他関節からみた膝について考える
今月のL-tar.+のテーマは
「膝」
膝に痛みがあるが、膝の機能的な問題が疑われない。。。
こういったケースはよくあるのではないでしょうか?
今回の内容では膝障害における動作分析に
必要となる患部外機能をおさらいしたうえで、
これらについてまとめていきます。
L-tar.+1週目の内容に加え、
患部外からの影響を十分に把握することで
次週配信の「動作分析」につなげた内容を配信していきます。
ーーーーー
■膝関節とは
まずはじめに「膝関節」の機能についておさらいしていきます。
膝は他関節からの影響を大きく受ける器官であり、
主な作用としてこれらが挙げられます。
動作を受動的に制御する
衝撃吸収作用
膝関節は1軸性(屈曲・伸展)の関節ですが、
隣接した足関節・股関節の動きの影響により
膝の内反・外反といった捻れた動きをとっていきます。
この動きが着地動作などの強い衝撃が加わり続けることで
膝の過剰なストレス・ケガへとつながっていきます。
他関節からの影響を膝がどのように受けているのか
についてこの先にまとめていきます。
ーーーーーーーーーー
■全体の動きから膝へのストレスを考える
・前・後十字靭帯損傷 ・膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
・内外半月板損傷 ・内外側副靱帯損傷
・腸脛靭帯炎(ランナー膝) etc
外傷によるケガを除き、
膝の前後、側方の痛みを理解するためには膝のみではなく
他関節からの影響を把握したうえで分析していく必要があります。
そこで、解剖学・運動学的にストレスとなる要因を
基本動作を中心に評価していく方法をご紹介していきます。
ーーーーーーーーーーーー
■動作分析の理解を深める
動作分析において、全体の動きと膝関節のストレスを捉える上で重要な点をおさらいしていきます。
・関節モーメント
・運動連鎖
関節モーメント
動作分析の理解を深める上で、関節モーメントの理解は外せません。
臨床的には、
現在考慮する関節から上部にある質量中心位置が
その関節からどの程度離れているか
を捉えていきます。
膝関節モーメントの捉え方を簡単に図式しました。
では、上記をもとに
スクワット動作から膝関節モーメントを捉えていきましょう。
動画はAの動作を表しています。
Aの動作では膝関節の位置に対して、上半身の質量は後方に位置しているため、膝関節伸展モーメントが増大する姿勢となります。つまり、膝関節伸展筋群の活動が大きく求められます。
Aに対してBの動作では膝関節に対してやや前方に位置しています。
そのため、Aに対して膝関節屈筋群であるハムストリングスなどの筋活動が大きく求められる動作になります。
ランジ動作においても同様に捉えられる問題であると思います
・・・・・
運動連鎖
骨盤と膝関節の運動連鎖
立位で上体を左へ回旋させると、
左下肢では股関節内旋、内転、膝関節内反、内旋、足関節底屈が生じ、
距骨下関節は回外していきます。右下肢では逆の運動が起こります。
また立位で上体を右へ側屈させたとき、
骨盤は左側方移動、左股関節は内転、左膝関節は内反します。
右股関節は外転、右膝関節は外反していきます。
一般的な動きの連鎖を把握したうえで過剰な膝への動きが
ストレスを増大させることを抑えておく必要があります。
ーーーーーーーーーーーー
■膝に加わる力学的ストレス
今回は膝の痛みを対象としているため、痛みの部位ごとにおける
膝に加わる力学的なストレスについてまとめていきます。
|膝関節内側
はじめに膝の内側の痛みにおけるストレスから考えていきます。
膝に加わるストレスは、「伸張」と「圧縮」によるものがあります。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?