。
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記事一覧

谷川俊太郎さんの詩から生まれた絵本「生きる」

読書記録と言うほどのモノでもないけれど、この絵本はじっくり見ていたいと思わせる、引力がある。たったp39のお話。 それも、谷川俊太郎さんの詩をなぞっているから結論はわかっているけれども、絵の視点だ。ここがすごい。 「生きる」といいつつ、ほのかな「死んでしまった」を含むのだ。 この絵本は、セミの死骸のアップからスタートだ。 いきなり虫が苦手な人は「うえっ」っとなる。だって、その死骸にアリが群がっているのだから。自然の中の死だ。 そこから、公園の引きの絵があり、こまやかな人

【読書記録】もりあがれ!タイダーン

あなたは、対談本って読みますか? 私は……正直苦手な所がありました。 なんか、読みにくいと感じることがあります。 そんな私でも楽しく読める対談本がここにありました。 名付けて「タイダーン」ロボ。 ってまぁ、ダジャレなんですけれども。 最近は「ダンダダン」の方が有名かもしれませんが関係ありません。 この本にはヨシタケシンスケさんのイラストもたくさんあり、遊び心満載です。何なら、主題歌まで! 対談本にしては、余白が多め。お二人の話の中で話題に出た本の表紙も写真でどんどん載

【読書記録】月の光を飲んだ少女

アメリカの児童文学の翻訳本です。 この世界では、ある村で赤ちゃんを生贄に差し出す習慣がありました。この村は年に1度悲しみに包まれます。実は、魔女がこの赤ちゃんたちをこっそり星の子として助けていたのですが、額に月の模様のあるルナだけはどうしても手放せませんでした。このルナに魔法の力が宿ってしまい、手のかかる赤ん坊を自分で育てることになった魔女のザン。はたしてどうなるのか? 2017年のニューベリー賞受賞作だそうです。 読みやすい感じで、サクサクと目を通すことができます。目次

【読書記録】君を守ろうとする猫の話

↑ この本の続きでした。 上記の本の主人公は男の子、下記の本の主人公は女の子です。 時間軸が違うので、「君を守ろうとする猫の話」から読んでも大丈夫です。あとから、あの二人の話として「本を守ろうとする猫の話」を手に取るのもアリだと思いました。 君を守ろうとする猫の話この本を読む前に、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読んでおくと、より楽しめるかと思います。本を読んで、本に出合える本なので、私にはすごくヒットしました☆あぁ、これ誰かに勧めたい! ただ、わが子に勧めるにはTHE王

【読書記録】図説 花開くアメリカ児童文学 「若草物語」から「大草原の小さな家」まで

カラーページや、19世紀~20世紀の本の挿絵などが沢山載っている本書。 誰もが一度は聞いたことのある「若草物語」「大草原の小さな家」「あしながおじさん」「赤毛のアン」「オズの魔法つかい」などの文学を時代背景の解説がかかれていました。 作品に触れたことはあっても、その時代に思いを馳せたことってなかったな、と思いこの本を手に取ってみました。 この時代に、女性が書く物語が世に残っているというのは作品そのものがおもしろかったのももちろんあるのでしょうが、それを創り出す知識や教養が

【読書記録】へろへろ

これは、介護の話です。 まだまだ先だって思っている介護の。 1人のすごすぎる状態の老婦人「大場さん」をきっかけにスタートした、地域の居場所づくりの波乱万丈物語でした。 迷惑・邪魔・大変 そう思われてしまった人たちの気配が共存できる居場所づくり。 「ぼけ」ることで、周りがどうなっていくのか。 「わたしが そんなに 邪魔ですか?」 この問いに、真摯に向き合うことができる人たちって、おそらくこの本に出てくる、人情を大切にする、心あたたかな人たちなんだろうな。そう、思いました。

【読書記録】カーテンコール!

