見出し画像

【読書記録】君を守ろうとする猫の話

↑ この本の続きでした。
上記の本の主人公は男の子、下記の本の主人公は女の子です。

時間軸が違うので、「君を守ろうとする猫の話」から読んでも大丈夫です。あとから、あの二人の話として「本を守ろうとする猫の話」を手に取るのもアリだと思いました。

君を守ろうとする猫の話

この本を読む前に、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読んでおくと、より楽しめるかと思います。本を読んで、本に出合える本なので、私にはすごくヒットしました☆あぁ、これ誰かに勧めたい!

ただ、わが子に勧めるにはTHE王道の本たちの読書量が足りないなぁって思ったりしました。「モモ」も家にあるけれど、あの子たちは手にとらない(笑)きっと、小学生にはあの本の分厚さから圧がくるんだろうなぁ。現代っ子だもんなぁ。おもしろいのになぁ。と、母はちょっぴり残念に思ったりしました。まぁ、これは母のただのエゴですけれども。

本を読まない人が増え深く考えないこと、想像力の欠如、出版物としての質、いろいろな問題がちりばめられていて大きな時代の流れと、人びとの価値観の変化が感じられる本です。ストーリーで進んでいくのでとっても読みやすかったです。こういう流れに関しては大人の方が共感できそうです。

『ともに歩む者』
『作られし者』
『増殖する者』
こういった、表現によってお金という側面が示されていますが、最後の『増殖する者』の中にお金の裏にある冷たくドライな感情が見え隠れしていて、自分の中にある良心がうずくのです。また、増殖って言葉のせいか、自己増幅型の注射も思い浮かべてしまうこともありました。

「もちろん視点の置き所によって、物の見え方はいくらでも変わる。けれど時と共に物が朽ちていくことは、ひとつの基本原則だと言っていい。でも人がつくり出したものの中には、けして朽ちることがない物が存在するんだ。それどころか時とともに、確実に、ゆっくりと力を増していく存在がある。そこにあるだけで、確実に増えていくもの、つまり増力していくもの」

君を守ろうとする猫の話 p186

読んでいて、いろいろな物が豊かにあって、どんどん増えていくことって一見いい感じに見えます。ただ、1つの風船だけが大きく膨らみすぎると、やがて破裂してしまうようにどこかで限界がきます。増えることは悪くないです。ただ、バランスをとりながら、ゆっくりゆっくり小さな風船の数を増やしていく方がSDGs的にもいんじゃない?そんなことを感じました。まぁエゴのコントロールって、人類普遍の課題でしょうけれども。

生きていると、これらが巧妙に混ざっていて、どっちがいいかを見極める目が曇っていきがちです。感性が鈍くなっていきます。そんな時は、ちょっと休んでゆっくり紅茶を飲むといいようです。

「そう。時間って大事だよ。紅茶だって冷めてしまえば美味しくないけど、慌ててカップに口をつければ、火傷をするだけ」

君を守ろうとする猫の話 p189

だとしたら、あなたはどうやって紅茶を楽しめばいいのでしょうか?
答えは、この本の中にありました。

さぁ、今日はコーヒーじゃなくて紅茶でも入れてみようかな。

紅茶が冷めるまで


いいなと思ったら応援しよう!