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”ひきこもり”の広場 ごぶさたしております!

『みんなのひきこもり』をお読みくださった読者の皆さまより
この本で出合えたあなたの"ひきこもり"について
読後の感想やメッセージをお寄せいただいております

コロナで孤独を感じた「あき」さんからのメッセージを
著者の加藤隆弘先生のアンサー・メッセージお返事とともに
ご紹介しましょう!

★★★ 「あき」さん ★★★
大変興味深く拝読いたしました。
例え精神疾患として病名がつく状態ではなかったとしても、その人やその周りの人が困っていることに違いなく、グレーゾーンの人も放っておいてはいけない、という内容はすごく納得しました。

社会人として出勤して仕事をしている状況はひきこもりではないように見えますが、コロナ自粛により趣味の集まりが出来ず、親しい友人も少ない状況では、休日に一言も話さない日が増えて孤独を感じたことを思い出しました。まるで定年後に近所のコンビニ店員としか話すことがない高齢者のようです。
コロナによって、趣味のつながりを失うことの擬似体験ができましたが、定年退職すると仕事という社会との強いつながりが途絶えてしまいます。その時が来てもひきこもらずに済むように、多様な方面につながりを持ち、保ちたいなと思います。

あきさんのように「孤独を感じた」という方、
今も「孤独を感じている」方は少なくないと思います
そのことについて加藤先生が「孤独感」についてもお伝えくださっています
こちらが精神科医、加藤隆弘先生からあきさんへのアンサーメッセージです

あきさん、貴重な感想をいただき、ありがとうございました。
早々に感想を頂いておりましたが、私のいつもの「先延ばし癖」がでてしまい、レスポンスが遅れてしまいました。お詫び申し上げます。
ご指摘のように、拙著では66ページから精神疾患におけるグレーゾーン問題について私論を交えて紹介しました。今回も発動された私の「先延ばし癖」ですが、ある世界の住人からは病気扱いされるかもしれませんし、別の世界では「よかよか」と受け入れてもらえるかもしれません、つまり、まさにグレーゾーンに位置づけられる癖かもしれないのです。こころの病気であるか健康であるかの線引きも、このように周りのみんなが規定している側面があるのです。ちなみに「よかよか」というのは「大丈夫、大丈夫」という受容の意味をもつ博多弁で、私が日頃からお世話になっている福岡市ひきこもり成年地域支援センターの愛称が「よかよかルーム」です。私自身の体験では、締切に間に合わない傾向をやみくもに叱責されるではなく受け入れられたという経験とともに、自分の癖に名前が付いたことで、以前ほど無意識の中で苛まされることが減ってきました。「先延ばし癖」を持っていると自認できるようになったことで、具体的な対処法を身に付ける道が開かれたのです。無意識の中で体験していたお困りごとを意識できるようになること、これこそが無意識を意識化するという精神分析的な作業なのです。私自身の例を持ち出しましたが、誰しも心の癖をもっているものです。そうしたによって周りから責められたり、自分を責めたりすることがあるかもしれません。こうした場合には、68ページに紹介したような形で何らかの支援を求めてほしいと思います。
 以下、後半部分へのレスポンスです。いまのコロナ禍において多くの方々が「ひとりぼっち」の感覚を体験せざるをえない状況にあると思います。なんとなく職場や学校で人と会うことが普通だった頃は、孤独感はなんとなくマスクされやすかったと思います。しかしながら、実際には、人と居てもどこか孤独だったのかもしれません。拙著でも触れましたが、私は「孤独感」をもつこと自体は悪いことではないと思っていますし、多少の「孤独感」をもつぐらいがよいとさえ思っています。「孤独感」が様々な創造の源になっていることは、多くの芸術作品や歌が孤独感をテーマにしていることからもお分かりでしょう。つながっているけどつながっていない感覚、つながっていないけどつながっている感覚、コロナ禍はこうした私たちの感覚を鋭敏にしています。いま、ネットを介したつながりが急激に発展していますが、それだけで人間は本当に満たされるのでしょうか。でも、全くつながらないよりはネットでのつながりの存在は貴重ですが。ネットではつながっているけど、どこかつながっていないという感覚(人恋しさ?!)を私は大切にしたいと思っています。この感覚が、新しい世界と繋がる原動力になるはずです。あきさん、是非、いまのうちに新しいつながりを作ってください。
 ただし、「孤独感」「孤立感」に圧倒されて苛まれるような状況に陥った場合には、こころの支援が必要な状態かもしれませんので、ひとりで我慢せずに、なるべく早く支援を求めてほしいと思います。私たちは、メンタルヘルスファーストエイド(MHFA)の普及活動を通じて、身近な人ひとりひとりがお互いのこころの支援者になれるような取り組みを続けています。拙著でもMHFAを紹介していますので、152ページをご覧になって頂ければ幸いです。

メンタルヘルスファーストエイド(MHFA)については、加藤先生のこちらのアンサーメッセージでもご紹介しております
「孤独感」は少なからず誰しも人が感じる感情であり、
その感情を新しい世界への原動力としてエネルギーにかえれるとしたら
「エコ」な働きかもしれないですね
孤独を感じるから「人」への自然な愛情が湧いたり、相互のつながりを大切にしたくなる、そんな気がします

博多弁の「よかよか」 とても温かな言葉ですね~
聞いたほうも、そして 伝えたほうも
気持ちが柔らかくなりそうです

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