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【第4回】小林農産の「里山体験」

(1)小林農産でできる里山体験

「体験してみたいんだけど、実際にどんなことができるの?」という質問をよくいただきます。小林農産では下記に挙げるような四季折々の里山の恵みの収穫体験が可能です。

【小林農産で収穫体験できるもの】
―春(3・4・5月)―
 ・甘夏      ・タケノコ    ・月桂樹    
 ・ふき      ・つくし     ・ヨモギ
 ・タラの芽    ・木の芽     ・ノビル    
 ・菊芋や渋柿の葉 ・スイカズラ   ・ノブドウ
 
―夏(6・7・8月)―
 ・梅(3種類)         ・ノブドウ    ・バラの花    
 ・ピオーネ    ・スイカズラ 
 
―秋(9・10・11月)―
 ・ピオーネ    ・すだち     ・ポポー      
 ・栗       ・早生の甘柿   ・銀杏
 ・いちじく    ・ノブドウ    ・スイカズラ   
 ・蓼藍      ・月桂樹     ・アケビ
 ・ザクロ     ・富有柿     ・渋柿      
 ・ミョウガ    ・黒小豆     ・温州みかん   
 ・ムカゴ
 
―冬(12・1・2月)―
 ・温州みかん   ・はっさく    ・ブンタン      
 ・完熟すだち   ・甘夏      ・菊芋
 ・銀杏      ・スイカズラ   ・びわの葉      
 ・月桂樹     ・ノビル     ・ペカンナッツ
 ・ふきのとう   ・ノブドウなどの弦

 その他、草花やバラなども合わせると100品種以上あり、来られる季節によって様々な里山を体験いただけます。
また果物などそのまま食べられるものは、収穫したその場で食べることもできます。
その他には下記のような体験もおこなっていただくことができます。

【小林農産で体験できること】
 ・焚き火、スエーデントーチ着火体験
 ・里山散歩
 ・収穫体験
 ・果樹のお世話体験
  ∟びわ、ブドウ、温州みかん
 ・ワークショップ
  ∟吊るし柿作り
  ∟野草の種取り(蓼藍)
  ∟リース作り
 今後もメニューは追加予定!

 たくさんの体験が可能なので、幅広い年齢層の方に楽しんでいただけます。今回は実際に3月に来られた2組の親子の体験の様子をご紹介します。

(2)里山体験の様子~3月~

―AM10:00 甘夏の収穫
 まずは甘夏の収穫体験。一人ひとり収穫カゴとハサミを持ち、いざ収穫です。
「ここを切ったらいいよ~」などと声掛けをしながら、一つひとつ甘夏をかごに収穫していきます。子どもたちは、初めての体験でうまくいかなくても試行錯誤しながら収穫をしていきます。「採れたー!できたー!」との声が子どもたちから次々に上がり、気付けば、かごが甘夏でいっぱいになりました。
 『木に果物が実る』ということを知ってはいても、普段はスーパーなどに並ぶ形や色のととのった果物しか目にしない子どもたち。自分で収穫した甘夏には枝や葉っぱも付いていますし、色や大きさ、形も様々です。

「ちょっと色が薄いね。甘いかな?」
「こっちの方が大きかった!」
「ここにもみかんがある!」
「みかんに葉っぱがついていて、かわいいね」
実際に体験したからこそ気付いたことがいっぱいあったようです。

3歳のMくんも一人で収穫!

―AM11:00 タケノコほり
里山のあちこちにタケノコは自生しているのですが、今回はお子さんもいるので比較的傾斜が緩やかな場所でタケノコほりをおこないました。
一見すると、どこにタケノコが生えているのか分からず、タケノコ探しに苦戦する5人。
「足で踏んでみて、ツンツンっとした感じがあるところを探してみて」とアドバイスすると、皆さん足の裏の感覚だけを頼りにタケノコを探していきます。普段、足の裏に意識を集中させることはなかなかありません。最初はうまくいかない子どもたちも集中して行うことで感覚が研ぎ澄まされていき、タケノコが埋まっている場所を見つけられるようになっていきました。
 日常生活の中で「五感を研ぎ澄ます」という機会はあまりないのではないでしょうか?
しかし里山では、耳を澄ますと野鳥のさえずりや動物や虫が動きカサカサっという草木の動く音が聞こえてきたり、タケノコ探しのように手や足の感触をフル活用したりと、五感で感じ、感覚を研ぎ澄ます体験がたくさんできます。そういった点も里山体験の醍醐味の一つです。

足の裏の感覚でタケノコを探し、掘り進めていきます。

―PM12:00 昼食・里山あそび
 今回はそれぞれお弁当を持参。里山の一番眺めのいい場所でお昼ご飯を食べました。
デザートは先程収穫した甘夏。採れたてを青空の下で食べるとより一層おいしく感じます。
 昼食後は里山の豊かな自然で子どもたちに思い思いに遊んでもらいました。虫取り、かけっこ、ブドウ畑のブランコ、タンポポ摘みをしたり、金柑の実を木からとってそのまま食べてもらったり。自然にできているものを取ってそのまま食べることができるのも里山体験の楽しみ方の一つです。
 普段の生活で、見渡す限り緑に囲まれた自然に触れ合うことはありません。チョウチョやカエル、テントウムシといった子どもが好きな生き物もたくさんいますが、中にはマムシやハチといった危険な生き物もいます。
小林農産で里山体験をされる皆さんには、危険な生き物の説明も行います。最近は自然の美しい面、楽しい面がフォーカスされがちですが、「自然は楽しいだけではなく、危険で厳しい面も持っている」ということを里山体験では学ぶことが出来ます。

みんなで薪割りに挑戦!


里山で見つけたカエル

(3)これからの里山体験でやってみたいこと

 訪れた人にもっと里山を楽しんでもらうために、私がこれからやってみたいことがいくつかあります。
 まず一つ目は里山クッキング。山菜などの調理が必要なものも里山で食べてほしいと考えています。「収穫-調理-食べる」までを一つの流れとして皆さんに体験してほしい。いつも食べているものがどんな状態で生えているのかを見て学んでもらったり、スーパーに並んでいる食材と食べ比べたり。実際に生育しているものを自ら収穫し食べることは「食育」にも繋がると思っています。また、自然の中で食べるご飯は格別です。心もおなかも満たされ癒される体験を提供したいと考えています。
 二つ目は里山の恵みや環境を活かした様々なワークショップやイベントの開催です。私は里山やその恵みをもっと多くの人に活用してほしいと考えています。今までも講師の先生を招いて、里山で採れた果物で発酵ジュースを作ったり、里山で採ったみかんの葉を蒸留してつくったアロマオイルを作ったりなど、身体も癒され健康になれるようなワークショップを開催してきました。自分で材料から収穫することで、「今まで雑草だと思っていたものが実は役に立つ野草だった」といった発見もあります。里山ワークショップで心も身体も癒され、ためになるような体験をこれからは回数を増やして開催していきたいと考えています。

次回は私の里山への想いを書いていきます。よろしければご覧ください。