語って食べて、踊る。霜月の夜は更けて
11月2日(土)は発酵合宿に参加。
合宿と言っても泊まりがけではなく、
「発酵について」を軸に、朝から夜まで〝食〟についての座談会です。
場所は福岡・糸島の海水浴場にある海の家。
前日は台風21号の影響で大雨警戒注意報が出され、この日も朝は大雨。
大ぶりの雨の中の集会で繰り広げられる食の談義。
もうこれだけで十分マニアック。
パネリストは独自の道を切り開き
日々研鑚している九州各地の食の職人たち。
味噌、漬物、醤油と麹、ハチミツ、土と微生物についての
体験談&実験談などを聞きながら、黒豆・小豆入りで作った味噌や
20年ものの味噌、採りたてのハチミツの層などを試食するという
楽しい学びの時間。
夕食は熊本・月亭さんの和食。
「まず川や野山に自分で食材を調達しに行くことから始まります」
という上月さん。
旬の食材を使った料理はおいしいだけではない、
奥深さが伝わってくるものでした。
食事を出してもてなすために奔走する様子が語源の「馳走」。
「ごちそう」の意味も味わいながら、1品1品の料理を楽しみました。
そして最後は盆踊り♪ (11月に盆踊り!?)
なんと糸島盆踊り研究会による三味線・太鼓・歌の生演奏で踊るという、
本格的なもの。
盆踊りなんて小学生以来・・・。
輪に加わり、見よう見まねでギクシャクと踊ってみる。
手拍子を打ち、その場でくるっと回る。
進んで下がって、また進む。
音楽に合わせて踊りながら何周も円を描いているうちに、
なんとなく輪がまとまってゆき、一体感が出ているのが分かる。
なにより、みんなとても楽しそうに真剣に踊っていて。
もちろん私も。
「語る、食べる、踊る」。
やっぱり、これが暮らしの根幹にある大切なものなんだろうなぁ。
両手を上げたり、左右にヒラリヒラリと振ったり。
踊りながらそんなことを考えてみる。
11月の雨上がりの夜。
漆黒の海からザザーン、ザパーンと波音が響く中、
海の家の照明に照らされ、
砂地で初対面の人々が輪になって盆踊りを踊っている。
このなんとも言えない不思議な非日常の体験が、
浄化と吸収を同時にもたらしてくれているような。
ディープでマニアックな世界に触れ、
私の中の食の心得もなにか醸されているかもしれない・・・。
明日から立冬。
どうりで。
風がまた少し冷たくなりました。