試作回数1,000回以上!こどものプロ×パティシエが作った「なんのドーナツ?」開発の舞台裏
こどものプロがつくる会社「こどもカンパニー」では、学校の先生の声かけをヒントに、子どもの野菜嫌いの悩みを解決するプロダクトを開発しました。それが、食べられる食育トイ「なんのドーナツ?」。「ちゃんと食べなさい!」ではなく、「なんのドーナツ?」から始まる親子の会話を通して、子どもが野菜と仲良しになるきっかけを作るドーナツです。
▼教育現場から生まれた、親子のワクワク体験おやつ「なんのドーナツ?」
今の「なんのドーナツ?」に辿り着くまで、試作回数なんと1,000回以上!
今回のnoteでは、そんな「なんのドーナツ?」開発の舞台裏に迫ります。
200回以上試作を重ねたグミを断念した理由
子どもの野菜嫌いの悩みにアプローチするおやつが作れないか。
せっかくなら、子どもたちが大好きなおやつにしたいな。
しかも、手軽に食べられるといいな。
そう思った時に、一番初めに考えたのが「グミ」でした。
実は、代表のガブリンパパも、子ども時代にグミが大好きだったんです。弾力のある食感と、噛むとじわっと甘みが出てくるジューシーさがたまらないですよね。
まずは、野菜の好き嫌いの克服を目指したグミを開発しました。グミに含まれる野菜の量を少しずつ増やして、段々とその味に慣れていくというもの。味をグラデーションにすることで、苦手な野菜もいつ間にか食べられるようになるのではないかと考えたのです。
他にも、野菜の形をした3Dグミを考えました。グミを野菜の形にすることで、野菜に親しみをもってほしいという思いから生まれたものです。野菜の収穫体験を擬似的に行うなど楽しみながら食べることができる案も出ました。
そんなこんなで、グミを作ること200回…
たくさんの試作を重ねたのですが、残念ながらグミを断念をすることになりました。
それはなぜかというと…
まず、グミの最大の特徴である「弾力」を表現するには、増粘剤などの添加物を使わないといけないこと。お家の方や子どもたちが安心して毎日食べられるようなおやつにするために、素材にはこだわりたいと思っていました。そのため、添加物の使用はできるだけ避けたいと考えていたのです。
次に、グミの美味しさを作るにはある程度の「糖度」が必要だということ。人工甘味料で甘みを足さないといけないので、「野菜本来の甘さ」を感じることが難しくなってしまいます。これでは、せっかく野菜を入れた意味がありません。
さらに、グミの制作には、特殊な設備や金型が必要で、工場での生産がベースになるので、自分たちのキッチンでは作るのが難しいことが分かりました。どこかに発注して終わりではなく、まずは自分たちで納得いくものを作りたいと思っていたので、その点も難しさの一つでした。
何度も試行錯誤し真剣に考えて作っていた分、正直とても悔しかったのを覚えています。
美味しさと栄養のバランスを追求!パティシエのこだわりが詰まった焼きドーナツ
安心・安全な素材で作れるものは何だろう?
野菜本来の甘みを生かせるお菓子って?
自分たちのキッチンで作れるものにしたい!
そう考えて辿り着いたのが「焼きドーナツ」でした。
こどもカンパニーのメンバーには、多数受賞歴のある新進気鋭のパティシエがいます。グミは、お菓子というよりは化学品に近く、せっかくのパティシエの力を生かしきれずにいました。しかし、焼きドーナツであれば、パティシエとしての経験と、長年美味しさと栄養のバランスを追求してきた技術を生かすことができます。
揚げドーナツではなく、「焼きドーナツ」であることもポイント。油で揚げないので、ヘルシーに食べることができるんです。そして、もちろん、人工甘味料などの添加物を使わずに安心できる素材だけで作ることができる。
子どもたちが毎日食べるおやつだからこそのこだわりです。
そうして、ぼくたちは、焼きドーナツを開発することになりました。
まずは、グミ制作で気づいた野菜パウダーの有効性を生かして、野菜パウダー入りドーナツを制作しました。野菜の約9割は水分です。乾燥し、パウダーにすることで、少量の粉末で野菜の栄養素をしっかり摂ることができます。つまり、栄養素を最大化しつつ、野菜を苦手と感じる原因の「繊維質」や「苦味」を解消することができると考えたのです。
一方で、野菜を食べられた!という体験につながるよう「野菜らしさ」も残したい。野菜パウダーと併せて野菜ペーストも組み合わせながら、理想のバランスを追求しました。野菜によって水分量が多かったり苦味が強かったりと特性が違うため、それぞれに合わせたドーナツの開発が必要だったのです。
作っていくうちに発見したのが、野菜とドーナツの相性がとても良いということ。野菜の良さを消さずに、野菜をちゃんと主役にしてくれるんです。
美味しいだけじゃない。
栄養もちゃんと取れる。
そして、何より野菜を体験できる。
そんなドーナツを目指して開発を重ね、試作回数は延べ1,000回以上!
約100名の子どもたちに試食してもらい、子どもにとっての美味しさを追求しました。
そうして、野菜ドーナツの第一弾ができたのです。
しかし、「なんのドーナツ?」に辿り着くまでには、まだまだ長い道のりがあるのです。次回は、「ぼくたちはドーナツ屋じゃない。」というお話。お楽しみに〜!
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