マガジンのカバー画像

古寺巡礼

205
古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
運営しているクリエイター

2024年9月の記事一覧

ぶらり、唐招提寺:3

(承前)  礼堂が途切れた突き当たりにあるのが、開山堂。鑑真和上を祀るお堂で、国宝の《鑑…

20

ぶらり、唐招提寺:2

(承前)  天平宝字3年(759)、孝謙天皇からこの地を賜った鑑真和上が、唐招提寺を創建。金…

21

吉野と熊野 ―山岳霊場の遺宝― /東京国立博物館

 今年の5月28日から7月15日まで、東京国立博物館の本館14室で開催されていた特集展示である。…

24

神護寺 空海と真言密教のはじまり:3 /東京国立博物館

(承前)  全体の3分の2ほどを過ぎた段階で、じつは、仏像はまだあまり登場していなかった。…

26

神護寺 空海と真言密教のはじまり:2 /東京国立博物館

(承前)  東博の「神護寺」展・後半分の展示は、平安貴族の信仰と美意識を反映した、きらび…

30

神護寺 空海と真言密教のはじまり:1/東京国立博物館

 真言宗の古刹・神護寺の創建1200年を記念する展覧会である。  京都の市街地から北へ離れた…

32

空想の宙「静寂を叩く」  大乗寺十三室 | 十文字美信 /資生堂ギャラリー

 日本海に面する、兵庫県香美町。ここには、円山応挙とその一門が描いた障壁画をまるごと今に伝える寺がある。「応挙寺」こと大乗寺だ。  筆者は、昨年2月に訪問。遠路はるばる向かったのは、いつも収蔵庫で保存されている襖絵が、13年ぶりに本来の堂内へ戻され、3月まで期間を限って公開されていたからだった。応挙らによる空間美をありがたく、じっくりと堪能させてもらった。  このとき、襖絵が一時的に戻されていた第一の目的は、じつは「公開」ではなく、「記録」のほうにあった。高精細のデジタルデー