何を読もうかなぁ~と探していた時に、選書サービスというものを発見しました。いわた書店の1万円選書。YouTubeでもいろいろな人が取り上げていて、その中で「カーテンコール!」が紹介されていたので、読んでみます。 閉校になってしまう女子大学。そこに残された留年組。彼女たちが「女の刑務所だー」と嘆きたくなるような、最後の寮生活の中で巻き起こる、似た者同士が紡ぐ連作短編集でした。 卒業できないとなれば、それなりの事情があります。それぞれに。そういうもろもろを詰め込んでいるけれど

【読書記録】SAVE THE CATの法則

書くにまつわる本で、ついに脚本と言われる分野の本に手を出すとは、1年前の私は思ってもみませんでした。この本は超有名らしいのです。だったらこの本と、関連本は図書館で借りて同時読み作戦でいきましょう。 翻訳本だけど、おもしろい! 語り掛けてくるような感じで書いてあって、私は読みやすかったです。今まで、映画を見る時に書き手の流れなんて思っても見なかったけれど、この本を読んでから映画の見方が変わりそうです。あぁ、なるほど!って学びになってしまって、もう普通には見られなさそうです。

【読書記録】レーエンデ国物語 月と太陽

図書館で借りてきたら、まさかの2巻だったけれど、世界観が創り込まれているファンタジーに引き込まれたし、ここからでも全然読めました。 革命物語、レーエンデ国のお話。 怪力女テッサと賢い少年ルーチェの紆余曲折があり、成長物語がベース。一見平和だった炭鉱村に課された重税。そこから始まる戦い。若干血なまぐさい描写が多いから、苦手な人もいるかもしれません。それでも、ずっと読んでいくと、これって純愛なんだろうなって思えます。 大好きな国、大好きな人たちを守りたい!この純粋すぎる想いが

【読書記録】宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み

自分の強みを宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるらしい。 どうしよう。宇宙兄弟を全巻は読んでいないし、FFSとかも初めてだ。 そんな私でも理解できるかしら。 私はムッタだった。無料の簡易診断をしたら。 そうか、そうか~? まぁ、人は多面的な生き物だから、そういう面もあるだろう。 夫は宇宙兄弟を読んでいる。だから、私がムッタだったと言ったらマンガの後半のムッタだったら、あてはまるかもね。って言われた。後半とか知らない。これはもうマンガを読むしかないのだろう。 いや、簡易版じゃ

【読書記録】本を守ろうとする猫の話

物語自体は一気読みでした。児童文学を楽しんでいる感じ。だけど、裏にある本の知識はすごいんだろうな、そんなことを感じさせてくれる本。 帯には、21世紀版の「銀河鉄道の夜」とあった。ジョバンニ?もう一回読み直そう、忘れているのに気がつきます。 シェイクスピア、デュマ、フッサール、ゲーテ、スタインペック・・・・・。あぁ、ちょっと手が出せないなあ。 でも、最後にはガルシアニマルケスの「百年の孤独」を手にしたくなりました。最近文庫本で本屋でよく見るし、私もその、わけわからないのを感じ

【読書記録】質問の一流、二流、三流

ChatGPTなど対話型AIチャットツールや、AI画像生成ツールなどが出てきてますます、人間側が「何を問うか?」が大事になっているように思います。 ちょっと前までは、Google検索にどういうキーワードをどれだけ入力するかが肝だったけど、今は質問。これほどまでに発達したのには、デジタルデータがウェブ上に溜まってきたおかげです。集合知がそこにあるのです。 たんなる情報は、ChatGPTに聞けばいいのです。 でも、実際に日常生活で使えそうな質問とその裏にある人の気持ちにまで言

【読書記録】二人キリ

昭和の猟奇殺人「阿部定事件」なんて知らなかった。この事件を普遍的な純愛につなげた評伝小説。事実をもとに、ここまで昇華させた村山由佳さんが凄すぎる。 事実には、お定さんが名古屋にいたのかどうかは知らないけれど、この小説の中には、名古屋の遊郭の場面が出てくる。この辺りで名古屋弁が沢山出てくるので、こんな風には言わないなぁとか思いながら読んだりもしたけど、キャラ立てするならここまで言わせるのはありなのかもしれない。 「あんたにはこれが似合うんじゃにゃーの?」と。 にゃーにゃーみゃ

【読書記録】プロだけが知っている 小説の書き方

書く仕事についていろいろな本を読んできたけれど、ライターさん向けが多かったなぁと振り返りました。こっちの本は、小説家さん向け。この本の作者、森沢明夫さんの作品はあまり知らなかったので、何か読んでみてから実用書を手に取った方がいいかもしれないと思い、 これを読んでみました。なんか、ほっこりする作品でした。 それでは「小説の書き方」、つまり裏側を見ていこうかと思います。 ここまでバラして大丈夫?担当編集者さんに、まじめに心配されたそうです。こんなに内情をバラしたらライバルが増